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シルエット・ウォー

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シルエット・ウォー
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5.VSトガシ(2)

『全力で生き残り隊』の松永 焔子もダークホース的にトガシ戦に加わる。
 黒々とした四肢、否、その倍の数の脚で高速道路を駆け抜ける者がいた。
(先の戦いでは予想外の苦戦を強いられてしまいましたが、ニャンテック社のMODのおかげでようやく本気で戦うことができそうですね。)
『全力で生き残り隊』の焔子は【ジョブ】アナンシの落とし子と【レイス】メロスの併用で、長距離走に適した筋肉を有する蜘蛛の如き異形に変貌していた。
 その姿にニコルとおじさんもビビるくらいだった。
「単身であのトガシに挑むなんて先が楽しみね」
「思い切って戦ってくださいね\(>0<)/ 」
 焔子にエールを送るとニコルとおじさんは他のメンバーの支援に戻った。
 アサルトでレプリカントの焔子はゴーグルサイトのビッグデータでトラップや伏兵がありそうなポイントを警戒しながら砦の内部を駆け抜ける。
 親衛隊が待ち受けるが、異形のモノの姿の焔子には流石に怯んだようだった。
「イレギュラーのシャドービーストか?」
「誰がシャドービーストですって?」
 焔子がアナンシの黒糸の塊を振り回して親衛隊をぶっ飛ばす。
 シルエット戦の”番人”だけあってトガシは受けて立つようだった。
 巨躯に大型のマシンガンを持って立つ姿はそれだけで威圧感があった。
「私が『全力で生き残り隊』、松永焔子でありますわ!」
 礼儀として名乗るが、トガシは焔子がRWOのプレイヤーであることは気づいていた。
「よく知っている」
「あら、私って有名人?」
 思わず焔子は顔を赤らめた。
「だがとりあえず倒す」
「望むところですわ!」
 焔子がまずは【ジョブ】ヴァイラスでウィルスを散布しトガシの弱体化を図る。だがトガシがバイクのエンジン音が変化し、高速化で走り回る。焔子も【レイス】メロスで追う。
 トガシの動きを先読みして【縮地】からの黒糸を重ね、様々な状態異常を引き起こそうとするが、それらが追いつかない。
 反撃を受けるがメロスの速度にダイレクトニューロリンクによる先読みを併せて回避する。回避困難な攻撃はヴァイラスでヴィ・ヴァリアイズの霧を一点集中させて防ぐ。
  焔子が黒糸を自身に使用して強化状態からの【縮地】で追いつく。
 剣化させた黒糸で攻撃直後の隙を狙い胴を薙ぎ切り、致命打を与えようとする。それはトガシの体に届きダメージを与えたはずだった。
 だが影の力を全身に纏って防御し、トガシがパルスマシンガンを放った。それを浴びて焔子は動けなくなった。

 続いて高い戦闘力の『S.K.A.S.H.U.+』もトガシとの決戦が始まろうとしていた。
「流石は大和塾の幹部クラスだわね」
 B.B.は【タンクアリゲーター】に桐ヶ谷 遥とシレコことシレーネ・アーカムハイトを乗せてトガシの元に突入する。
「後は頼んだ!」
 B.B.自身はスタータレットとワニに迎撃を任せバトルタイプ、おじさんの効果を振りまきつつバリケード内に引き籠る。
 アサルトでブレイザーの遥はトガシ戦まで可能な限り体力温存をしていた。
 その間に相手やおじさんの動きを見てKODCにおける戦い方を学んでおく。
 特に見ておきたいのはシャドーフィールドにとどまる際の技術だった。
 事前に考えてた手段として速度を生かし境界ギリギリを維持するように戦ったりクイックシャドーによる自身の影を足場にすることで一時的にフィールド内を動くことを考えていた。
 遥はアクアマリンが用意したMODによる力、レイスやジョブの能力を試してみる。
(こちらが勝れる可能性があるとしたら、それはRWOから持ち込んだ力)
 遥はそう考えていた。
 影の力を最大限行使するためシャドーフィールドの傍で戦う。
 フルダイブトラッカー・Tの操作性で【レイス】シノビノモノの移動速度に【バトルタイプ】フラメンコの動きと【ジョブ】ブレイブを合わせる。
【テク】マルチタスクの判断力でギリギリ効果を受け続けられるように立ち回る。
(想定通りいけそう)とクイックシャドーを活用する。だがトガシも影の力を使っての防御で遥の攻撃を受け流す。
 こうしてギリギリな賭けをして挑み相手にもチキンレースに乗ってもらうのが狙いだった。
  シャドーフィルムをかけたエクス・Fが飛び出し、タンクアリゲーターで噛みつく。
(動きを止めることが出来ればよし、逃げられても囮役になって味方が態勢を立て直すまで時間を稼げればいい。)
「ほお」
 驚くというよりも、トガシは『S.K.A.S.H.U.+』の戦い方を何かとても懐かしむような表情だった。
(正直これだけやっても届かない可能性は高い。
でも相手もギリギリまで誘い込めれば相打ち覚悟で一緒にログアウト寸前に持ち込む隙も作れる可能性はある。)
そこを仲間たちに突いてもらうのが遥の狙いだった。
 遥は高速移動からの高度な剣技による連撃を放つ。
 褐色のエルフであるシレは真正面から攻撃する遥を利用してトガシへ奇襲攻撃を仕掛ける。
 アサルトでヴェローチェのシレコは【デザートカメレオン】で目立たないよう突入しシャドーサブウェイで死角からトガシの懐に飛び込む。
 ルミナスエッジとサンドカービンを使い、トライアルアーツ絡ませたカゲ=カタⅠのコンボを繰り出す。
 だが遥とシレコの動きをトガシに読まれていた。真正面から向かいすぎたのだ。
「良いセンスだ。だがとりあえず倒す!」
 トガシは遥とシレコの攻撃を受け流してパルスマシンガンを放った。
 その時視界が煙幕に覆われた。
「む」
『ハーヴェスト』の【一本釣り組】のアリサとリコリスとスアマが突入したのだ。
 
