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≪ロボティクスウォー≫失地回復を阻む“夕闇団”を倒せ!【皇国】

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≪ロボティクスウォー≫失地回復を阻む“夕闇団”を倒せ!【皇国】
【!】このシナリオは同世界以外の装備が制限されたシナリオです。
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■2-1.風が吹くように

 別働隊が外縁部でアルゲスとの攻防を繰り広げている頃合い。棹銅の街の飛空艦停泊所周辺では4つの部隊が独自に人質救出作戦を展開していた。完全な平行、タイミングを合わせた突入で、五隻の艦それぞれに捕らわれた人質を一気に奪還しようという思惑。

 最西に位置するキャラック型飛空艦を狙って潜入していたのは晴山吹の面々だった。

「罪無き人々をーいじめるならずものの方々にーいざお仕置きつかまつりますーのですよー♪」

 祝詞にも似た戦勝祈願を捧げながら踊るのは“かぶとぎうす号”を操るスチールライナー、取間 小鈴。彼女は周辺戦力の注意が逸れた間に目立たない位置へと停泊。地上部隊となる乗員二人を送り出していた。

「今は人見さんたちのー作戦成就を信じて待つのみーなのですー」

「三美さんたちが人質を救出したら、そのまま攻撃を開始してしまっていいのでしょうか」

 小鈴の横で火器管制系のチェックを行なっていたのは星宮 希凜。攻撃の開始タイミングというのは砲撃手である彼女にとっては重要な課題であった。

「はぁい。これは時間との勝負ですのでー」

 小鈴の言葉を聞いて、希凜は改めて急な撃ち合いに対応できるように調整を進めていくのであった。

 その一方。晴山吹の潜入班であるイオン・ノートは夕闇団の一人を刀によって突き倒していた。

「うむ、読み通りじゃな」

 戦闘用の飛空艦の通路というのはそれほど広いわけではない。刀を矢鱈に振り回すよりも、会敵した瞬間に一気呵成に突き込む方が合理的というもの。鐵皇国のモノノフとしても一種の定石と言える戦い方を実践していた。

「さあ撃ってこい! 自分の艦を壊す気ならばな!」

 声で相手に威圧をかけながら一気に飛び込んでいく。動揺しようがしまいが構わない。とにかく、勢いにまかせて飛び込むことが肝要であった。

「イオン様……恐らくそこを曲がった先に人質が閉じ込められているはずです」

「おう」

 人見 三美は自ら引いた図面を元に人質の場所を推測していた。彼女はイオンのバックアップとして、そして肝心要、

「よし! 三美、頼んだぞ!」

 イオンは見張りとなっていたソルジャーを打倒し、すぐさま部屋の扉へ三美が張り付く。

「少々お待ちを」

 ガジェットドクターである彼女はこうした飛空艦内の錠についても精通している。イオンが周囲を警戒する中で解錠を行なっていく。幸い複雑なものではなく他の飛空艦で使われている形式と同じもの、然程時間はかからなかった。

「一人をまず解放します。解放された方は他の方の拘束を解いてあげてください!」

 人質たちが自らの拘束を解いている間に、三美はイオンの治療を行なっていた。近接戦闘はともかく、射撃戦は矢避けのお守りに祈りながら鎧で受けていくしかない。どうしても傷は多くなるというものだ。

「ふう、生き返る心地じゃな」

「とはいえここからが本番。私もこの大鎚で援護させていただきます」

「頼んだぞ。流石に背後から攻められたらたまらんからの」

 人質の数は10人に足りないほど。それほど多くはないものの、それら全てを一人で護り切るのは不可能だ。これを前後で挟み込むことでカバーできるように対処していた。


「さ、ここは任せて先へどうぞ!」

 いくらガジェットドクターとはいえど彼女もまた熟練の特異者。軽々と大鎚を担ぎながらそう告げ人質たちを送り出す姿には相応の貫禄があった。

 背後からの追撃、それを捌いていく内に徐々に三美はイオンらから離れていってしまうが、

「無事、皆様脱出できた頃合いですね。それではごきげんよう」

 こじ開けた窓から遍現跳躍によって飛び降りた段階で、三美の脱出は成功するのであった。

 そうして民間人が全て救出されたことを確認してしまえば、あとは小鈴たち飛空艦の出番である。乾いた唇をぺろりと舐めて操舵のためのハンドルを握りしめた小鈴は、一気に飛空艦“かぶとぎうす号”を発艦させる。

「ならずものさん相手にー手加減は無用ーなのですねー」

 砲撃は全て希凜に任せ、小鈴は一気に艦体を加速させていく。かぶとぎうす号はキャラック型の改装艦、夕闇団のそれがどの程度のカスタムがなされているかは分からないが、

「ふふふ……どなたであってもーわたしの前はー飛翔(はし)らせねーのですよー!」

 小鈴の咆哮と共に、まるで相手にぶつけにいくかのような速度でかぶとぎうす号は飛翔する。

「私も、できることをしませんとね」

 希凜の持つ烈風符はかぶとぎうす号の機動力に貢献している。だが今回の役目はあくまで砲撃手、三美たちが無事に逃げ切るまでの牽制に徹しようとは考えていたのだが、

「! 相手の反応が早い……!」

 夕闇団は人質が脱出した段階でこちらに対する応戦を選択。艦隊戦の構えを見せていた。

「カバーリングは必要ありませんか。フレイムブリッツ斉射開始!」

 それでも先手を取ったのはかぶとぎうす号。相手の頭を押さえるようにしながら旋回し立て続けに砲撃を浴びせかけていく。防御はマジックウォールに任せ、

「はーい。ちょっぴり揺れますのでー皆様ご注意くださいませーなのですよーっとー!」

「わ、わわっ!?」

 キャラック型の舳先をまるでこするかのように、小鈴のデネボラドリフトが決まった。同時、まさに目の前に撒かれたエレクトロマインは次々とキャラック型飛空艦に炸裂し、夕闇団の面々は文字通りに面食らうのだった。

 人質の回収が出来なかったことは不安要素であるものの、しかし、彼女たちが撃沈されない限りキャラック型も三美たちを追いかけることはできない。ここが正念場であるとして、希凜も艦に振り回されながらも固く決意を固めるのであった。

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