クリエイティブRPG

カルディネア

忍び寄る崩壊の序曲

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忍び寄る崩壊の序曲
【!】このシナリオは同世界以外の装備が制限されたシナリオです。
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5.失われた都(2)

 アイオーンの一行は静かに、そして少しずつ奥へと進んでいた。
 途中フードを被った見張りの者の気配を感じたら早めに迂回をした。
「音がする」
 岩を叩く音がした。
 広い空間が拓けていて、灯りがいくつも灯された空間でドワーフが作業をしていた。
 だが様子がおかしい。
 多くのドワーフが怪我をしている。そして時折フラつき、道具を落とした。
「早く拾え!」
 フードの者の怒声が響いた。
 桃葉は怒りで思わず出そうになった声を飲み込んだが、それ以上に圧迫感を感じて振り返りギョッとなった。
 アイオーンが大剣の柄に手を掛けて今にも飛び出しそうだった。髪が逆立ち、全身から殺気を放っている。
「お、落ち着いて……」
 オロオロしなが桃葉は仲間の藤崎 圭に救いを求めるように視線を向ける。
「俺は止めないよ」
「ちょっと待って」
 アイオーンを呼び止めると唱えた。
「神竜の小さな加護がありますように……と」
「わかっている」
 アイオーンはいつもの表情に戻っていた。
「もしアイオーンがブランコスモスを今のうちに潰したいならそれはそれで反対はしないよ」
「ちょっと、何言っているのよ!」
 圭の言葉に桃葉が驚く。アイオーンは冷静だった。
 と思ったがすでにアイオーンは飛び出していた。
 圭もドワーフの元に向かう。
「あーもうっ!」
 桃葉は魔法使いとして小石弾で隙を作って攻撃をアシストする。
「始まったか?」
 時雨が忍び足で接近して不意打ちを仕掛ける。
 竜を目指す魔導士を雇って同行させていた。
 魔導士が凍結呪で敵の動きを封じる支援をする。だが拘束力は弱く一時的なものだった。

 ドワーフと接触できたら仲間のメルが彼らを逃がすために謎の集団の注意を戦闘で引く。
 戦士の堅固な防御と受け流しで捌き時雨の小石弾が牽制に飛んだタイミングに合わせて獅子咆哮で全力の一撃を叩き込む。

 真毬 雨海は行方不明になったというドワーフの身を案じて捜索に加わっていたが戦闘は得意では無かった。
 魔法使いで他の冒険者について行って【鉄成】と【炎賦】で支援をする。
 風弓で牽制する。

 圭は盗賊の忍び足で先行し仲間を誘導する。
 襲撃に備える。ドワーフたちを護り、無事に帰す事を優先する。

 見張りを倒す者、ドワーフを保護するものとで分かれる。

「助けに来たぜ」
 だがドワーフの反応が鈍い。作業を止めようとしない。
 さらに呼びかけると突然道具を持った手を振り上げてきた。
 キョウが懸念していたことだった。操られて攻撃してくるドワーフと揉めるかもしれない。
「こりゃヤバいな」
 キョウが放った追撃する剣風はドワーフではなく、その後ろにいたフードの男に向けられたものだった。
 邪魔になる奴のみを侍の居合術で先んじて断つ。
 フードの者は一旦その場から引き下がる。

 改めてエスメラルダが呼びかける。
「助けにまいりました。わたくしたちはミリー様から頼まれた冒険者です トムス様、ナンガ様はいらっしゃいますか?」
 だが、ドワーフ達から何の反応もない。というか周りを見回し何かにひどく怯えているようだった。
「操られているという話でしたね」
 エスメラルダが静心を使い混乱を取り除く。ドワーフは一瞬動きを止め、そしてブルブルと頭を振った。
 改めてエスメラルダが問いかけるとドワーフの視線がようやく定まった。
「ナンガは……ワシじゃよ」
 ようやく反応した。エスメラルダやアイオーン達もホッとする。
「ミリーが……あの子が冒険者ギルドまで出向くなんて……」
 ミリーの名を聞いて驚いて涙ぐんでいた。
「まだ奥のほうで働かされている仲間がいるんじゃよ」
 エスメラルダは僧侶の技である聖光で治療する。
 すばるも消耗しているドワーフを陽光草で体力の回復をする。
 伊織もドワーフの救助に取り掛かる。
 桃葉に同行する見習い魔法使いが植知で薬草袋の中の薬草の効果を高めてドワーフたちの回復のサポートをする。

 地面が持ち上がりスケルトンが出現する。ドワーフが逃げ出さないよう見張っているようだった。
「私が囮になります」
 フロレンツィアは取り回しの良いショートソードを使い戦士として鋭牙のドラゴンルーンで切れ味を上げて斬撃、突き攻撃などを繰り出す。
 日向もスケルトンに対処する。
 戦士の堅固な防御で攻撃を防ぎ精霊の力を宿す精霊銀の剣で斬る。
 
 その間にドワーフを安全な場所に移動させる。
「トムスさんがどこにいるかわかりますか?」
 エスメラルダがミリーの父親のことを訪ねる。
「もっと奥の採掘場だ」
「いったい何をほり出そうとしているんだ?」
「わからないが、何やら複雑な形状のものだ。アレは……何かとても恐ろしい……」
 ナンガは気を失った。

「あれ? アイオーンは?」
 桃葉が見回すがアイオーンの姿はなかった。
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