 『ハーヴェスト』の作戦も着々と進行していた。
 ミシェルとリズで親衛隊がトガシの近くに駆けつけるのを押さえていた。
「この先は【一本釣り組】に任せるさー!」
 ガードでヒーラーのユリは【ゴーグルサイト】を使い、砦内の罠や伏兵について予測する。
(大和塾レベルであれば、ゴーグル対策はしてくるでしょうから敢えてそのポイントをずらす。)
 大和塾が前戦で負けている以上、慎重に来ると予測し、その裏を取りに行く。
 ずらしたポイントに【【バトルタイプ】メイザー】で迷路を設置する。
 ガードでディーヴァのアリサは罠ポイントの手前に【サンドバリケード】を設置、トガシの居る通路にスモークイーグルで辺りを何重にも煙幕で覆う。
 そして炎を浴びせる。
 アサルトでプロフェッサーのリコリスは光学迷彩外套を周囲の建物や地面に合わせて身を隠していた。
(トガシの戦い方を観察していたけど、やはり強い)
 リコリスはリゾルブで気合を入れてアリサの火炎放射が始まったらシャドーサブウェイを発動してジグザグ移動でトガシに接近する。
 トガシと真正面から近接戦闘を行い、他の味方へ攻撃を行えなくするためだった。
「バウンドアタックすぁ!」
 アサルトでクラフターのスアマはアリサのバーナー攻撃に紛れてスライムの軟体を活かして壁や地面を縦横無尽に動き回り、冷凍シャークを叩きつける。
 だが何回か打ちつけると冷凍シャークは折れた。
「俺に正面からの攻撃は通用しないぜ」
 パルスマシンガンを浴びせられるのを必死に跳ね回って避ける。
「”とりあえず倒す気”満々すぁ!」
 ただそれはリコリスからトガシの注意を逸らすためだった。
 【サンドアーバレスト】を放ってトガシに命中させる。
 トガシもパルスマシンガンを向けてくるが強い煙幕のせいで狙いをつけられたわけではなく、更にスアマたちは防壁に守られていた。
 ユリが【グライディフェンダー】を遮蔽物としてそこに身を潜めて罠を仕掛けていた。
 スモークイーグルで相手を捕捉しスタータレットを自ら操作して十字砲火の形を作り出す。
 視界を阻害することで【ポンドトラップ】が成功する可能性を高めるためだった。
 塹壕・有刺鉄線の効果を持つ迷路、地雷の効果を持つ【ポンドトラップ】で巨躯のトガシの動きを鈍らせる。
 さらにスタータレットによる十字砲火を放った。
「集中攻撃!」
 リコリスももう一度サンドアーバレストを狙いをつけて放った。
「……やるな」
 トガシの体力ゲージが尽きた。
 もちろん、この時点までの他の特異者との戦いで消耗していたということもあった。
 だが、『ハーヴェスト』のチームプレイで畳み掛けるような攻撃を受けてトガシはログアウトとなった。
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