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王都強襲を阻止せよ!!

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王都強襲を阻止せよ!!
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■目次■

目次・プロローグ

【1】超弩級キャヴァルリィを防衛ラインへ誘導する
誘導戦 1 艦隊戦の開始
誘導戦 2 MEC戦突入
誘導戦 3 ビームスプレー級
誘導戦 4 ナイトホーク動く
追撃戦

【2】超弩級キャヴァルリィを破壊する
防衛戦 1 防衛陣地
防衛戦 2 艦隊戦
防衛戦 3 MEC戦
防衛戦 4 ナイトホーク
防衛戦 5 魔力ドライブ炉
防衛戦 6 アバルト

【3】ブレンダム・ヴィッカーズの復興プランを提案する/復興を手伝う
ヴィッカーズ復興
ブレンダム復興会議
ブレンダム復興作業

【4】ダリオ・セルゴール公国議会議長に答えを出す
ダリオ・セルゴール公国議会議長の求める答えとは?

エピローグ


■Prolog : Final destination■


「ここに、おられたのですか。どうか、もっと安全な場所にお移りください」
 自室に連なる王宮のバルコニーからじっと西の方を見守っているエクセリア・ラディアに、“紫電の赤薔薇”リリアが声をかけた。
「ここが安全でなくて、何処が安全だと言うのですか?」
「しかし……」
 今現在、王都グローリアラディアの西では、ラディア連合王国軍とグランディレクタ共和国軍が雌雄を決する戦いを行おうとしている。“宰相”ナティスたちが防衛陣地を整え、“参謀”エーデル・アバルトたちがナイトホークの相手をしているのだ。
 すべては、ナイトホークの脅威から、この王都グローリアラディアを守るためだ。いや、場所ではない、スフィアに住む人々を守ろうとみんな命をかけているのだ。
 いったい、シュピール・アバルトは、何をしようとしているのだろうか。執拗にラディア連合王国の解体を図り、スフィアを手中に収めようとしているようには思えるのだが。その視線の先に見据えている物は、エクセリア・ラディアには分からない。
 ラディア連合王国を滅ぼした先にある物はいったい……。
 最初期の目的に戻って、ワラセアにあるグランディレクタ共和国からの移民をもくろんでいるのだろうか。
 シュピール・アバルトと親しかったという、母ガートルード・ラディアであれば、その真意も汲み取れるのであろうか。思わず、エクセリア・ラディアは背後の室内を振り返った。
 プロメテウス砲発射の際に、セイクリッドシステムによって聖女の力を奪われてしまったガートルード・ラディアは、封印された姿でエクセリア・ラディアの部屋に安置されている。
 未だにその封印は解くことができてはいない。単純な考えに頼れば、聖女の力を元のように注ぎ込めば封印が解けるかもしれないという希望はあるが、どうやってプロメテウス砲レベルのエネルギーを集め、さらにそれを安全にガートルード・ラディアの身体に注入すればいいのか、その方法はまったく分かってはいないのだ。セイクリッドシステム自体が、完全な過去のブラックボックスであるからだ。
 だいたいにして、それらを知っているはずのキュベレー神でさえ、未だにマイリア・ラディアの封印を解くことができずにいるのである。
「今のラディアの代表は私。だから、私は、ここですべてを見守ります」
 毅然とした態度で、エクセリア・ラディアはスフィアの大地を見守り続けた。

★    ★    ★

 ブレンダムとヴィッカーズでは、この戦いの間にも復興作業が続いている。
 みんな、この戦いでラディア連合王国が滅ぶとは思っていないのだ。これまでの戦いで被害を受けた都市を放置していては、産業力も低下したままとなる。それは、直接、人々の生活を苦しくさせ、戦いへの備えを弱くさせる。
 たとえ、王都の危機とはいえ、生活をおろそかにすることはできない。戦いの後に、焦土しか残っていないのであれば、人は生きていくことができないからだ。
 それに、今回の危機を乗り越えたとしても、ワラセアにはまだマケドニア・キングダムが控えている。その動向は、未だ把握できてはいない。備えは必要だった。

★    ★    ★

 海のむこう、バルティカ公国では、引き続きダリオ・セルゴール公国議会議長の真意を質すべく、交渉が続いている。
 現在のバルティカ公国は、ラディア連合王国とグランディレクタ共和国との戦いに中立を表明しており、今回の戦いにも参加はしていない。
 冥王との戦いでは協力し合ったバルティカ公国であったのだが、なぜ、今回は協力できないのか。
 ワラセアとの貿易を維持するために関係の悪化を嫌ったものなのか。冥王との戦いの過程でマルグリット・バルティカ女王を失ったことへの国民感情なのか。あるいは、グランディレクタ共和国との密約を交わしているのか。
 憶測は飛び交っても、未だ確証は得られていない。
 はたして、ダリオ・セルゴール公国議会議長は何を知っているのだろうか。

