■プロローグ
――遠い遠い、過去の思い出。
“彼女”の呪いが突然暴走したのは、受肉戦の直後だった。
勝利が決まった瞬間、影の弾丸がロリィの頭を貫通し
仮初のスキンから影があふれ出した。
『From:ロリィ あっ呪いやば!!!!』
ない頭からメッセージが飛んできたのを今でも覚えている。
そして、その断面からあふれ出した影がロリィの姿を取ったことも。
今思えば、それは仕組まれたことだったのかもしれない。
ロリィは知ってはいけない“何か”を知って、その口封じをされたのだ。
渾沌王によって。
『From:ロリィ ごめん、今度会ったら殺して』
『From:ロリィ それたぶんアタシじゃないから』
『From:ロリィ さよなら、モモ』
「ロリィ、何を言って……きゃあっ!?」
――そうして。
私はロリィがあふれさせた呪いの余波によって
気が付いたら別のゲーム――RWOに“受肉”していた。
それが、すべての始まりだった。