3.影と戦う戦場(1)
強敵となるのは大和塾だけではない。
それ以外の多くのプレイヤーとの激しいバトルが各地で展開していた。
インカネーションレートを上げる為にも出来る限り多くのサバイバーを倒す必要があった。
「サバイバルマッチ”シルエット戦”、か。気を引きしめてかかろう」
前回に引き続き
草薙 大和は仲間とチーム『光の若葉』を組んで参加していた。
「インカネーションレートを上げるため、わたしたちも全力で勝ちを狙っていくですよ!」
コロナこと
草薙 コロナが気合を入れる。
「インカネーションタグを今度こそこの手に、ですね」
Aiこと
アイ・フローラが可憐な美少女の見た目とは裏腹に両手の【カクサンナックル】で構えて軽く攻撃の動きを試す。
「うん、問題なさそうですわ」
PVPで思わぬ邪魔が入ることにも備えては”フルダイブトラッカー・T”であるFDT・AiCでログインしてきていた。
ガードでタンクの大和は【リアクティブシールド】を用いた防御役をする。
”戦場の匂い”で奇襲に備え、敵の攻撃を防ぎながら距離を詰め、コロナとアイを攻撃の射程圏内まで無傷で届ける。
【クイックスキャン】による索敵と【ゴ-グルサイト】でトラップに警戒してコロナとアイに注意を促す。
”ホライゾンカービン”で牽制射撃を行いながら盾による防御で敵に接近する。
【シャドーフィルム】で防御力と回復力を高め【グライディフェンダー】に乗り地面に触れないよう注意しながら影に飛び込む。
あくまでも優先すべきはコロナとアイを守ること。攻めにかまけて守りを疎かにすることだけは避ける。
コロナやAiが危険な時は”バッシュガード”で影の外に押し戻す。
アサルトで天狗のコロナは影の中の敵に対して”天狗の空走”で空中を駆け、地面に触れないように接近して攻撃を仕掛ける。
大和の【リアクティブシールド】に守られながら敵との距離を十分に詰めて飛び出す。
【バウンドアタック】で仕掛けて【フラッグコンボ】で手榴弾で注意を引きつけ確実に相手を仕留めていく。
アサルトでヒーラーのAiは【デザートカメレオン】で姿を消して移動。
前回の経験を活かして戦闘開始してもすぐには迷彩を解かずに少し潜伏してから機会を見てフラッグコンボで強襲する。
大和の忠告を受けながら罠にも警戒するようにしていた。
【バトルタイプ】フラッグレイダーで自分と大和とコロナの火力もアップする。
「私のグレが火を吹きますよ?」
アクアマリンのおかげで使えるようになった【テク】チャンプムーブを使い、【シャドーサブウェイ】で相手の銃弾を回避しつつ、敵に接近して攻撃をする。
「次!」
敵を倒したらすぐに別の敵へと向かう。
タイミングを見て地道にサカイヤチョコレートでHPとMPを回復する。
「ここには瞬時に両方回復できるアイテムとか無さそうですからね」
そういったアイテムがあるのは自分たち特異者にとってアドバンテージになるかもしれないと感じた。
『光の若葉』は着実にポイントを重ねていった。