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観測者の葛藤

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観測者の葛藤
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■エピローグ■



 ――スタンダード・クオンタム本社。

「この反応は!! くくく……ついにF01の暴走がなくなった。
 いいぞ、これで四体全てが覚醒体となる資格を得た」

 ようやく最後のピースが揃った。
 “室長”はブルーガーデンのV03――個体名「三色 ナユタ」に命令を下した。

「“収穫”の時だ。全能力の使用、リミッターの解除を許可する。
 半覚醒状態の二体にも刺激を与えた上で確保。指定のポイントに向かえ」
『…………』
「おい、どうした?」
『はい。ただ、一つだけお聞きしたいことが。
 覚醒体となった者はよいとして、他の量子知性体はどうされるのですか?』

 SQ社の調査に来た特異者たちは、インテグレーター残党との繋がりの痕跡を手に入れ、ブルーガーデンの秘密を知った。
 デイヴィッドは既に自分を切り捨て、ブルーガーデンのデータを回収するための準備を進めているだろう。

(逆なんだよ。インテグレーターの残党にSQ社の技術が流れてたんじゃない。
 インテグレーターの残党に技術を提供していたやつが、SQ社に来て上まで上り詰めたんだ)

 室長はデイヴィッドの正体を掴んでいた。
 機械とシステムへのほとんど信仰に近い執着。
 卓越したハッキング技術と量子世界への理解。
 ――“システム”による完全支配を掲げて世界に宣戦布告し、ゼストの歴史から抹消された天才たち。

「……過去からこの時代に飛んできたってわけか。
 ブルーガーデンのデータくらい、くれてやるさ。
 だが……疑似神格――“偽神”アバターはてめぇにゃ渡さねぇよ」

 “室長”は身体ごとブルーガーデンにダイブし、覚醒体の回収ポイントを目指すことにした。

* * *


 ――四企業合同コンペティション会場。

「どうなってますの? 空が急に黒く……」
「あいつら、様子がおかしい」

 コンペティションが終わり、参加者たちが各々岐路につこうとしている時だった。
 夕焼けの空が突如星一つない黒に染まる。
 しかし周囲は闇に包まれず、はっきりと見えている。

『最終プログラムが承認されました。カウントダウン開始。
 強制フォーマット終了後、ブルーガーデンの全データは初期化されます』

 ナユタが大きく目を見開いた。

「リセットではなく、フォーマット? 私たち以外完全に消してしまうつもりですか」
『そうだ。本来ならお前たちのデータを回収したら一瞬で消せるようにしていたんだがな。
 知らないうちに色々といじられてたから、正規の手順を踏まなきゃならなくなった』

 “室長”の声はナユタ以外には聞こえていない。
 最終プログラム。
 これまではセツナが覚醒と同時に暴走していたために、ナユタが彼女を強制停止させた上で、データリセットが行われていた。
 今回は違う。覚醒体候補四人のデータが揃い、このブルーガーデンも、他の量子知性体も用済みとなったのだ。
 CEOが室長を切り捨てにかかった、ということもでもあるのだろう。
 ゆえに、最後の一押しをすることになった。

「……思い通りにはさせません」

 四人の少女に、表情を失った学生たちが集まってくる。
 ナユタは力を解放し、覚醒体としての真の姿へと変貌した。
 頭には光輪のようなものが浮かび、瞳は赤く染まっている。
 背中には光翼が展開され、その風貌は天使を彷彿とさせた。

「強制停止。アクティベーション解除。……眠りなさい!」

 襲い掛かってくる学生たちを停止させ、セツナの手を引っ張り、コウとアイに目配せした。

「ナユタ、その姿は……」
「コウ、あなたにも話します。私たちが何者で、ここがどういう場所なのかを。
 世界の真実を」

 決心はついた。
 室長との通信を遮断し、特異者たちも含め、場にいる者たちへ告げる。

『そして、この箱庭に囚われた者たちを開放します』
「よく言いました!」
「アマネちゃん、キョウさん!」

 ノエルが上空を見上げると、ブルー粒子で再現した飛姫の霊兵装纏ったアマネと、クアンタロス・ロベリアの姿となったキョウがいた。

「忘れたのかね? ここはデータの世界。
 少しばかり“適応する”のに手間取ったが、最適化さえ済んでしまえば慣れ親しんだ庭も同然だよ」
「黒幕の居場所は、ナユタさんが知っているはずです。みんなでぶっ飛ばしにいきましょう!」



