■プロローグ■
「
負の想念は昇華され、ホライゾンは無事に新年を迎える事ができた」
「これで心置きなく新世界創造計画に注力できるな、木戸」
界霊シンパシスが完全に浄化されたのを確認し、
木戸 浩之はマーケットに戻ってきた。
既に
マンフレッド・マクファーレンは会場のセッティングを終え、彼にサンドイッチで挑戦する特異者たちも集まり始めている。
「マンフレッド。その体はポストヒューマンの義体だが、味覚の方は大丈夫なのか?」
「問題ない。現在の適合率は95%、生身の感覚がほとんど再現されている。
仮に適合率が低かったとしても、“想像力”があれば補うことなど容易い」
三千界の界域が乱れている現在、三千界管理委員会の幹部であっても、地球と三千界との行き来は容易ではない。
地球を離れられない代わりに彼は特務を順次ホライゾンに派遣し、サポートしていた。
しかし今、彼は本体ではないにせよ、こうしてホライゾンの地に立っている。
「君がこうしてホライゾンにいれるなら、特務はリタさんまでか?」
「確かに、俺がずっと手伝えるならあとの三人を送る必要はない。
だが、地球からリモート操作している以上、リスクはある。
下手をすると俺の精神が義体とも本体とも離れ、三千界に拡散しかねないからな」
リアルの付与を使いこなせるマンフレッドであれば、仮にそうなったとしても自力で自我を再統合できるだろう。
だが、長時間の接続が危険なことに変わりはないため、ホライゾンに長居はできないとのことだった。
「安心しろ。経過観察のため、2~3ヶ月に一度は来る」
「そのタイミングで、計画は段階的に進んでいくことになると思う。無理はしなくていい」
「俺の心配より、自分たちの心配をしておけ。
セレクターに限らず、三千界にもまだまだ俺たちの敵はいるのだからな」
■目次■
プロローグ・目次
【1】N界霊戦―アルテラ―
【1】N界霊戦―エデン・ガイア―
【1】N界霊戦―海―
【1】N界霊戦―森―
【1】N界霊戦―大和―
【1】N界霊戦―RWO―
【2】種子との遭遇1
【2】種子との遭遇2
【2】種子との遭遇3
【2】種子との遭遇4
【3】挑戦の証明
【3】サンドイッチとは
【3】試される覚悟
【3】示された世界
エピローグ