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シルエット・ウォー

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シルエット・ウォー
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4.影と戦う戦場(3)

 ある意味、サバイバーよりも厄介なのが群れで襲いかかってくるシャドービーストの存在だった、
「今回の『キャンバス』の方針はシャドーフィールドの影の境目からはある程度の距離を保ち安全圏へ向かうのです」
 リーラことシア・クロイツは前回の戦いで力不足を認識していた。
 シャドービーストの撃破と調査も兼ねつつ障害となる他サバイバーに応戦、生き残りを目指す。
「……より強くなるため…モモさんに追いつくため…仲間と共に頑張るですよ」
 ガードでヒーラーのリーラは司令塔役として沈着冷静に現状を見極め仲間を『クールアシスト』していく。
 仲間の中央で移動しつつ索敵と指揮・回復を担当する。
【スキン】SDキャラで可愛らしい姿になりつつ素早さを上げる。
【彩の輝石】を胸に仲間との連携を意識。
 シャドービーストの撃破と調査をする。その障害となる他サバイバーに応戦する。
 激戦区からある程度距離を保ちシャドービーストを優先に『クイックスキャン』で索敵する。
 モンスターの位置や他サバイバーとモンスターの発生場所の法則性等を探る。
「……アスール兄……アスール兄……ちょっと発見なのです」
 主交戦相手の壁としてクロネに向かって貰う。
 索敵情報はしっかりと逐一仲間に伝えつつスキルで不十分な箇所は【スタータレット】で補い威嚇射撃での攻撃をしてもらう。
 仲間の状態に気を配り、必要に応じて【デザートランナー】で弾や薬などを供給する。
 回復は『【バトルタイプ】おじさん』として近くの仲間を癒やしていく。
 影の力で力の上がっているサバイバーには基本的には積極的に向かわず、生き残る為に必要であれば応戦する。
 他サバイバー足止めや緊急時の移動補佐が必要な場合は『ファストウォール』で即席壁を作って対応する。

「モモの隣に立つためにも力をつけましょう」
 クロネこと紫堂 音羽は【桃の輝石】を胸に仲間との連携を意識する。
「この世界でもやることは大体同じ。
仲間を守る盾となるよ」
 アルジェントと共に【サンドザウルス】に騎乗する。
 基本はリーラの索敵情報に合わせ味方の壁になるために前に出る。
 ガードでタンクのクロネは『先の先』をよみ少しでも早く仲間と敵の間に入れるように心がけて味方の壁になるために前に出る。
『ファストウォール』を補助に使いながら【クランズピース】を用いて敵の攻撃を防御していく。
 いざという時は回復効果もある『シャドーフィルム』も併用して少しでも長く立ち塞ぐ。
 範囲が狭まって来たら後方から追い上げてくる相手の足止めに『サンドバリケード』を展開して対処する。
【シャドーパイ】は影の力を活性化する事が出来るから範囲が狭まってきてからの最後の追い込みの前に食べることにする。

『キャンバス』のアスールこと戒・クレイルはシャドービーストとの戦いに積極的に挑んでいた。
 アサルトでチャンピオンのアスールは『サードアイズ』で敵のデータを把握する。
 強さ・能力だけでなくRWOとの関連性の分析も行う。
(因果関係を探り、生き残る。
このゲームには隠された意図があるはず。
モモさんの目的に近づく為にも情報を掴み、生き残りましょう。)
【デザートカメレオン】で姿を見え難くし【アフターブレイブ】で武器の威力向上を図る。
 武器を極めた者’として取り回しの良さを活かしたまま『サンドカービン』の火力を上げ『カクサンナックル』の攻撃の間を埋め、高火力の一撃を活かせる様にしておく。
 生き残るのが最優先であり【マルチタスク】で影に吸い込まれぬよう位置を確認し戦闘する。
 近接の際は特に注意する。
 分析を基にラピスの動き封じに合わせ、タウィルと連携する。
 対人の場合は仲間と連携して遠近攻撃を使い分けた【カゲ=カタⅠ】のみで応戦する。
 モンスター相手には【スターライトスローイング】を放ち【カゲ=カタⅠ】による追撃で撃破を目指す。
 より多くの対戦で体で感覚を掴む。
「且て、モモさんの来訪がRWOを救ってくれた様に僕達の来訪が、RWOの力が真の意味で、この世界の人々を救う架け橋になる事を願って……貫け!」

 アスールはこのゲームにとってイレギュラーであるモンスターの発生の件からそれがモモのRWOからの帰還に関係すると考え、モンスターはRWOに由来する存在、或いは彼女の帰還の理由がそこに在るかもしれないと考えていた。
 ただその根拠となるものが掴めずその読みは外れのようだが、イレギュラーであるモンスター達との動きの様子から彼らがサバイバーに対して強い敵意は持っていなさそうであることを感じ取っていた。
(モンスターの目的は一体何なんだ?)

