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カルディネア

忍び寄る崩壊の序曲

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忍び寄る崩壊の序曲
【!】このシナリオは同世界以外の装備が制限されたシナリオです。
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8.地中の反乱(2)

「アイオーンさんの予想が正しかった――そう判断して良さそうですね」
 乙町 空は居合わせた者の一人として来ていた。
 ナイトアカデミー制服に身を包み子息令嬢としての礼儀の立ち振る舞いでフードの者に立ち向かう。
「義を見てせざるは勇無きなり、です!」
 広さに余裕の無い発掘現場で空は戦士として剣や盾による防御で同士討ちにならないよう慎重に戦う。

 桐ヶ谷 遥は軽業師の足捌きで素早く走り抜け距離をつめる。
 フード連中を引き付け撃退しドワーフたちが逃げ出す隙を作りだす。
 戦士の堅固な防御と侍の居合術で戦う。
 武器らしい武器を持たず詠唱を唱える者がいた。
(優先的に狙うのはこういう輩よ。)
 特に魔法を使うものに警戒する。
 そのフードの者の周辺に霧が吹き出して立ち込める。
 遥は僅かに霧を吸い込みながらも居合の一撃目で刀の刃を直撃させて目標とした敵を斬り倒すだけでなく、見えない刃で回りの連中にも攻撃を行う。
 すぐに解毒を持つ者が駆けつけて遥の意識を保つ。

「私を無視することは許しませんよ」
 真空剣鎌で立ちはだかる。

 サトリたち【岩の守護竜】も集結する。
「ここが採掘の最深部のようです」
 慎重坑道内をマッピングしながら掘り進められた土石が新しい箇所や作業の跡がある箇所を優先的に捜索していた。
 アクルは前衛として行動。
 盗賊の忍び足で偵察と警戒、格闘家としてバックラーで敵の攻撃を「受け流し」ながら懐へ入り込みクローの連打貫槍で攻撃する。

「おお、未だこの眼に見ぬ大いなる神竜よ、我らに加護を! 我らの戦いをご照覧くだされ!
 そしていずれは我が前に現れてくだされ!!」
 瑞稀は若干芝居掛かった詠唱を唱えて神竜の小さな加護を発動する。

「わたしの盾の後ろへ、早く!」
 瑞稀は戦士として味方の前に立ち追撃する剣風で風を起こして敵の攻撃が届かないようにする。
「神竜をこの目で見る為の障害は、斬り伏せて往くぞ!」
 妙なテンションで仲間を守り抜く。

 フレイアは愛馬のセントサイモンと共に遺跡の周辺で待機していた。
 枚銜戦術を使って足音が目立たないよう移動、前衛としてリュイック、アクルと共に血路を開く。
 軽業師の足捌きを使って一気に間合いを詰め、侍の居合術を使って一気に切り伏せる。

 燐は残りの魔力で仲間を支援する。オモイカネを振るい高速詠唱魔法で敵を攻撃する。
 サトリは戦士として仲間を守る。シルバーダガーによる突撃鋭槍で敵陣に突撃する。

 ミューナはリュイックとアクル、自分の武器に炎賦を付与魔法使いとして小石弾を使い仲間の戦闘をサポートする。
 その後は僧侶としてドワーフの回復を行う。
 サトリはドワーフ達を等を前衛と後衛の間に配置して遺跡からの脱出を図る。

 救出に成功したことを知らせる瑞稀の横笛が響き渡った。
 だがアイオーンは奥へと向かう。アイオーンは“ブランコスモス”の中でも特に異質の気配を放つ目深にフードを被った者を追っていた。
「アイオーンさん!」
 サトリとリュイックが追う。
 目深にフードを被った者は発掘された装置の上部に登り何かに触れようとしていた。
 アイオーンはその位置へ飛び上がると背中の大剣を振り下ろした。
 目深にフードを被った者は最小限の動きでアイオーンの攻撃を躱す。
 それ以降は互いに睨み合い動かなくなる。
『わかっているようだな竜人族の青年よ。ここで今俺とお前が戦えばどうなるか』
「……ダークレイスが」
 そこにリュイックとサトリが飛び込む。
 フードを被っていることで死角が多くなり戦闘になった場合それを取ることから始めなくてはならず、一瞬隙が出来る。そう読んでいた。
 その隙を突き混乱を利用し速攻・連撃を行う。
 鋭牙のドラゴンルーンを付与。さらに攻撃力を上げる。
 空も加わり花鳥無斬による選別攻撃や急襲突等の突き技を使う。
(謎の集団“ブランコスモス”の素性を知りたい……!)
 戦闘の中でフードの者に近付き、花鳥無斬でフードのみを切り裂く。
「っ!」
 リュイックはサトリが思わず驚きの声を漏らす。
 そこには人のものではない肌の色と禍々しい角を生やした頭部があった。
(アイオーンさんと同じ? でも少し違うような……)


「“ブランコスモス”の目的は何だ? 何をしようとしている」
『ドワーフには十分働いてもらった。後は何とかなるだろう』
 露出した金属部分の周囲の岩壁に亀裂が入った。その亀裂は採掘場全体に広がっていく。
 フードの者は崩れてきた壁の向こうに消えた。
「すぐに地上に出ろ!」
 アイオーンは冒険者達と出口へと急いだ。
 広範囲にわたって発掘現場が崩れて遺跡は岩と砂に埋もれた。


 ミリーは小さな花冠をいくつも作っていた。
 それはエスメラルダがアドバイスしたものだった。
 ギルドに遺跡に向かっていた者達が戻ってきた。軍馬を持つ者は弱ったドワーフを乗せていた、
 ミリーが駆け出す。
 ミリーが父親に抱きつき、父親がお礼を言った。
「どうもありがとうございます」
 他のドワーフ達もそれぞれ冒険者達の手を取りお礼を言う。
 そのまま武器や装備の状態や談義に突入する者もいた。
 ミリーが花の王冠を一つ一つ冒険者の頭に乗せた。
「角のお兄さんは?」
 アイオーンの姿はなかった。「誰もついてくるな」と言って遺跡の様子を見に戻ったらしい。
 リュイックはため息をついていた。
「アイオーンのやつ……」
 ミューナも頷いた。
「自分だって危険なのにね」
 ただアイオーンは不器用なところはあるが、何とかしてこの世界の人々を守ろうとしている。それだけはわかった。
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