クリエイティブRPG

カルディネア

忍び寄る崩壊の序曲

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忍び寄る崩壊の序曲
【!】このシナリオは同世界以外の装備が制限されたシナリオです。
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3.冷酷なる部隊

 アイオーンに同行する者達とは別に、少しばかり先行して遺跡に入った冒険者達がいた。
「ドワーフ? そんなの知るか!
 ブランコスモス……? だったか?
 そいつらを殺し、持ってる物を全て奪えば今後もより殺しやすくなるな……探すぞ!」
 別府 亮の目的は“ブランコスモス”を狩ることだった。
 亮は遺跡に入り込むと人の気配を探す。
「……居た」
 亮は見張りの者と思われるフードを被った人物を見つけて狩人の追跡で後を付けて襲撃の機会を狙っていた。
 鋭牙のドラゴンルーンでショートソードの攻撃力を上げて投擲する。
 だが、ショートソードはフードの者の体を通り抜ける。
「あ?」
 それが幻であるとわかると同時にフードの男は亮の背後に回り込んでいた。
 亮は一瞬戸惑うが笑みを浮かべる。
「殺す!」
 フードの男に立ち向かっていった。


「亮さんは一体何処に行ったのでしょうか?」
 亮の仲間の別府 シエンは遺跡に着いて早々に亮とはぐれてしまった。ただ亮とは違いシエンは僧侶として困っている人がいると聞いて人助けのために依頼を受けたのだった。
 闇探知で何か呪具の類がないか警戒しながら遺跡を進んでいた。
「ん? 何か居る……」
 その時地面が盛り上がりスケルトンが現れた。シエンが悲鳴をあげた。



 遺跡の中を進む別の冒険者がいた。
「ドワーフの人には是非とも頼みたいことがあるんだ」
 藤原 経衡は手にした数枚の紙が綴じてある帳面を開いて眺めていた。
 そこには鮮やかな色彩の風景画があった。それを見つめてほうっと息を吐く。
「……美しい」
 風景画は岩絵の具を使って描かれたものだった。東の方の国での技法であるが岩絵の具は色によっては貴重でなかなか手に入らないものがあった。
 経衡はその岩絵具に興味があり、ドワーフなら良質のものを手に入れる方法を知っているのではと思った。
 それで仲間のゾフィー・ベルンシュタインスヴェトラーナ・ショスタコーヴィチとともにドワーフの救出の依頼を受けたのだった。
「無事に助け出せるよう支援します」
「危険なようなら皆んなを守るよ」
 ゾフィーとスヴェトラーナに加えて遺跡の錠前破りが何か手伝えることがあればと同行していた。
 そこへスケルトンに追いかけられるシエンが駆け込んできた。
「お願い、助けて!」
 シエンはスケルトンを浄化しようとしたのだが歯が立たなかった。
 経衡達も必死に応戦するが倒してもすぐに別のスケルトンが出てくる。
「落ち着いて、一緒に攻撃を」
 ゾフィーがシエンと一緒に火炎弾を打ち出し、それでようやくスケルトンを倒した。
 だが、その経衡達の前に亮が立ちはだかった。
「亮さん……?」
 シエンが駆け寄ろうとして違和感を感じた。
 経衡は戸惑う。
「あれ? 冒険者……だよね?」


 邑垣 舞花は仲間のノーン・スカイフラワー“震電” 星花と共に発掘現場の潜入捜査を行っていた。
 悲鳴が聞こえて駆けつける。
「あれは?」
「冒険者同士が戦っている?」
 経衡とゾフィー、スヴェトラーナが襲われていた。シエンが亮を止めようとして弾き飛ばされていた。
『殺してやる』
「なんだか様子がおかしいわね」
「そいつから離れなさい!」
 魔法使いのノーンが小石弾で戦闘支援を行う。
 シエンが逃げる隙を作る。
 傭兵の星花が侍の居合術で先手を取って目前の敵を斬り伏せる。
 舞花がフードを被った者がいる事に気がつき、後を追おうとする。
 だがその時、新たな人物が加わった。ファルリィンだった。
 舞花達に向けて攻撃をしてくる。
「ファルリィンさん!?」
「わたし、こっちの仲間になる。
 だってアイオーンさんが角を触らせてくれないんだもん」
 魔導士の伊織が見張り役を火炎弾で遠距離から攻撃して倒す。それからは僧侶として亮の治療にあたる。
 静心で亮を落ち着かせる。

 その隙にフードの者はその場から離れた。
 ファルリィンが後を追いかけてフードの者に呼びかけた。
「待って! あなた達に協力したいの!」
「ほお」
「あなた達に興味があるの。だって……」
 ファルリィンはフードの者に取り入るための言葉を歴史書を読んで得た知識から用意していた。
「私はリュクセールが信仰する神竜に滅ぼされたレグルタ人。
 セレスティアのリュクセール侵攻に協力したレグルタ人もいたようだし、あなた達がブランコスモスなら、レグルタ人の私があなた達に協力しても不思議じゃないでしょ?」
 フードの者の口元が冷ややかに歪んだ。
『とうに滅んで復讐しか残されていない民の手を借りる必要はない』
 ファルリィンは息を飲んだ。フードの者の声は強い威圧感がありヒトのものではない響きがあった。
 ファルリィンの意識が遠のいた。

 英輝は狩人として森人の目を使い捜索していて倒れているファルリィンを英輝が見つけた。
 気が付いたファルリィンは悲鳴をあげると英輝に襲いかかってきた。
 アイオーンが軽く当て身を打ち込みファルリィンは倒れこむ。
「どうも操られてしまっているようですね」
 英輝の言葉にアイオーンがため息をつく。
「だからやめておけと言ったんだ。小細工が通用するような相手じゃない」
 ファルリィンは冒険者達を裏切るふりをして謎の集団の人たちに信用してもらおうという作戦をアイオーンに伝えていた。
 ファルリィンや亮達、経衡達もまだ冒険者としての経験が浅い者は操られる危険が大きいとして撤退させた。
 舞花達はフードの男の不気味さを感じていた。
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