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忘れじの夢、彼方のアゴン 前編

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忘れじの夢、彼方のアゴン 前編
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 ◆『天地創造の書』の奥付を見るために(4)

「俺たちが作りたい世界か……」
 常々、美味しい料理で食べた人を笑顔にしたいと考えている星川 潤也は、『美味しいもの、楽しいこと、素敵なこと』が溢れた幸せな世界を作りたいと思っていた。

 世良 延寿は、潤也が何も言わなくても彼の考えが手に取るようにわかった。
「私も楽しいことがいっぱいあって、みんなが笑顔になれる世界がいいな!」
 潤也は頷いて、晴れやかな表情を延寿に見せた。
「だったら、これしかないよな!」

 潤也は延寿とアリーチェ・ビブリオテカリオに手伝ってもらって、争いが無く楽しい世界をクッキングライブで表現することにした。
 作るのはケーキ。美味しいケーキを神様に食べてもらいたい、という延寿の希望だ。
 世界観のコンセプトに相応しく生クリームやフルーツで賑やかに飾って、目にも楽しいケーキに仕上げるのだ。

 *

 延寿はアイドル衣装の【ルミナスパレード】を着て【スイッチ:人の為の歌】を発動し、神様のために豪華な椅子とテーブルを用意した。
「さあ神様、ここに座って」
「わあ、特別席! いいね、僕、神様だもんね!」
 神様はウキウキ顔で席に着いた。

 潤也はまず、【スープストック】を使って時間を短縮してスポンジケーキを焼き上げた。
 スポンジ台が冷めるのを待つ間に、包丁で楽器のようにリズムを刻みながら、フルーツをどんどんカットしていく。
 ストロベリー、ピーチ、アップル、マンゴー、バナナ、オレンジ、パイナップルなど、色とりどりの瑞々しいフルーツが美しくカットされ、宝石のように輝いている。

 アリーチェは潤也の横に【ライブ・ライティング】で巨大な白紙の本の幻影を出現させて、踊るような動作で【羽ばたきと囀り】を振るい、絵を描き始めた。
 絵はどうやらケーキ作りの場面のようだ。次々と、ユーモアたっぷりで、おもしろくて可愛い絵に仕上がっていく。

 最初に描かれたのは †タナトス†とノーマが爆発魔法でケーキを焼いて、頭がアフロヘアになり、情けない顔になっているもの。
 次は玲花とイドラの女王が、楽しそうにメレンゲと生クリームをかき混ぜている様子。
 最後はD.D.と輝夜が生クリームとカットフルーツでケーキをデコっている様子。

 絵を描き終わったアリーチェが神様に向かってツンデレな感じで言い放った。
「ほら、ケーキはこうやって作るのよ。あたしが解説してあげるから、ちゃんと覚えなさいよね」
「ええ~? 僕は作る人より食べる人だから、覚えなくてもいいと思うんだけどー」
 そう言ってるわりに神様は笑顔で、そこまで不満そうではない。むしろ会話を楽しんでいるようだ。

 手際の良い潤也は、飾り用のマジパン人形作りに取り掛かっていた。
 アリーチェが絵に描いたように頭が爆発してアフロヘアになった†タナトス†とノーマの人形や、玲花、イドラの女王、D.D.、輝夜の可愛らしいデフォルメ人形を、器用な手つきで次々に完成させていく。

 全ての材料の下ごしらえが済んだら、いよいよ飾り付け。
 潤也は【盛り付けテクニック】で鮮やかに生クリームとフルーツを盛り付け、マジパン人形をバランスよく配置して飾る。
 こんなに可愛くて美味しいケーキを神様が食べたら、きっと笑顔になってくれるだろうと想像しながら、心を込めて仕上げていた。

(俺は争いがない、楽しい世界を作りたいんだ。このケーキの上みたいに、美味しいものや楽しいことが溢れてたら、みんな笑顔になってくれるかな……)

 ケーキが完成に近付いたのを見計らって、延寿が【ルミナスパレード】の効果を発動させた。
 幻のマーチングバンドが出現して舞台が一気に賑やかになったので、神様や観ている人たちの期待感も高まる。

「……できた!」
 潤也が呟いた。

 アリーチェが仕上げに【羽ばたきと囀り】の鳩を羽ばたかせて、描いた絵を全てカラフルな鳩に変えて飛び立たせた。
「さてと……本物のケーキも出来たみたいね。あとはみんなで食べましょ」

 延寿はマーチングリーダーのようなきびきびした動作で、完成したケーキを神様の元に運んだ。
「はいっ、お待ちどおさま!」
「うん、僕、待ったよ」
 ニコニコとケーキを見つめる神様に、延寿は一切れ切り分けてあげる。
「神様には、このイチゴがたくさん載ってる所をあげるね」
「わあ~、綺麗だね~」
 神様は嬉しそうにパクパク食べて、あっという間に平らげてしまった。延寿はまた一切れ、皿に乗せてあげた。
「次はアップルとマンゴーが載ってる所だよ。フルーツケーキって、載ってるフルーツによって彩りも味も違うから、楽しいよね!」
「君の作ったケーキはいつも美味しかったから、どこを切ってもらっても嬉しいよ。絶対美味しいに決まってるからね」
 神様は笑顔で言うと、アップル&マンゴーをフォークで刺して口に運んだ。

 アリーチェの楽しい絵と延寿の賑やかなマーチングバンドが潤也のケーキ作りを素晴らしく演出して、3人のお料理ライブは皆を笑顔にする世界をまさに『創造』したのだった。

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