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観測者の葛藤

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観測者の葛藤
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インテグレーター残党の拠点を特定する 2


 青井 竜一も雲雀(ホライゾン先行量産型)【雲雀(先行量産型)】に搭乗してカイのインテグレーター残党の拠点の特定に協力していた。
 PMCからも拠点のありそうな場所は複数の候補が出ると思うが、絞り込んで特定のためにも羅那魅 静姫と共に偵察を続けている。
 静姫もジェットウィングの機動力で、竜一の機体に追随していく。

『敵襲! 敵は一ヵ所から出撃されている以外に現段階では見受けられません!』

 衛司の報告が無線で味方全体にその情報を共有して警戒を呼び掛けた。

「行くぞ、静!」
「もちろんですわ!」

 静姫は量産型クアンタロス目がけてトリニティブーストで戦闘力を向上させ、DD:オメガブラスターをアクティベート。
 目に入った瞬間に荷電粒子砲を発射。
 目的は相手の隊列を乱すこと。
 再充填が完了するまでディメンションブレイクの範囲攻撃で応戦。
 竜一がカイと共に連携するように背中を預けて戦闘機形態からIF形態にした雲雀(ホライゾン先行量産型)で静姫の射撃で隊形や連携が乱れた所へ向かって、機体自体の機銃に装填された対IDD特化型AP弾の射撃で牽制する。
 その牽制の間にカイがブレードマスターで仕留め次々に瞬く間に量産型クアンタロスの数を減らしていく。
 それに遅れてはならないと竜一もギアシフトして速度を上げ接近すれば量産型クアンタロスがアクセルスラストで反撃を企てる。
 持ち前の高速機動とクオンタイズで回避し、クレアボヤンスの予測に基づいての量産型クアンタロスに再度接近。
 カバーするように静姫がエアロバティックユニットの防御力の上に、ブルー・スフィアを展開することで、量産型クアンタロスの攻撃を防御しながら、インターバルが過ぎたオメガブラスターを射出。

「助かった、静!」

 乱れた隊列目がけて竜一はプラズマブレードでのソードフリップで斬りつける。
 静姫がトリプルソーブレードによって襲われればエアロバティックユニットのスラスターで、空中でのアクロバティックな機動での回避するなか、針に糸を通すかのようにソードフリップで斬りつけた。
 カイの方はと言えばブレードマスターのみで戦っている。
 巧みにクオンタイズで受け流したかと思えばシャドウランナウェイで死角を突き、ブレードマスターでの受け流しも見事だが、クレアボヤンスでも使っているのかと言わせるような巧みな技術、まとめて数多くの敵を瞬く間に1つの武器のみで瞬殺するカイの蜉蝣。
 それに対しミサキは六九式装騎刀による近接戦メインで戦いつつ、遠くの敵にはアサルトライフルで対応しているのを見てもカイの実力は並外れたものであることが窺える。
 ミサキ自身も相当の実力者には変わりないのだがカイが規格外なのだ。

「敵がここに迎撃に来たということで、広い工場跡だと言っても敵拠点の位置は絞れてきたな。あそこから出てきたのが陽動でない限りは本命に違いないが……。静、そっちは何か問題はないか?」
「わたくしは大丈夫ですわ、お兄様。ここの足止めはわたくし達にかかっていますわね」
「みたいだな。もうひと頑張りしよう」

 気合を入れ直し、竜一はマリオネットを相手取る。
 そこへ一通の報告がカイの無線に飛び込んでくる。

『ウツロギ大佐、怪しげな拠点を発見しました。即座にウツミ大尉と共にこちらへの応援をお願いします』
『了解。……君ともう少し共に戦いたかったが、PMCから何かを発見した報告を受けてね……あのルートとは別の方角から向かうから、こちらの方は任せるよ。まだあそこから敵が出てくるとも限らないから用心してね。ミサキ大尉も連れてなんて怪しすぎるけど、それで相手の化けの皮が剥げればこっちのものさ』
「了解しました。ウツロギ大佐、ウツミ大尉もお気を付けて」
『ありがとう。じゃあ、行ってくるよ』

