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真の楽園への重要な一歩

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真の楽園への重要な一歩
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・鶏肉騎士団

 【使徒AI】鬼姫(通常コピー)を搭載したデュパンダルカスタムの中で、朝霧 垂は甲虫型バルバロイと人型バルバロイについて、レクチャーを受けた。

『コマンダークラスの化け物はいないみたいだな。それだけでも幸いだぜ』

 駐屯地を襲われる状況こそ問題ではあるが、明確にボスクラスな強大な敵がいるというわけでもなさそうなので、そこは一安心である。
 スレイ・スプレイグは、ガンデッサに搭載されている【使徒AI】鬼姫(通常コピー)から昆虫型バルバロイと人型バルバロイについて教授された。

『……なるほど。よく分かりました。バルバロイ・サーペント以外は、この知識が使えそうですね』

 【使徒AI】鬼姫(通常コピー)を搭載したデュランダルⅢを駆り、白森 涼姫はバルバロイの群れと相対した。
 雨空刀・青と雨空刀・白の二刀を携え、常に戦況の流れを敏感に意識しながら、戦闘に突入する。

『敵は甲虫型と人型、後は竜型もいるのね……。とはいえ、大部分が甲虫型と人型。なら……』

 涼姫は鬼姫(通常コピー)に助言を求める。
 甲虫型と人型バルバロイに関する知識に基き、その身体の構造や、戦闘における効率のよいダメージの与え方などを、鬼姫(通常コピー)が教えてくれた。
 グロスメッサーを身に纏い、涼姫のデュランダルⅢを援護するティムキン・サリバンは、二本の孫の手<D>に掲げられたヒーターシールドで防御を固める。

『僕が守りを受け持つよ』

 ヒーターシールドを持つ孫の手<D>二本をコントロールするのが、【使徒AI】おどおどサキュバスの役割だ。
 支援用軽機関銃を手に、グロスメッサーは進む。


* * *



 エイヴォンMVを操縦するライゼ エンブは、そのステージにミラ・ヴァンスエリオン・ネレイスを乗せて飛行する。

『前に出過ぎないように、注意しないと……』

 ミラージュ・コーティング<G>の光学迷彩効果を起動し、周囲の風景に溶け込んだ。
 とはいえ、甲虫型バルバロイであるバルバロイ・キリギリス、バルバロイ・ヘッジホッグ、バルバロイ・ポジトロンらを始めとするバルバロイたちは熱源探知を行えるため、エイヴォンMVの存在を探知した。
 バルバロイ・キリギリスはともかく、バルバロイ・ヘッジホッグとバルバロイ・ポジトロンは充分に攻撃範囲にエイヴォンMVを捉えていた。
 大量の生体ミサイルがばら撒かれ、弧を描いてライゼのエイヴォンMVを巻き込む形で降ってくる。
 さらに回避を邪魔するかの如く、荷電粒子砲の輝きまで見えた。
 ジェット噴射によるホバリングで姿勢を維持したまま生体ミサイルを避けていくライゼは、続けてエイヴォンMVを錐揉み飛行させ、続く荷電粒子砲をも回避した。

『反撃だよ!』

 アンチドラゴカノン<G>で応戦しつつ、隙を見てはその竜型特攻効果を活かし、最大射程ぎりぎりの位置からバルバロイ・サーペントへ砲撃を加えた。
 炎のブレスを吐こうと寄ってくるバルバロイ・サーペントに対し、光線の雨を束ねて降らし、撃退した。
 ライゼのエイヴォンMVのステージ上に立ち、ミラはエリオンと共に戦闘参加する。
 クリスタルローブの効果で魔力封じや遮断を緩和する結界を張ると、ステージ上に降ってくる生体ミサイルを避けつつ、プチメテオを発動した。

「でっかいのいくわさ!」

 上空に、赤く輝く極点が現われた。
 それが時間経過で少しずつ大きくなり、やがて一定範囲を影で覆うほどの大きさの隕石となった。
 ゆっくりとして見えてその実かなりの速度で落下している隕石は、バルバロイの群れを巻き込んで地面に直撃すると、着弾地点を中心に猛烈な突風を巻き起こし、大地を炎で舐めた。
 風と炎が融合し、竜巻となって隕石が消えた後の空間を薙ぎ払う。