★    ★    ★

 サクスン手前で、シュピール・アバルトは、冥王の最後の遺産であるキャヴァルリィ――シーカーを再起動させた。
 シーカーは、冥王がキュベレーの位置を正確に索敵し、直接攻撃を仕掛けるためのキャヴァルリィだ。過去の冥王大戦時に、それを脅威と考えたキュベレーによって大破させられ、グラディウスシリーズの四号機と五号機のセイクリッドシステムによって封印されたものであった。それをシラク――ガンデッサから聞き出したシュピール・アバルトは、密かに発掘を行っていたのである。
 シーカー起動に必要と思われるエネルギーは、アディス・ウィスパーを使って多数の人々の魔力を吸い上げることによって確保している。なにせ、セイクリッドシステム二つ分相当の魔力である、それをコントロールできるのはシュピール・アバルト以外にはガンデッサしかいなかった。冥王と呼ばれたオルクスの自律自動管理システムが消失した今、それに匹敵する処理能力を持つガンデッサは、冥王クラスとして利用するには最適であったのだ。同時に、さらなる成長をもってオルクスの基幹システムに成り代わるのを、ここですり潰して可能性をなくしておく意味合いもあった。よしんば脱出しても、二度にわたるリソースの消失で、自我すら維持できないほどに弱体化するだろうと見込んでのことだ。
 シュピール・アバルトは、集めた魔力を起爆剤として旗艦であった初代ドレッドノート級マグニフィセント・アバルトをシーカーに吸収させ、冥王に匹敵するスピリット・キャヴァルリィ――ナイトホークとして完全復活させたのだ。起動に使われた魔力は、四基の魔力ドライブ炉にほぼそのまま蓄えられている。
 残存艦艇の一部を南の海洋沿いに撤退させ、ナイトホークは護衛艦隊と共にサクスン方向へと東進を始めた。
 撤退する艦隊が本当に撤退を目的としているのかは定かではない。何か特務を担っているとも考えられ、対応するためにグリーフィア・アルチュセールと共にラディア連合王国の傭兵部隊がむかっている。
 それよりも、問題はナイトホークの目的地だ。
 元々、スフィアへの降下をラディア連合王国の作戦でノルトマルクへと誘導されたグランディレクタ共和国軍は、迷わず東へ、王都グローリアラディアの方角へと進んできたのだ。
 途中では、アディス・ウィスパーなどの冥王の遺産を次々に復活させている。
 本来の降下予定ポイントはそれらの遺産のある遺跡であったのだろうが、これらはあくまでも手段であると考えられている。手に入れた力は、使わなくては意味がないと推測されるからだ。
 当然、その最大の目標は、最大の障害でもあるラディア連合王国の王都グローリアラディアと考えられた。
 ナティスは、以前から設置が進んでいたバルカン山脈の防衛施設をより強固な物とし、そこへとナイトホークを誘導する作戦を実行している。
 敵の目的地が分からない以上、降下作戦のときのように自軍に都合のいい場所へと誘導するのがセオリーでもあるからだ。それに、今のルートではサクスンの穀倉地帯を蹂躙される恐れがある。
 防衛ラインの準備が整うまでの時間稼ぎと誘導のため、エーデル・アバルトの率いる傭兵部隊は攻撃を開始した……。

★    ★    ★

「愚かな抵抗を……。未だに、スフィアの子供たちは、目先のことしか考えが至らぬのか」
 ナイトホークのコントロールシートに一人深く沈み込んだシュピール・アバルトは、その強力な索敵能力によって映し出された周囲の状況にため息をついた。
 相変わらずの力業としか思えない正面作戦で、ラディア連合王国の傭兵部隊が迫ってくる。無視すれば楽だが、今までの戦いから言って、そうもいかないだろう。何よりも、敵部隊の中にエーデル・アバルトの存在を感じる。
 大言壮語を吐いた娘だ、アバルト家の直系として決着をつけてやるのが情けというものだろうか。
「いずれにしても、キュベレーの器となるラディア王家は、歴史の表舞台から消し去らねばな……」
 シュピール・アバルトは、接近してくるラディア連合王国軍の方へと部隊を転進させた。

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