 カイとミサキはPMCが求める場所に向かって動き出す。
 それが嘘でもカイはそれを真っ向から叩き潰すだけだったからだ。
 竜一もこれは何かありそうだと思うが、この場にはマリオネットも量産型クアンタロスも湧き出るように後から後から出てくるためにカイが向かうあの地点に応援にも向かえない。
 歯がゆくも竜一と静姫は足止めに尽力した。



◇          ◇          ◇




「遅れてすまない。随分離れた場所で交戦をしていたからね。途中でヨハンソン部隊とも合流してから来たからということもあるけど、そこは大目に見てくれると助かるな」
『いえ。それには及びませんよ』

 そしてPMCが反撃の牙を向いた。

『カイ・ウツロギ。そしてミサキ・ウツミ。お前達はこれ以上知らなくていいのですから』
『我々としてもご退場を願いたい』
「へー。自由に調べていいとCEOからは許可は貰ってるんだけど、君達にそんな権限を与えていたなんてね」
「俄然、あの拠点に何かあると言っているようなものだね。大佐、蹴散らして隅々まで調べましょう」
「許される時間があったらね。今は目の前のことに集中だ」

 貸し出されたPMCがカイとミサキに照準を合わせ今にも撃ってかかりそうだ。
 数十発の銃弾が鳴り響く中、持ち前の経験とテクニックで避けていく二人。
 その後ろからはマリオネットが背中を狙っていた。

『ヨハンソン! マリオネットはこっちで受け持つ。だから分かっているね』
「! みんな、敵はPMCよ! 先に攻撃してきたのだからこちらが契約を断ち切った訳ではないんだけど……ここで殲滅するのが正解か、半壊に留めて後列の憂いを立つだけに止めるべきか……エージくん!」
『なにかあった』
「PMCが裏切ってウツロギ大佐達を狙いだしたよ。そのことを考えて警戒していたけど、本当に倒して大丈夫なの? SQ社になにか有利な手札を与えたりしない?」
『それでウツロギ大佐を失うことの方がこちらの不利につながると俺は思うよ。しっかり彼を護り抜くんだ。これを口実になにか仕掛けてくるのならその時、対応すればいい。いくつかのパターンが頭に浮かぶだろうけど、それはこの戦闘とは別と分けて考えた方が良い。ブリギットちゃんはPMCの殲滅を頼むよ』
「それがエージくんの考えなら……分かった。全力でPMCの機体を破壊するわ!」

 ブリギットはPMCの機体目がけてインファイトを仕掛ける。
 今まで以上に機動性に特化した雲雀の能力を生かして飛び回りつつ、PKG:ブレードマスターの刀を間合によって使い分けて攻撃。
 盾を持っていようが関係ない。
 リンクデバイサーやランチャーウィザード、ブーステッドの混成隊だって関係ない。
 固定武装の大型レーザーソードを使用したルーン斬りで叩き斬るまで。
 PMCのランチャーウィザードは急接近してきたブリギットを押さえ込むために弾幕を張るがそんな弾幕の速度なんてインファイトで潜り込んでしまえば問題ない。
 ルーン斬りで一体一体着実に仕留めていく。
 そうしなければカイを守ることはできないから。
 彼自身も相当の実力者だが、彼を狙う敵の数を減らす分は多いに越したことはないだろう。

「やっぱり変だと思ってたんスよ! このタイミングでこっちへ誘導して来るなんて!」
『護衛対象はカイ・ウツロギ大佐であることには変わりない。カイ・ウツロギ大佐を最優先で守ればいい。口を動かすよりも早く自分の機体を動かしたらどうだ、守山 夢』
「ミスティさんは冷静すぎッス! どうして私の動揺を受け止めてくれないんッスか!?」
『受け止める必要が無いからな』
『んーこういうのはアーモリーではあまりない状況だったから新鮮だね。けど、どんな状況になっても戦えるのが一人前の武姫! そうあるべき、しっかりと自分の役目を果たすよ』

