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観測者の葛藤

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観測者の葛藤
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コンペティション ナユタ&コウの試練 3


 なにか裏がありそうなこの合同コンペティションにキョウ・イアハートは普段の学校生活みたく徹底して平凡面するわけにはいかなくなった。
 ハイエナ上等、使えるもんは徹底的に使って勝ってみせようと牙を磨く。
 その上で、ナユタ達にもご挨拶しとかないといけないだろう。

 あちこちで生き残りを賭けた勝負が繰り広げられているが、それを横目に、こちらは無用な戦闘はせずビルの高所に潜ませてもらう。
 そこでアンフィスバエナ【スピアレーザーガン】をアクティベーションⅡでレールガンに変換し、ディラックポインターをセット。
 狙うのはナユタ&コウではなく、彼女らを狙う者共。
 息を潜め、敵の移動方向、速度、態勢を捉え、エレクトロアクセルでもって電磁加速させたレーザーで狙い撃つ!
 だが、コウにこちらの位置が気付かれた気がしてならない。
 だが反撃の攻撃がこちらにやって来ないことを考えるにこちらの読みすら気づかれているかもしれない。
 と、思ったのも束の間。
 コウがこちらを狙わずとも別の参加者がキョウを狙って攻撃してくる。

「バカが。来ることは分かってんだよ」

 シュレディンガーケープを起動しているキョウはその攻撃を透過。
 攻撃を透かしインターバルの隙にシュレディンガーケープを解除しレールガンの電磁加速させたレーザーにアドインパクトを乗せて吹き飛ばす。
 衝撃でもって動きのリズムを崩された奴は、キョウ以外の者にとってもいい的だろう。
 ハイエナのように食らい尽くせばいい。
 弾道予測で他の銃口もようく見えてるから、次に狙う相手も分かってしまう。
 空を飛べる者が、ビルを上ってきた者が接近戦を仕掛けてくることも織り込み済みだ。
 レールガンにアクティベートしていたアンフィスバエナを今度はスピアに再アクティベート。
 エレクトロアクセルによる加速の突き出しとアドインパクトによる衝撃で敵と距離を作り、スピアからさらにレーザーを放ち仕留める。



◇          ◇          ◇




「お二人さん、遊ぼうぜ」

 そう声をかけたのは以前コウと勝負し引き分けに終わらせたあのライオネル・バンダービルトだ。
 少し離れた場所ではオールドキャプテンの学習のために参戦したクラウディア・エールリッヒがライドオンで七○式戦車を作り出し、ナユタ達を狙う参加者に共闘を持ち掛けそれを指揮しようとしていたが、なんの絡みもない者をいきなり集めて指揮を取ろうというのは無謀だった。
 クラウディアに賛同する者はほとんどいない。
 これでは考えていた集まった後のこと……状況分析と位置把握で情報を集めて陸戦術でしっかり適正見極めて部隊運用することなど出来る訳が無い。
 戦車に乗って火砲支援、大型がカチ込んでくるなら主砲で、人サイズなら機銃とグレネードで対応することまで念入りに考えていた戦術が無駄になってしまう。
 泡と消えたブルーガーデン住人を従わせた指揮ロール。
 なんと虚しいことか。

 場面はライオネルの方に戻そうか。
 ライオネルは以前と同じようにアクティベート:リボルバー【パルスレーザハンドガン】をアクティベーションⅡしディラックポインターと接続。
 コウを狙おうとするがそれはナユタが許さない。
 シールドを構え前に出る。
 ライオネルの戦闘方法は格闘と銃撃を織り交ぜた近接銃撃だが、今回はより接近戦のクロースコンバットによる至近距離での戦闘術で対応するつもりだ。
 スタイルで言えばガン・カタといったところか。
 そこら中に人がいて乱戦も乱戦ザ・バトルロイヤルって趣、乱戦の対応が遅れてギリギリ至近距離であってもクロースコンバットで凌いでカウンター狙えればカッコいいとも思っていた。
 同時に踏み込むナユタとライオネル。
 格闘、銃撃ともに使い、体勢を崩すためのアドインパクト。
 それを支えるのがエクスマキナの重力制御だ。
 体捌きで重要な踏み込みを増強することで機動力や瞬発力を強化。
 軽業師のように横やりを入れて来る参加者の剣の切っ先の上に着地したり跳躍力を強化したりと縦横無尽に跳ね回ってナユタを狙う。
 ナユタを崩さなければコウに攻撃は刺さらない。
 ナユタ自身が戦闘力を捨てていない可能性もライオネルには考えられた。
 なんせナユタと戦うのはこれが初めて。
 噂程度の高い防御能力と干渉能力を持ち、攻めるよりも守る事を主体とする情報以外に何が出来るかなんて全く知らない。
 それでもどうせなら格上とぶつかって腕試しに勤しみたかった。
 悪手と言われようがそこは譲れねない部分なのだ。
 重力制御でナユタの正面を避けようと牽制射撃で抑えながら、重力制御の機動力で撹乱を狙い、コウを狙う。
 ナユタの盾を通過してもコウは冷静に弾を避ける。
 盾に隠れた火砲相手に真正面からやるのはいけないのは分かりきっている。
 牽制射撃がシールドに当たるとその弾丸は反射しライオネルに向かって飛んできた。

「これが三色の攻撃手段ってか。なるほどな。ただの盾持ちってワケじゃねーとは思っていたがこりゃ面白くなってきた」
「ふふ。隠し玉というのはこうして使うのですよ。どうします? まだリボルバーを撃ち込みますか?」

 ナユタの顔は余裕そのものだ。
 コウからの攻撃が無いのも恐ろしい。
 コウの視線の先はナユタの機械鳥がいるがそれが何の意味を持つというのか。
 グッとスピードを上げナユタを追いあげれば思わぬ角度からコウの狙撃が飛んでくる。
 その角度からでは狙い難い、狙えない場所からでもコウは狙撃を行える。
 どうなっていると言うのだ……その答えが分かった時ライオネルは予想だにしていない角度から狙撃を受けた。

「ありえない……」

 ナユタの機械鳥がスポッターとなり、コウの砲撃を支援していることを暴いたからこそ零れ落ちた言葉。
 飛んできた方へ顔を向ければこちらを狙うキョウの姿があった。
 キョウにしてみればライオネルもナユタとコウの周辺にいる標的の一人でしかなかったからだ。
 ナユタとコウに集中しすぎてコウ以外の狙撃者が要ることが頭から抜けていた。
 勝ち負けじゃなくて自分の戦いを見せる為のものだもの、お互いに邪魔になると言って離れていったクラウディアもキョウの狙撃にやられたのか地面に倒れていた。

「ちょっと水を差された感じがしますが、負けは負けです。ここはバトルロイヤルですしね」
「お前の不運を呪うんだな」

 二人はそう言うとこの場から去っていった。

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