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≪セレクター編≫新たなる絶望

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≪セレクター編≫新たなる絶望
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■プロローグ■



「なあ、サヤ?」
「どうしたんじゃ、官兵衛」

 ヤナギ サヤと名乗る得体の知れない女の誘いに乗ってしばらくして。
 官兵衛はサヤと並んで違和感のない詰襟の制服を着て、ある世界の学生街を歩いていた。

「同志を集める、だったか。その一人目を、なんでオレにしたんだよ?」
「なんだ、そんなことか」

 サヤが目を細め、官兵衛を見上げた。

「お主が俗物で弱いからじゃ。
 それと……とても後悔しているように見えたからの」
「俗物、弱ぇ? 益々分からねえ」
「弱者は自分が弱い事を知っておる。自分の底をな。
 強者は自分が強い事を知っているが、自らの限界は知らん。
 その限界を見極める過程で過ちを犯し、消えていった者を大勢見て来た」

 サヤが何者であるか、官兵衛はまだ知らない。
 人ならざる何かであることは分かるが、こうして世界に溶け込んでいる姿を見ている分には、普通の少女だ。
 そう見せかけることができるのが、余計に恐ろしい。

「いずれ覇王となる君主を支え、その者に全てを捧げ、最後は戦の中で華々しく散りたい。
 お主の望みはそんなところかの?」
「!?」

 驚愕の顔を見て、サヤは声を出して笑った。

「お主は実に分かりやすい。素直で、何を考えているのか腹の底を探る必要がない。
 その一方で、よく頭が働く。普段はこうなのに、戦略的な駆け引きになるとまるで違う。
 わらわの見立て通りじゃ」
 
 官兵衛、とサヤが真剣な顔で言った。

「わらわを支えよ。そして最後は、己の望み通りに死ね。
 その時がいつになるかはまだ分からぬが、な」





■目次■


プロローグ・目次

【1】「ヴォーパルの首飾り」への侵入者の撃退
三千界に干渉する獣
この世界を守るため
放たれる魔に相対する
答えは彷徨う

【2】官兵衛の軍勢を消耗させる
数多の亡霊兵を見据えて
辿る砲撃班
劈く刃の証

【3】黒田 官兵衛を倒す
二兵衛の邂逅
黒田八虎とへし切長谷部 前
黒田八虎とへし切長谷部 中
黒田八虎とへし切長谷部 後
“セレクター”黒田 官兵衛の生き様 前
“セレクター”黒田 官兵衛の生き様 中
“セレクター”黒田 官兵衛の生き様 後

エピローグ


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