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≪セレクター編≫ブラフマンの断片

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≪セレクター編≫ブラフマンの断片
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渋谷駅までへの道のり2


 特異者たちの手立てで、なんとか黒江と亜蓮から距離を取ることができた有栖と全能神は、一分一秒でも早く渋谷駅へ向かう。
 それを支援するのは渋谷パーティーピーポーの面々だ。

「あさりっち、ありがと~~!」
「友達のピンチに駆け付けるのが友人ってもんよ。
 ほんと、良い友人をもって感謝しなさいよくっきー!」

 今井 亜莉沙がばしんと有栖の背を叩く。有栖は泣き真似しながらも今井との再開を喜んだ。おおよそ命を狙われているというひっ迫した状況に似つかわしくないが、有栖はようやくほっと安堵感を得られたようだった。

「ハーヴェストの皆をガードとして守ってくれた今井さん。
 その今井さんが助けたい友達がいるなら、今度は私が手助けする番だわ」

 ミシェル・キサラギも有栖や全能神に協力を申し出る中、リズ・ロビィは高層ビルをきょろきょろと見回す。
 
「おお……ここがSHIBUYA……ジャパンの流行の発信地!
 地球に居た頃は動画とかで見たことあるさ!」

 次々にビルを指さすリズだが、一転、有栖と全能神に向き直ると「観光したいけど、それはまたの機会さー」と一行の先頭に出て切り替える。黒江と鬼もどきに警戒すべく拡識を展開すると、今井とミシェルに護衛を頼んだ。
 今井もエスケープセンスで周りを警戒する。同時に暗渠の上の道を優先するよう一行を誘導した。元々川だった部分を道にした暗渠は、その特質上枝道や商店が少ない。つまり敵襲の方向が絞られやすいのだ。

「――! 居る……右、いや上さー!」

 集合住宅とテナントビルに挟まれた遊歩道を進んでいた時、リズが敵意のある存在を察知した。リズの言葉に全員が空を仰ぐ。テナントビルの屋上から、鬼もどきが飛び降りてきた。
 正面に立ちはだかった鬼もどきはそのまま一心不乱に突撃してくる。一本道が故に、回避や退避は難しい。
 今井は突進する鬼もどきの前にファストウォールを作る。問答無用に突っ込む鬼もどきに壁はあっさり破壊されるが、次はミシェルがクローンズマギナを放つ。鬼もどきは正面から空砲を受けるが、さしたるダメージではないようだ。
 しかし空砲によるダメージがメインではない。ミシェルはその反動を利用して横に飛び、壁を蹴って鬼もどきの後ろに回り込む。再びクローンズマギナを放って空砲を浴びせた。
 やはり空砲自体はほぼダメージはない。しかしクローンズマギナに組み込まれたスロウの影響で、鬼もどきの動きが若干鈍る。加えて今井がオプティカルフェイクでさらに感覚を狂わせると、闘争本能しかない鬼もどきは軽いパニックになった。その隙に今井がŠahrzād‎を突き出し、怯ませたところで槍を回転させて反対側の刃で斬りつけた。
 その間にリズとミシェルが有栖と全能神を引っ張り、鬼もどきを突破する。ミシェルが走りざまにクローンズマギナを撃ち、さらに動きを鈍らせて今井も鬼もどきを突破。手榴弾を投げつけ、遊歩道を走っていく。
 
「まだ追ってくるの? しつこいわね!」

 手榴弾の爆発音に今井が振り返ると、爆煙を振り切って鬼もどきが追ってきていた。追いつかれる速度ではないが、もう一体現れれば危機的な状況になってしまう。できれば倒してしまいたいが、護衛が第一目的であるリズたちはやや火力が足りない。
 
 リズたちが後方を気にしながらも遊歩道を走っていると、前から戒・クレイルがこちらに向かってきた。

「待って待って! 後ろに鬼もどきが居んの! こっち来ないで!」
「それは僕が対処しますので、先を急いでください。
 この先の鬼もどきは先に撃破してあります。次の角を左へ!」

 有栖の言葉に戒が返す。リズたちはは頷くと、その場を任せ戒の横を駆け抜け先を急いだ。
 
「二人が先へ進めるように道は切り拓きます!」

 知性のない鬼もどきは、ただ目の前の敵に進んでいくだけだ。目標を戒に切り替えた鬼もどきは手にしたこん棒を振り上げる。戒は蒼雷疾風剣とジョワユーズを構えると、巧みな剣技で雷撃を飛ばして鬼もどきを牽制した。
 鬼もどきはそれを回避しようと横へ飛ぶが、蓄積したスロウの影響でタイミングがずれる。片足に雷が当たり、麻痺したことでつんのめって転がった。そこからはもう成す術もなく、ジョワユーズの刃に両断されて絶命する。
 
「もどきとはいえ鬼がベース。やはり光属性は効果的でしたね」

 ほのかに光る剣身を払い、戒は「さて」と振り返った。ガーナーピアスによって察知した魔力の流れが、鬼もどきたちの位置を知らせる。
 
「前方の鬼もどきは対処しましたが、後ろから迫ってくるものもいますからね。一気に片付けましょう」

 有栖たちはそろそろ遊歩道を抜けるところだろうか。大通りに出れば、その分鬼もどきとの遭遇率も上がる。後ろから挟撃されることは避けたい。
 戒は位置把握で自身の位置を見失わないようにしながら、感知した敵の方面に向かっていった。


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