■プロローグ■
――海上、アメノトリフネ内
鐵皇国の現皇帝・
覇道 鼎の専用機であるこのアメノトリフネは、リキニウスの街の北西の孤島へ向かっている。
覇道家直属の巫女(ガジェットドクター)・
兼武 結咲は、今では鼎の愛機となった
大鐵神・毘沙門の整備に余念がない。
「見つかるといいね、モニュメントか鉱脈。現盟主アリス・エイヴァリーと遺跡の調査権を交換できるんでしょ?」
「ええ、その通りですわ」
「鼎様と協力してくれる独立連隊、そして特異者のお陰で大鐵神も大分修理できたからね。後一押し欲しいところなんだよ」
(ただ、それは自由都市連盟にもルミナス王朝にも言えることですわ)
自由都市連盟の現盟主
アリス・エイヴァリーは、鼎の軍事顧問である
ル・フェイ曰く、「決戦仕様のアーマードスレイヴを開発している」とのことだし(どこからそのような情報を仕入れたかは謎だが)、ルミナス王朝の現国王
バルタザール・ルミナスとは、
棹銅(さおどう)の街の一件で、ルミナス王朝に協力してもらう代わりに遺跡の調査権を渡す必要がある。
現盟主アリスも現国王バルタザールも、ガドラスティア攻略を視野にスパートを駆けているようにも見える。
(うかうかするつもりはございませんが、“勝って兜の緒を締めよ”の言葉通り、気を引き締めねばなりませんわね)
――パシンッ!!
「ひゃっ!? 鼎様!?」
鼎は両頬を両手で力強く張った。その音に整備中の結咲もびっくりするほどである。
「気合を入れたまでですわ。今回もよろしくお願いしますわ、大鐵神・毘沙門」
頬に綺麗な紅葉を残しながら、愛機を見上げる鼎。
火が入っていないにもかかわらず、大鐵神・毘沙門の瞳が光った気がした。
■目次■
プロローグ・目次
【1】北西の孤島を調査する(皇国)
・孤島近海にて1
・孤島近海にて2
・上陸せよ1
・上陸せよ2
・反攻する特異者たち
【2】港町イースト・タルクィニウスを制圧する(王朝)
・クロウ&リュミエール
・ロッソジェルベーラ独立連隊&無所属1
・ロッソジェルベーラ独立連隊&無所属2
・無所属&カーバンクル&リュミエール
【3】港町ウエスト・タルクィニウスを制圧する(連盟)
【ウエスト・タルクィニウス制圧戦1】
【ウエスト・タルクィニウス制圧戦2】
【ウエスト・タルクィニウス制圧戦3】
【ウエスト・タルクィニウス制圧戦4】
【4】イスカリオの街へ潜入する(皇国・王朝)
【スニーキングミッション・爆破1】
【スニーキングミッション・爆破2】
【スニーキングミッション・奪取】
【5】北東部の水中を調査する(連盟)
【水中調査】
エピローグ