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渡河作戦&共同戦線を阻止せよ!

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渡河作戦&共同戦線を阻止せよ!
【!】このシナリオは同世界以外の装備が制限されたシナリオです。
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2.揺るぎなき王たる資質

 【リンクス連隊連隊長】焔生 たまは自由都市連盟側として渡河作戦に参陣し、デキムスの護衛機の部隊の一つとしてルミナス王朝側河岸を目指していた。
「恐らく負け戦と分かっていても仕事であれば引き受けるのが傭兵ってものです。
 それに、何も得られないというわけではありません」
 たまの今回の渡河作戦での狙いの一つに相手国の指導者であるバルタザールの力量を測る機会であるということがあった。
 ただ、作戦自体は無謀だと判断し、独立連隊として無茶な作戦は行わず状況を見ながら撤退指示を出すことにしていた。
「なるべく時間は稼ぎたいところですが、引き際はしっかりと見定めていきませんとね。
 ……それにアリスさんの仕事ばかり受けていたら稼ぎが苦しいですしねぇ。出稼ぎもしませんと力をつけられないってところです」
 別の狙いとしてはそれがあった。
「……全く、こんなところに橋なんてかけても維持するだけで莫大な費用がかかるでしょうに、デキムスは何を考えているのやらですが……」
「ユニウスの街はルミナス王朝へ食糧輸出を行っていると聞きます。橋を造ることでコストを抑えつつ、同じ金額で輸出すれば儲かるかもしれません。一応は自由都市連盟所属の市長からの正式な依頼です、この作戦が無事に成功出来るように全力を尽くさせて貰うとします」
 叉沙羅儀 ユウはそう割り切っているようだった。
 ユウはピンネース型飛空艦でたまが搭乗する水中型アーマードスレイヴを運んでいた。
「こういう依頼も受けなければ、アリスはともかく、自由都市連盟の他の街の市長から特異者不要の風潮も出かねない。
 依頼は依頼、受けたからには仕事は完遂しなければ」
「ルミナス王朝の国主バルタザール、名実共にかの国最強の実力者と戦う事になるなんてねぇ。
 きな臭いとはいえ依頼を受けたからにはやりきるつもりだけれど、これは大赤字待ったなしかしら?
 まぁ、そこは仕方がないと割り切って、かの人の実力を肌で感じさせてもらいましょうか!」
 サキス・クレアシオン焔生 セナリアもそれぞれ今回の依頼に気持ちの折り合いをつけて参加していた。
 河岸付近ではすでに各地で戦闘が始まっている。
「たまさん、サキスさん、セナリアさん、シスカさん、行きますよ」
 ユウが言葉をかけてピンネース型飛空艦で水中を進んでいく。スチールライナーのユウは水中の敵の位置を探り仲間のサポートを行う。
「ラーナも準備はいい?」
「オッケーだよ、ユウ」
 ガジェットドクターのラーナ・クロニクルはユウの飛空艦に搭乗し多少の攻撃では堕とされないようシールドエンチャントをユウの飛空艦に施す。
「アリスお姉ちゃんも大変そうだね……でもお仕事が来てるんだからやるからには全力で答えないとだね……!
 よーし皆で無事に帰れるよう頑張るぞ……!」
 スチールライナーのシスカ・ティルヘイムはガレアス型飛空艦で出撃する。
「搭載数の多いガレアス型ならば余計に注意を引けるかもしれません」
 前線の支援に徹し、狙われるようであればマジックウォールやデネボラドリフトで防御や回避を行う。
「王朝との戦いも二度目。
 しかし、二度目の敗戦ともなるとリンクス連隊の評価的にいただけません。
 ある程度の戦果は挙げなければ」
 カバリング・ファイアーで砲撃、味方をマジックウォールで援護する。
 特に砲撃は対岸を射程内に捉えたら積極的に行う。
 元々直撃が難しいことと、ファイアーカノンの火炎弾による炎上効果は水上の敵相手では見込めない。
「対岸を火の海にすればあちらも迎撃する立地が減り、回避先の選択肢も減るでしょう」

 ソルジャーのたまはアーマードスレイヴで出撃すると戦場の隠密行動で静かに移動し、対岸のシュヴァリエ・ナイトを射程に捕え次第攻撃する。
「本番はここからです」
 岸壁に近づくまでは仲間の船を守るために水中用ミサイルランチャーの魚雷によるピンホールショットで迎撃する。
 水中での迎撃行動はラーナと仲間に任せてユウは操艦に集中しラーナの攻撃後位置を変えて場所が完全に特定されないように注意しながら行動する。
 敵の反撃が増え、水面に浮上してマーメイドに投擲型デプス・チャージを放つ。続けて爆雷と魚雷で対応する。
 銛による攻撃に警戒し直線的な移動を避け、空中のセナリアと水上でサキスとで射線を交差させ、立体的な攻撃を行うことで有効打を取ることを目指す。
 時折浮上し、水上にいるサキスのサポートにグレネード・ランチャーを岸へと撃ちこむなどして攻撃に変化をつける。

