■プロローグ
まさか、こんなことが起きるなんて
お母様の代、おばあ様の代、そこからどんなに遡っても
こんなことはありえません。
人為的なもの? いえ、そのようなことが出来るはずはありません……
事故? ありえない話ではありません。
皆既月食の関係上、結界の再構築までの期間が空いています。
村の皆に知らせる……? いえ、混乱を招くだけかもしれません。
偶然起きた事故、そのはずです。
しかし、どうしてこんなにも気持ちがざわつくのでしょう。
最悪のケース、取り返しのつかない事態になるとしたら……
誰かがこの偶然を利用すること……、もしそんなことがあるとしたら
疑うべきは……