■プロローグ■
――アーク、バンラッティー廃坑最奥
かつて、この
楽園シャングリラに住んでいた
“オリジン”は、行動な文明を持ちつつも、二つの陣営に分かれて争っていた。
一つの陣営はドラグーンアーマーやスタンドガレオン、レリクスやイダテンを造り出し、もう一つの陣営は
破壊主マグナ・マテルとバルバロイ(サヴィジとアマゾナス)を創った。
あらゆる種を取り込んで進化し続け、最終的には全ての種を凌駕して滅ぼすまでに至る最終兵器マグナ・マテルは、皮肉にも最初に創造主である“オリジン”を滅ぼし、“オリジン”が自分たちの仕事を分担させるために造り出した種族たち――タラスクス(竜人)、エルフ、ドヴェルガー、スカイ・ハイ、マーメイド――を滅ぼし、そして人間を滅ぼそうとしていた。
バンラッティー廃坑最奥で“外法の者”たちと、
ウォルフ・ランバージャックたちと邂逅したマグナ・マテルは、その場にいる者の中で最も強い力を持つ
フェリシア――
ロミア・レンスター王女――の姿を取ると、“オリジン”が定めた摂理である種を滅ぼすため、襲い掛かってくる。
『ウォルフ……』
「!? 何だ、テッサ」
ドラグーンアーマー・カラドボルグで、襲い来るバルバロイを斬り捨てながら、ウォルフはカラドボルグのオペレーションAI・
テスタロッサの呼びかけに答えた。
彼女こそ、アークの最深部に眠る最後の“オリジン”だ。
『私、目覚めた方がいいのかな?』
「なんだよ、藪から棒にっと!」
今までのバルバロイとの戦いを経て、ウォルフのドラグナーとしての腕前は、彼が所属するキルデア騎士団、いや、全騎士団員の中でも上位の部類に入る程上達している。
カラドボルグというドラグーンアーマーの性能のお陰もあるが、この場にいるバルバロイに後れを取ることはないだろう。
『だって、マグナ・マテルを創ったのは“オリジン”なんでしょ!? そしてそのオリジンが自分たちだけではなく、多くの種を滅ぼしてきたんでしょ!?』
「けど、それって
“今の”テッサと関係あるのか?」
『!?』
「確かにこんな化け物を創ったのは“オリジン”同士の戦争が原因かもしれないけどさ。テッサが創った訳じゃないし、さっきも言ったが誰も気にしてねぇから、お前も自分が“オリジン”だから責任を取ろうだなんで思うなって。テッサはテッサであって、あんな化け物を創るような“オリジン”じゃねぇよ」
『ウォルフ……』
この朴念仁の言葉は真っ直ぐだからこそ、テスタロッサは救われたかもしれない。
自分は自分でいいのだ、と。
「ウォルフ、【星詩】は!?」
「ああ、悪い、ジェニー、頼むぜ!」
そこへ会話を聞いていたかどうかは分からないが、
ジェニー・ヘアドレッサーの指示が割り込んでくる。
ウォルフ自身スプリガンに覚醒したとはいえ、メインはドラグナーだ。アマゾナスクイーンを経てより磨きがかかったジェニーの【星詩】よる強化は欲しいところだ。
ジェニーが【星詩】を朗々と唄い、ウォルフはカラドボルグで襲い来るバルバロイを斬り伏せてゆくのだった。
■目次■
プロローグ・目次
【1】バルバロイの露払いを担当する
・ベイグラント騎士団
・シュメッターリング騎士団
・特異者たちの奮闘
【2】マグナ・マテルを倒す
・鶏肉騎士団
・ライトニング騎士団
・フルール歌劇団
・終わりの先へ
・決着
【3】騎士団駐屯地を防衛する
・オーバーチュア騎士団&オワリ武芸団1
・オーバーチュア騎士団&オワリ武芸団2
・フルール歌劇団&ダブリン聖歌団1
・フルール歌劇団&ダブリン聖歌団2
・ベイグラント騎士団
・鶏肉騎士団
・アルガス騎工団&キルデア騎士団1
・アルガス騎工団&キルデア騎士団2
・アルガス騎工団&キルデア騎士団3
・守り通したもの
エピローグ