■プロローグ
――種もみの塔、58階。
「なあ、あんたはギフトなのか?」
ラーメンをすすっている
王大鋸(厳密には彼に憑りついた何者か)に、
ネフェルティティがそう尋ねた。
王大鋸は光り輝くチェーンソーのモヒカンからテレパシーを発して『違う』と答えた。
(ギフトそのものではない。しいて言うなら、ギフトを贈るもの…
まあ、お歳暮みたいなものだと思うがいい)
それを聞いていた
リフルは、
「なるほど、チェーンソーのギフトを贈る人……チェーンソーの人。
つまりチェンソ……」
ガチャーンッ!
と不良が突如カウンターに飛び込んできて
「大将! 味玉一つ!」と注文した。
リフルはそれに眉ひとつ動かさず、黙って味玉を不良の口に放り込んだ。