* * *



 バルバロイ・サーペントが炎のブレスを涼姫へ吐きつけてきた。
 ミラがデュランダルⅢにつけていた火耐性のお陰で、ダメージが軽減される。
 押さえるべきは、バルバロイ・サーペントだ。

『用意しておいて良かったわ』
『本当にね』

 ティムキンがバルバロイ・サーペントに横槍を入れ、それ以上の攻撃をシャットアウトした。
 防御を固めて涼姫とその機体を守りつつ、ティムキンは反撃の機会を窺う。
 涼姫が囮になる形で炎のブレスを誘い、ティムキンの支援射撃と合わせてカウンターを決める形で、有利に戦いを進める。
 チェーンサークルを転倒防止柵としつつ、ミラは戦う涼姫とティムキンにも援護を飛ばす。
 時間の流れを瞬間的に遅くし、ふたりと戦うバルバロイ・サーペントの速さを下げる。

「今だわさ!」

 バルバロイ・サーペントに隙を作り出し、涼姫とティムキンの攻撃に繋げた。
 それを止めんと、他のバルバロイたちが鈴姫を狙う。
 飛んでくる攻撃に対し、雨空刀・青、雨空刀・白の形状と、自らの受け流しの技術で、飛んでくる生体ミサイルや荷電粒子砲、魔法を掻い潜り、涼姫はバルバロイ・リッパーを間合いに捉えた。

『遠距離攻撃に強いのなら、接近戦で仕留めるまでよ』

 飛び道具に限定した受け流しの腕ならともかく、近接戦闘における受け流しの腕は涼姫に軍配が上がる。
 振り下ろしの斬撃と斬り上げをほぼ同時に繰り出し、受け損なったバルバロイ・リッパーを仕留めた。
 攻撃後の隙は、すかさずティムキンがカバーに入る。

『好きにはさせないよ』

 射撃と同時に弾丸を装填する一連の動作を集中して行い、弾切れの隙を減らしつつ、頻度を上げて攻撃を行った。
 程よく混ぜられた牽制弾が反撃しようとするバルバロイたちの反撃の目を潰す。

『当たらない』

 すぐさまローラーダッシュで回避と離脱を行い、駐屯地そのものへの攻撃を孫の手<D>のヒーターシールドで受け止めた。


* * *



 ライゼのエイヴォンMVのステージ上で、エリオンはトワイライトを発動した。
 郷愁を誘うカントリーミュージックに合わせて、日が陰り夜の帳が降りていく。
 いつの間にか、周囲の情景は夕焼けへと変化していた。
 まるで早回しのフィルムのように周囲に薄昏が広がり、暗闇となってバルバロイの群れを包み込んだ。
 バルバロイの動きが鈍り、戦う味方には逆に疾風の如き素早さを与えた。

「さあ、これで戦いを有利に進めましょう」

 狙われればエイヴォンMVも回避行動を取るだろうが、戦いに絶対はないので何が起きるか分からない。
 もしもの時のために、エリオンはエコーサテライトでいつでも光の盾を展開できるよう、身構えた。
 ミラは、エリオンに合わせてノクターンフルートを奏でてバルバロイたちの知覚潰しを試みた。
 バルバロイたちの数が多く、時間がかかる割には効果を実感しにくい。
 人によっては、さっさと攻撃した方が早いかもしれない。

「ん~、全体的に、状態異常自体が効果が薄そうだわさ。どうも、昆虫みたいな感じだわさ」

 特に、数で攻めてくるいわゆる雑魚敵であるほど、その傾向が顕著だ。
 まあ雑魚と呼ぶには、今攻めてきているバルバロイたちはいささか強すぎる気もするのだが。
 味方の被弾を回復させつつ、ミラはどこか無機質に戦うバルバロイたちを観察する。
 エリオンは自身の背後に美しい光をまとった女神のような存在を召喚した。
 その眼差しを背中に浴びながら、優雅に舞踊を行う。
 どこか神聖さを感じさせるその舞いは、味方の体力を徐々に回復させていき、バルバロイから受けるダメージを減少させる。

