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≪セレクター編≫ブラフマンの断片

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≪セレクター編≫ブラフマンの断片
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渋谷駅までへの道のり5


 一方対亜蓮では、三好のコンダクトマークに乗じて朝霧 垂が接近戦を仕掛けた。
 力を開放した神代すら倒す事の出来ない程の実力者だ。最初から全力で挑むつもりだが、それでも相手になるかは分からない。けれど、全能神たちを逃がすためには、亜蓮の足止めは必須。彼に対応する人が多いに越したことはない。朝霧はアシストユニット3.0で基礎能力を効率化した体に、ザンザスを融合させると、その機動力で一気に亜蓮に接近しジ・ゼクシードで殴りつけた。
 しかし亜蓮はそれを受け止めると、そのまま朝霧の拳を掴んでぶん投げる。ザンザスの風はかき消され、朝霧は建物に打ち付けられた。
 
 瓦礫に埋もれた朝霧に人見 三美が駆け寄る。戦闘の流れ弾を受けないよう、石凝鏡による霊力障壁で身を守りながらアバターズリヴァイヴを朝霧に施した。アバター自体のダメージを癒すため精神や魔力の消費が大きいが、ヒールアシストユニットによって自身の消耗も抑えられている。
 
 朝霧を投げ飛ばした直後、亜蓮にコル・スコルピイの砲撃が襲った。ローレンティア・ベルジュとディープユニゾンした焔生 セナリアが、神殺の釣針によって砲台と視界を共有し遠隔操作をすることで間髪入れずに亜蓮を攻めていく。
 亜蓮はオーラを操作することで砲撃の軌道を逸らし、大きく跳躍。焔生は瞬時に砲台の照準を合わせて亜蓮を狙うが、亜蓮は空を駆けるように回避して焔生に接近した。
 焔生はローレンティアとグロウスイッチし、今度はローレンティアが身体の主導権を握る。湖の騎士の剣で応戦するが、亜蓮からの一撃一撃は重く受け止めるだけで精いっぱいだった。
 加えて、亜蓮の後ろから鬼もどきが接近してくるのも見えた。しかし、少しでも鬼もどきに注意を向ければ、亜蓮を押さえることはできない。ローレンティアに鬼もどきをどうにかする選択肢はなかった。
 
「俺が行く」

 焔生たちの支援に立ち回っていた島田中 圭二が察し、一旦空間跳躍で戦線を離脱。鬼もどきの対処に向かった。
 マークスマンズドクトリンの標的を亜蓮から変更して牽制し、テンクタルアタッチメントの光で鬼もどきを貫いた。一撃で倒す事はできなかったが、光属性の攻撃は効果的なのだろう、鬼もどきの動きが鈍る。島田中は素早くアタッチメントを解除すると、フォトンカタストロフで反撃どころか接近の暇さえ与えず、鬼もどきを蜂の巣にした。加えて、レイズフォトンガンの複数弾によって、その次に迫っていた鬼もどきも巻き添えにすることができた。
 
 タケミカヅチでも時間稼ぎが精一杯の相手だ。目の当たりにした亜蓮の力は相当なものだった。
 だが、全能神が神域に向かうと言うのなら、何かやるべきことがあるのだろう。ああ見えて全能神は、ここぞという時はキメる男だと島田中は思っている。
 であれば、自分たちは有栖や全能神を駅に送り届けること。そのために彼らを亜蓮に追わせない事に集中すれば、やれることはあるはずだ。
 島田中はそのまま次の標的にフォトンガンを構え、仲間たちが亜蓮に集中できるよう戦場を立ち回る。

◇ ◇ ◇

 島田中が鬼もどきの対処に向かったことで、ローレンティアらは亜蓮に集中することができた。が、防戦であることは変わりない。
 適宜焔生とローレンティアで主導権をスイッチしながら攻めに転じる機会を窺うが、亜蓮には寸分の隙もなかった。持久戦となれば勝機はない。その間に駅にたどり着いてくれれば良いが、そうならなければ――嫌な予感が過った時、後方から人見の支援を受けて前線復帰した朝霧が亜蓮に迫った。

 放ったのはテラス・グラヴィタス。アバタージュアンリーシュで攻撃力を上げた渾身の一撃だ。
 勿論、これでどうにかなるとは思っていないが、僅かでもその場に亜蓮が固定できれば。その隙を仲間たちが攻めてくれるだろう、と朝霧は己の魔力を重力圧縮に注ぎ込む。
 これは亜蓮も、片手間で防ぎきれるものではなかった。圧縮を跳ね返して相殺することに集中しなければならず、圧縮と拡散の反発する膨大な力に、アスファルトがひび割れ、建造物が引き込まれて崩壊する。周囲の特異者たちは巻き込まれないよう距離を取って耐えるしかない。
 
 結果、二人の力比べは亜蓮の勝利だった。己にかかる重力を引き込まれた瓦礫ともども跳ね飛ばす。朝霧は力尽き、瓦礫と一緒に吹き飛ばされた。

 朝霧は離脱となったが、この機会を無駄にはしないとローレンティアが湖の騎士の剣を原典回帰する。圧縮ではなく浮かせるような真反対のに重力干渉を受けた亜蓮は、僅かながらバランスを崩し後方へ踏みとどまる。ほんの一瞬だが、確実にできた攻め時に、ローレンティアは不可視となった騎士の剣をノーボーダーで叩き込んだ。刃は確実に亜蓮を斬り付け、爆発する。しかしこの技は使用者本人も爆発を受けてしまう。至近距離で起こった二つの爆発に、ローレンティアは吹き飛ばされ、同調している焔生もダメージを受けてディープユニゾンが解除された。


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