 アルジェントことセルヴァン・マティリアは『デザートカメレオン』を纏い『VR』で操作性を向上させ、クロネの【サンドザウルス】に騎乗し対人の応戦にまわる。
「生き残りゲームですか。
ゲームだけの話では無い気がしてなりませんが……まずは勝ち残ってからです」
 アサルトでエルフのアルジェントは他サバイバー達を抑える事でアスール達がモンスター戦に集中できる様にする。
【ブラインドシーク】で備え『ゴーグルサイト』でトラップや伏兵の位置を割り出す。
 罠は見つけ次第ラピスに伝えて回避する道を用意して貰う。
 伏兵を捉えられたら『Z‐03狙撃銃』で攻撃する。

 居場所を【挑発の手招き】で判断力を鈍らせヘイトを稼ぎ注意を自分に向けさせる。
 防御はクロネに委ね、仲間の攻撃へ繋げる。
 影の迫る中での戦闘は一瞬の判断が非常に重要。
 隙を見てサンドザウルスから滑り降り【クイックシャドー】で攻撃を避け攪乱する様に射撃を見舞う。
 影に吸い込まれぬよう距離は保ち敵の乱れを逃さず【ダークジャケット】で強力な一撃を浴びせる。

「私達の力が、繋がり、が架け橋……になる様に」
 ラピスこと志那都 彩は戦う意味を見据える。
 ガードでクラフターのラピスは仲間の補佐をする。
『彩の輝石』を胸に連携力を強化、『グライディフェンダー』で地面設置型の罠に感知されぬ様に移動する。
 アルジェントからの罠の情報や障害物を加味し【ロードビルダー】としてアスール達がモンスターに攻撃を仕掛け易いよう道路や橋を架ける。
『スモークイーグル』で敵の阻害と状況を把握する。
 リーラの索敵情報と合わせ他サバイバーの視界を阻害しつつシャドービーストの位置を捕捉する。
 実装された力【ダンジョンマスター】としてダンジョンを作り、モンスターをおびき寄せる。
【ハードブロック×30】で閉じ込め、アスール達の攻撃に繋げる。
 タウィルのアンライフに合わせ、積み上げ位置を調整し仲間の足場を確保する。
 対人は、グレネードによる支援。
 影の範囲が狭まって来た際は、クロネのバリケードを抜けられぬ様にハードブロックと【ゴーストマイン】を設置する。

(対シャドービーストは恐らくRWOとの接点。モモさんもRWOのスキルを流用してたりするんだろうか)
 タウィルこと四柱 狭間はモンスターと対人の両方を臨機応変に行う。
(MOD導入後の初試合だ。一般プレイヤーには申し訳ないが、調査のためにいろいろ試させてもらうとしようか。)
 アサルトでレプリカントのタウィルはまずは《彩の輝石》で連携を意識し【マルチタスク】でステージを狭める影の浸食を常に思考の隅に留めておくようにする。
【サンドカメレオン】で迷彩し、【クイックシャドー】で影からの安全圏に向けて滑りながら、牽制に弾丸をばら撒く。
 主目的は影からの移動なので別に圧を掛けられなくとも構わない。
 対シャドービーストはアスールの解析が済むまでは遠距離から《サンドカービン》で牽制する。
 解析後はアスールの隙を打ち消すように射撃を行い、『崩壊』のデータ(【アンライフ】)を弾丸に乗せて、直接モンスターに撃ち込む。
「RWO由来かつ本当にモンスターなら、これで終わる筈だが……さて」
 他のサバイバーの攻撃の様子も見るが、RWOの武器による効果に大きな差があるようではなかった。
「組み合わせ次第というところかな。まあ問題なく使えるだけでも有難い」
 対人戦はリーラの索敵情報とラピスのスモークイーグルの煙と自身の迷彩を組み合わせて姿を眩ませる。
 姿勢を低くする事で煙幕の影響を抑えて、息をひそめ《サンドカービン》の射程内に敵が入ったと同時に弾丸に【アンライフ】を乗せ、敵の足元やその付近のオブジェクトに撃ち込み地形崩壊を狙う。

 地形の崩壊に敵を巻き込んで、大勢を崩させるのが目的だった。だが大和塾やKODCでのプレイに慣れているサバイバーも影への対処法に慣れている。
 望み薄ではあるが体勢を崩す事でそのまま、または影を利用している敵をそのまま影に落とせるかもしれない。

 相手の状況を見極めて【クイックシャドー】で無理矢理接近し、《カクサンナックル》と《サンドカービン》を絡めた【カゲ=カタⅠ】を叩き込む。
 影の浸食状況次第よってはナックルで影に押し込む。
 接近戦では負けない。
 『キャンバス』はチーム一体となって他サバイバーやシャドービーストを退けてポイントを重ね、上位にランクアップした。





『一時の安らぎ』はツバキとオニキスと接触することに成功していた。
「ツバキとオニキスが所属してるクラン、大和塾のリーダーはモモなんだ」
「やっぱりあのモモなのね。随分イメージ変わっていたからあたしも最初は驚いたけど」
 ジュンヤの言葉にツバキは息を吐く。
「俺たちではモモに接触できない。だからツバキに頼みたいんだ」
 ジュンヤはツバキに大和塾内部からモモのことを調べるよう頼む。
「もしツバキたちが大和塾に残れるようだったら、クランの内部からモモのことを調べてくれないか?」
「元々そのつもりよ」
 ツバキとオニキスは少しだけアクアマリンと連絡を取っていた。
「わかったわ。ただ、モモの周囲は常に高レートの取り巻きに固められていてなかなか近づけないの。
あまり期待はしないでね」
 ツバキの話ではやはり大和塾のメンバーであってもそう簡単にはモモに会うことはできないようだった。
 信頼が大切なこういったゲームでは他チームの者との接触には警戒される。
 ただジュンヤがモモのことを心配している様子はツバキも理解していた。
 もちろんオニキスもモモのことを気にかけていた。ただ、「モモなんだけどモモじゃない」みたいな違和感も正直あるということだった。
「どういうこと?」
 アリーチェが首を傾げる。
「ごめん、うまく説明できないんだけど」
「じゃあ、そろそろ戻るね」
 大和塾に不審に思われないようツバキと長くは話せなかったが、ジュンヤは軽くツバキとオニキスをハグした。
「モモのために頑張ろう」
 ツバキとオニキスもしっかり頷いた。
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