【続く】

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担当マスターより

▼担当マスター:クリエイティブRPG運営チーム

マスターコメント

『クリエィテイブRPG』運営チームです。
「観測者の葛藤」のリアクションをお届けいたします。

パブリックシナリオは、アクションを投稿しているか、
アクションを投稿していなくても「・アクション投稿しなくても登場を希望」の項目にチェックを入れた場合、基本的にリアクションに登場しています。
基本的にPCは1シーンに登場していますが、シーン分割の関係で数ページに渡って名前がある場合もございますので、リアクションを読み進めてご確認頂ければと思います。


●「アバタービルド」途中経過
・能力への影響
引き続き近接・物理系の基礎能力に大きな影響を与えました。
加えて技巧系の能力の影響を受けており、DEXの初期値・能力値がSTRに次いで高くなる見込みです。


・アバターへの影響
上級アバターの影響は受けにくいものの、サクセサーの刺激は引き続き受けており、
機動兵器の操縦者としての適性はより高いものとなりました。
ただしこちらの対応ワールドはゼストのみとなる見込みです。

また「ヒロイックソングス!」のアバターの影響も前回より強く受けていますが、
こちらの実装が確定するかは次回の結果次第となります。


●「成長度・親密度」の変化
今回の結果、NPC四人は以下のように変化しました。

・成長度
セツナ:自分の夢と意思を強く持っていたこともあり、
   “覚醒”したものの暴走する事なく、力をある程度制御できている。
アイ:仲間と一緒に戦う事を知り、一人先を行くことだけが必ずしも重要でないと思うようになる。まだ覚醒には至らず。
ナユタ:他の三人の変化や特異者との関わりを経て、観測者であることをやめ黒幕と戦う事を決意。既に覚醒済み。
コウ:ナユタとの連携を重視するが、ただ彼女を守るだけではなく互いの強みをより活かすことを意識するように。
   ただ、以前よりも感情に少し振り回されがちにもなっている。未覚醒。

各々が自分の能力の本質に近づき、セツナとナユタは疑似神格として覚醒。
アイとコウはあと一歩という状態です。

・親密度
セツナ:特異者との交流を通し、より友好的に。
アイ:「面白い人たちですこと」と、少し変わった印象を持ちつつも悪い気はしない
ナユタ:「興味深いのでもう少し側で観察しましょう」と、ナユタの方からも距離を近づけようとする
コウ:ナユタ第一に変わりはなく他者への警戒心は強いままだが、特異者の実力は認めつつある。
   意外な一面を見せた相手もいる。

各々気になる、友好的な個人が数人程度いる状態となっています。


■ブルーガーデン四大企業からの特別支給品
※「アバタービルド」「成長度・親密度」等に強い影響を与えた方の他、
【1】で企業から評価された方も含まれます。
ETS、P学ではない残る二企業からのアイテムとなる場合もあります。
※配布は11月中旬までを目途に行います。



星川 潤也(SAM0000323)様
キョウ・イアハート(SAM0004239)様
草薙 コロナ(SAL0017556)様
乙町 空(SAM0027375)様
藤原 経衡(SAM0034796)様
松永 焔子(SAM0040459)様
スレイ・スプレイグ(SAM0065869)様
朝霧 垂(SAM0071218)様
渡会 千尋(SAM0073208)様

■国家連合軍からの支給品

ジェノ・サリス(SAM0009643)様
幾嶋 衛司(SAM0036471)様


次回は2022年11月下旬にシナリオガイドが公開予定です!
『Over the Singularity』は次で完結予定ですので、最後までぜひご参加下さい。


最後に今回のリアクションを執筆したマスターからのコメントをお送りします。


担当:冬神雪羅

この度は『観測者の葛藤』に参加下さりありがとうございます。
改めまして、各シーン全てを担当しました冬神雪羅です。
バトルロワイアルを書き上げるのは難しいですね!
回が上がるごとにどんどんハイライト化してしまい、自分の文筆の弱さに悔しさを覚えますがいい経験をさせて頂けたかと思うことにします。
それにしてもPLは知っている情報でもPCは知らない情報を落とし込む作業というのは難しいですね。
やってみて実感しました。
またの機会がありましたら、参加してくださると嬉しい限りです。
それでは失礼します。