 水上を担当するソルジャーのサキスはフローユニットを装着したアーマードスレイヴに搭乗して出撃する。
 サキスはまずは対岸への進路を塞ぐ敵機の掃討に専念、フローユニットの推進力で動き回りレーザーエッジアサルトガンによる射撃を行う。
 射線を逃れて水中に潜る敵には投擲型デプス・チャージを投げて対処する。

 同じくソルジャーのセナリアの戦闘機形態の雲雀(先行量産型)(連盟)は空中を担当し河岸上空を飛び回る。
 対岸上に展開しているメイジ及びアーチャーに向けてヘビーマシンガンによる弾幕を放って牽制する。
 反動の関係で連射時の精度は極端に落ちるが敵機の気を引きつけることで水上・水中を進行中の仲間達の援護を行う。
 少しでも狙える隙があればダブルバーストで損傷を与えていく。
 パッシブソナーを放ち水中の敵の位置を味方に伝え迎撃の支援をする。
「ラーナ、こちらの脅威になる敵の迎撃を優先するように」
「その脅威……来ます!」
 リンクス連隊全員が同時に強い魔力による威圧感を感じた。

「デキムスの居場所がわかったか!」
 ソラン・ラッグスがデキムス側の部隊の動きと戦闘中の通信を傍受して分析し、デキムスのピンネース型飛空艦の位置を特定してバルタザールに報告した。
「ルミナス王朝の領土には土足で踏み入れさせねぇぜ!」
 バルタザールのユリアーヌスからの激しい剣風の一撃が放たれる。
 対抗するように複数方向からの迎撃が行われてユリアーヌスの攻撃が防がれる。
 デキムスのピンネース型飛空艦に向かおうとするバルタザールの前に【リンクス連隊】が立ちはだかった。
 【リンクス連隊】は王朝の最大戦力であるバルタザール王の注意を引きつける必要があった。
「市長には触れさせません」
 同時に激しい反撃も始まる。
「みんな、気をつけて」
 ユウは急浮上を行いシュヴァリエ・ナイトと味方の間にソイルウォールを張り地龍神筒の砲撃を行う。
 ファイアーカノンの炎で敵機の進行方向を遮るようにカバリング・ファイアーで援護射撃を行い、味方が陣形を立て直す時間を作る。
 ラーナはジャミングウェーブで姿を隠して行動することで相手にプレッシャーを与えて相手の取れる手を少しでも絞れるようにする。
 被弾が増えたところでスピードリペアで動力系の修理を優先して不具合が起きないように修理する。

 ユリアーヌスを眼前にしてサキスは不敵に笑んでいた。
「ユリアーヌスは嫌いじゃない。けど、こちらにも簡単に退けない理由も意地もある。
 勝ちは遠くても負けるつもりは、無い」
『アリガトウ。ソノ言葉ハ嬉シイ。シカシ、私モバルタザール同様負ケル気ハナイ』
 サキスの言葉に返答するユリアーヌスの“自我”。
 これから戦う相手というのに、サキスは不意にユリアーヌスが可愛く見えてしまった。返答に人間の様に返答をしてくるからだ。
 基本的には回避を優先しクイックドローで素早く行い隙を極力減らすようにして攻撃を行う。
「強者との戦いは望むところ。
 いつかの戦場では戦うことなく退いたが、今回は矛を交えさせてもらう。
 少しでも長くね」
 シュヴァリエ・ナイトと相対しても基本は変わらない。
 オブザベイションでユリアーヌスの機体のエネルギーの流動や慣性などを見極めながら空中、水上、水中から射線を交差させて直撃を狙う。
 相手の攻撃のタイミングも見極め、大技が来るようであれば回避行動を取る。小回りが利かないので直撃を受けそうな際は遍現跳躍と体術とで強引に回避し態勢を立て直す。
 どうしても回避が厳しい状況ならレーザーエッジアサルトガンのレーザーエッジ部分で攻撃を弾く、反らすなどして直撃を防ぎ回避後にクイックドローで大技直後の隙を狙って反撃する。
 ユリアーヌスは冷静にシールドで防御する。
「ふん、面白い動きをする」
『アナタハオブザベイションヲ頼ッテイマスガ、アクマデ機動兵器ノエネルギーノ流動ヤ慣性ナドヲ分析スル技能デス。
 動キガ読メルワケデハナイ』