「皆さん、頑張ってください。私も頑張りますから……!」

 【使徒AI】鬼姫(通常コピー)を搭載したマランゴーニDMzwieを操縦するライオネル・バンダービルトは、武装の射程と装弾数を活用した戦いを繰り広げる。

『そこだ! 落ちやがれ!』

 屈折、反射する光を巻き散らして、自分や味方の姿を捉えにくくしながら、ビットボマー<G>の火力と長射程で遠距離から砲撃戦を繰り広げる。
 せっかくの射程の長さを利用しない手はない。
 狙うのは、バルバロイ・ヘッジホッグとバルバロイ・ポジトロンだ。
 鬱陶しい生体ミサイルの雨と、荷電粒子砲をなんとかする必要があった。

『いい加減邪魔なんだよ! 早めに沈黙してもらうぜ!』

 曲芸じみた飛行技術を駆使し、マランゴーニDMzwieを宙返りさせて荷電粒子砲を避けたライオネルは、三機一セットのネイバースフィア<G>を射出した。
 狙うのは、間合いを詰めて攻撃範囲にライオネルを入れようとしてくる、バルバロイ・スカラーとバルバロイ・サーペントの二種類だ。
 ダイナミックに回避を成功させる度に光の軌跡をたなびかせるマランゴーニDMzwieは、四種類のバルバロイを相手に一歩も引かない。
 複数の武装と回避技能を駆使して、一対多の戦いを有利に進める。
 鬼姫(通常コピー)が教える甲虫型と人型バルバロイに関する知識と、ドラグーンレーダーの情報が、規格外なライオネルの活躍を可能にした。
 多対一で一見不利なように見えても、ライオネルは要所要所で一対一の戦いになるよう位置取りしている。


* * *



 接近してきたバルバロイの群れに対して、スレイは雷光を剣のか形に固定し、薙ぎ払って広範囲を攻撃した。
 一度に多くの対象を攻撃した分威力は減衰しているものの、それでも出鼻を挫くには充分だ。
 攻撃を受けたバルバロイ・キリギリスとバルバロイ・リッパーが、明確にスレイのガンデッサへと進路を変えた。

『望むところです……!』

 固定武装のガトリング砲を展開し、猛烈な勢いで弾幕をばらまいた。
 バルバロイ・リッパーの六本腕の鎌に斬り払われた弾が、次々に爆発を起こして拡散する。
 ガンデッサシールドを掲げたガンデッサを、スレイは突撃させる。
 狙うはバルバロイ・ポジトロンだ。
 しかし群れの最後方にいるため、こちらも回り込む必要がある。
 機体を横に、回転しながら回避機動を取りつつ、避け切れないものを防御して移動する。
 斬騎剣<D>で斬りかかった。

『あまり時間をかけてはいられませんね。さっさと済ませましょう』

 一体を斬り捨てて沈黙させると、次の標的を探す。
 位置的に、そんなスレイを妨害してきたのはバルバロイ・リッパーではなくバルバロイ・スカラーだったが、やることは変わらないのでとりあえずカマイタチを束ねて斬撃に乗せて投射し、追い払った。


* * *



 垂は最優先でバルバロイ・スカラーを狙うため、デュパンダルカスタムをバルバロイの群れの側面へと進ませる。

『支援妨害してくる敵は、思いの他厄介だからな……。俺自身、仲間からよく支援されるから分かるぜ』

 真っ先に倒したいバルバロイ・スカラーであるが、相手は人型バルバロイ。
 ボス格ではないにしても、それなりの知恵を持っているだろうことは想像に難くない。
 斬騎剣<D>の刀身を射出し、遠距離からの撃破を狙った。

『刀身のコントロールに集中するから、回避は任せた!』

 鬼姫(通常コピー)に自立回避の許可を出し、バルバロイ・スカラーの撃破に専念した。
 ある程度の数を撃破し、周囲にバルバロイ・スカラーの姿がなくなったことを確認する。
 パンダ型のオーラを纏い垂のデュパンダルカスタムが加速した。
 マギ・スリーピィボムを投擲し、透明の催眠ガスにバルバロイたちを巻き込むと、そのままバルバロイ・サーペントを狙った。
 眠る様子はない。

『それならそれで、普通に攻撃するだけだぜ!』

 跳躍して刃を振り上げ、斬りつけると同時に、刃を再加速して間髪入れず二撃目を重ねた。
 両断されたバルバロイ・サーペントが落下していく。


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