 シュンはマイペースに夢とミスティの口論に巻き込まれないようにそっと空間知覚でまず、味方から敵への射線をよく把握し、その上で味方の動きをしっかりと見て攻撃の邪魔にならないよう動きだす。
 そして時としては敵から味方への射線が通らないよう大盾型のエネルギーシールドきっちりと塞ぐ。
 相手のレーザーやビームもこのエネルギーシールドは吸収する特性を持っており、吸収したエネルギーをレーザーショットガンで撃ち出す事が可能である。

「お返しするよ!」

 レーザーの出力を増幅させ、レーザーショットガンの威力を上げPMCの機体に損壊を与えていく。
 BMバリアで身を守り、追加装甲がメーヴェASP自体の護りを強くする。
 サイソク・ステッカー素早くディフェンダーとして、そして夢とミスティの連携を邪魔しないように、リーダーであるブリギットと護衛対象のカイの機体を守る立ち回りをするためにコンポージャーで平常心を保ち、冷静に打ち込む対象を瞬時に定め撃ち込む。
 ルクスブレイドが来ても冷静にベクタードスラストのコントロールで急激な減速や方向転換を行うことで光速とすら言われる剣戟を回避。
 カイの機体の無事を確認し、再び大盾型のエネルギーシールドを構える。
 彼の機体を最優先で守る動きをするために。

 シュンと同様にコンポージャーで冷静にミスティは狙撃兵として、バスタースナイパーライフルによる高火力な狙撃で味方を支援する。
 アウトレンジなことを活かし外部FCSで精度を上げた狙撃をひたすらに続ける姿はまさに冷静沈黙な狙撃兵であった。
 そんな狙撃兵ミスティとリンクバングルで連携度を高めている夢がPKG:スカウターのスナイパーライフルに電磁パルス弾を装填して、敵のエース機目がけてトリガーを引く。
 アウトレンジからのミスティの狙撃を囮に夢が電磁パルス弾でアクティベータを一時的に機能不全に陥らせたところを、ミスティのスナイプで着実にコアを狙ってバスタースナイパーライフルを撃ち込む。
 ミスティのアウトレンジ攻撃と夢の電磁パルス弾でリンクデバイサーを乗せるバルドイーグル系列をベースにした民間仕様機を戦闘不能にしていくが、ブーステッドの一人が隙を突きエクスターミネーションでカイの機体に接近。

「これでお前の機体の終わりだな!」
「ウツロギ大佐!!」
『本当に終わりかな?』

 ブーステッドが何かの物体をカイの機体に貼り付け電気が走る。
 だが、それだけで何も起こらないままカイに反撃されPMCは全滅するのだった。
 恐ろしかったのは無人だと思っていたマリオネットに人が乗っていた機体も混在していたことだ。
 搭乗者はおそらく残党インテグレーターの中でも凄腕のパイロットだったのだろう。

「ふぅ……まさか本当にハッキング攻撃をしてくるなんてね。さすがここまで読んでいたとは幾嶋少佐には感謝しないと」
「幾嶋少佐、聴こえるかい。今、PMCが反旗を翻してこちらに攻撃してきたよ。君のお陰で僕の蜉蝣は守られた、感謝してもしきれないよ」
『そうでしたか。本当に良かった……』
「おそらく無理やり方法転換を図り、残党インテグレーターの拠点候補から距離を取らせたことから見ても青井大尉と共にいたあそこの周辺に拠点があるので間違いないと思う。今からそちらへ向かうよ。青井大尉と羅那魅君が心配だ」
『……お気を付けて。敵はPMCだけではないかもしれませんから』
「疑い深いね。だからこそ助かったのだけれども。分かった、十二分に気をつけて調査に当たるよ。こちらからは以上だ」

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