 ユリアーヌスはサキスにアドバイスが出来るくらいには余裕があるようだった。
「最後まで攻めっ気を見せないと戦略的に無視されかねない。
 あちらにも脅威だと思ってもらえる程度には戦う姿勢を貫くよ」
 最大戦力である国王を相手にサキスは少しでも時間を稼ぐ。それだけ他戦域の作戦成功率は下がらない。
 仲間の様子を確認する。
「たまちゃん、せなりん、状況は?」

 リンクス連隊とユリアーヌスの戦いの勢いは広範囲にその影響を与えていた。
 その流れ弾はデキムスとその周囲の護衛艦にも損傷を与えていくつかのピンネース型飛空艦が資材ごと沈められ、デキムスは護衛機から判断を迫られる。
 最終的に渡河間際まで辿り着く護衛機が足りなかった。
「已むを得ませんね、撤退です」
 こ離脱しようとするデキムスのピンネース型飛空艦の動きをソランは見逃さずバルタザールに伝える。
「バルタザールを抑える!」
 ユリアーヌスはデキムスを逃がさないように動くと踏み、セナリアも向かう。
「航空戦力自体はほぼ居ないようだけれど、対空戦力は居るようだから油断せずに戦うわよ」
 旋回しつつナイトに向けて弾幕を展開して意識を此方へ向けさせる。
 深追いはせずに意識が此方へ向いた時点でバレルロールや急上昇を駆使して回避に専念し、仲間達の攻撃に繋げる。
 その後は、連隊員達と連携し水中・水上・上空の三方面からの波状及び同時攻撃でユリアーヌスを引っ掻き回す。
 セナリアはマシンガンによる弾幕のほかに、デプス・チャージによる急降下爆撃、三連グレネードによる高高度爆撃と、多彩に攻撃を加えていく。
「撃破は十中八九無理でも、その場に釘付けにする事なら不可能ではないわ」
 ユリアーヌスの動きを常に警戒する。出力や構え、察気などから大技の気配を察知したら仲間達に注意を飛ばす。
 ユリアーヌスはスイッチバックやスウェイなど、必要最小限の回避運動をしつつ、デキムスのピンネース型飛空艦へ向かってゆく。
「これならどう!」
 周囲からの対空砲火をものともしないユリアーヌスに、機体が安定する直線飛行を行い、ピンホールショットによる一発の弾丸を腕や武器に撃ち込む。
「良い腕だな。ルミナス王朝に来れば、いいベグライターになれるぜ」
 ピンホールショットによる一発をバルタザールはシールドで的確に防いでいる。
 ユリアーヌスの防御力と回避力に加え、バルタザールの状況判断能力によって、複数の機動兵器に包囲されてもその歩みを止めることはできない。
「大技を止める事は出来ずとも、力が乗りきっていない放出直前なら僅かに狙いを逸らす事は出来る筈だし、一矢報いるチャンスのはずよ!」
「でもおかしくないかな? バルタザール、一度も大技の攻撃をしてきてないよ」
「!?」
 ラーナは味方の部隊の修理要請に応じて修理し補給用カートリッジで補給も行っていた。
 ラーナの言葉にサキスは、ユリアーヌスが告げたことを思い出していた。
 オブザベイションで大技を警戒していたが、ユリアーヌスは大技を放たなくとも、通常の攻撃だけでサキスにダメージを与えられているのだ。
 そして限界が近づいてきることも。
「ユウ、もうもたないかも」
 レストアに切り替え修理が追い付かず戦闘に支障が出そうであることを伝えユウに離脱を促す。
 上陸をしようとする機体はなかった。デキムスのピンネース型飛空艦が離脱したのを確認したのだ。
 ユリアーヌスはデキムスのピンネース型飛空艦が離脱してゆくのを黙って見ていた。


「これだけの戦力で向かって足止めできないとは……」
 たまは改めて最強のベグライターであるバルタザールとユリアーヌスの実力を目の当たりにした。
 しかもバルタザールは大技は使っていない。
 それでもバルタザールの気を引くことでデキムスのピンネース型飛空艦を撃沈されるのを防いだ任は果たしたといえよう。
「リンクス連隊! 目標は達成と見做します、撤収!」

 河岸に多くの残骸を残してデキムスの部隊はルミナス王朝から引き返したのだった。
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