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3000年前の遺産

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3000年前の遺産
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■エピローグ■


 ――火の浮遊大陸マールス

 移民用浮遊大陸ベーダシュトロルガルを手に入れようとしていたバルバロイの撃退に成功し、また、タラスクスバルバロイを倒したことで、アークは無事ランデブーに成功した。
 移民用浮遊大陸ベーダシュトロルガルはアークの底辺にドッキングした。

「やはりあったわね、『プロメテウス砲』が……」

 エーデル・アバルトは、ロミア・レンスター王女専属のオペレーションAI・ミレナスから送られてくる移民用浮遊大陸ベーダシュトロルガルのデータを見ながら独り言ちた。
 『プロメテウス砲』とは、アークの主砲であるオーバーハング・ノヴァに匹敵する威力を持つ、移民用浮遊大陸ベーダシュトロルガルに搭載された主砲だ。
 アークはどうやらこれを求めていたようだ。

 そしてエーデルは予感を確信へと変える。

 ――ここはもう一つのテルスである、と。
 ゼピュロスやロミア王女に感じていた既視感も、もう一つの、別の道を辿ったテルスの未来であると考えると、「すとん」と胸のつかえが取れた気分だ。

「アークでは、あれから3000年が経っていた、ということかしらね。しかし、わざわざ危険を冒してまで火の浮遊大陸マールスに来た理由がプロメテウス砲だとすると、楽園シャングリラは一筋縄ではいかなそうね」

 その間にも、竜人(タラスクス)たちがアークへと移動を始めていた。
 彼らは数が多くないため、ヒノモト地方近くの山岳地帯が与えられた。
 その中の一人、白沢(はくたく)は、タラスクスとアーケディア王国の架け橋として、基本的に王都レンスターに留まることとなった。

「ちょっと聞きたいのだけれどいいかしら?」
「ええ、構いませんよ。私もあなたと話がしてみたかったので。ただ、この後ロミア殿下に呼ばれておりますので、手短にお願いします」

 タラスクスは多くの知恵を蓄えているため、ロミア王女も早速交流を図りたいと思っていたようだ。
 それは邪魔をしては拙いだろう。

「私たち……というより、アークが来る前に、あなたたちタラスクスと接触を持った人間はいなかったかしら?」
「ええ、いましたよ。私たちの知性と魔力を必要としている、と説かれておられました。確か、『ギルティアス教国』と仰っておりましたかな」
(やはり!)

 案の定、とでもいうべきか。ロディニアに現れたタラスクスは彼らの仲間だったのだ。

「今からギルティアス教国の協力を止めることはできないかしら?」
「それは難しいでしょう。協力を申し出た者たちは、あなたたちのように私たちを説得したのですから。第一、もう火の浮遊大陸マールスにはおりませんから、説得のしようがありません」
「納得して協力している訳ね……私たちにだけ、というのは、虫が良すぎたわね」

 知的で美学を重んじる彼らには、ギルティアス教国も“外法の者”と同じように好奇心を刺激されたのかもしれない。
 一方で、白沢の口振りを聞く限り、タラスクスはかなり個人主義が強いようで、仲間意識はそこまでなさそうでもあった。
 そろそろロミア王女との面会時間が近づいてきたようで、白沢は頭を下げて辞していった。

「まずは目の前の楽園シャングリラね。3000年経っているのだもの、プロメテウス砲もメンテの一つくらいしておかないとね」
「デュフフ♪ 解体し甲斐が……ではなく、お手伝いしますわ♪」
「アーマーやスタンドガレオンのことは分かりませんが、掃除なら任せてください!」
「……水臭いぞ、エーデル……」

 プロメテウス砲のメンテナンスへ向かおうとするエーデルの前に、エーデル独立08連隊の面々が現れる。
 エーデルは「物好きね。でも、ありがとう。お願いしていいかしら?」と溜息を吐いた後満面の笑みを浮かべると、ランデブーした移民用浮遊大陸ベーダシュトロルガル区域へと向かうのだった。

「あれは移民用浮遊大陸です。それ故、万一の時のアークの脱出用に使うのが最適でしょうね」

 “外法の者”の一人が、タラスクスから聞いた話の報告を、エーデルは思い出していた。
 そうならないに越したことはないが、二手三手先の準備を進めるのが彼女の信条でもあった。
 使いないに越したことはないが、万一使うのであれば万全にしておくべきである。

 いよいよ、楽園シャングリラは目の前へと迫って来ていた。


【3000年前の遺産 完】

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担当マスターより

▼担当マスター:クリエイティブRPG運営チーム

マスターコメント

『クリエイティブRPG』運営チームです。
『エターナル・アーク』のトリガーシナリオ「3000年前の遺産」のリアクションをお届けいたします。

パブリックシナリオは、アクションを投稿しているか、
アクションを投稿していなくても「・アクション投稿しなくても登場を希望」の項目にチェックを入れた場合、基本的にリアクションに登場しています。
基本的にPCは1シーンに登場していますが、シーン分割の関係で数ページに渡って名前がある場合もございますので、リアクションを読み進めてご確認頂ければと思います。

今回の功績は下記の通りとなります。

▼以下の方にアーケディア王国功績証を付与させていただきます。
※配布はリアクション公開後、1週間以内を目途に行わせていただきます。

●騎士団
・エスパーダ騎士団
・フルール歌劇団
・ベイグラント騎士団(2枚)
・オーバーチュア騎士団
・鶏肉騎士団
・ライトニング騎士団(2枚)

・エーデル独立08連隊

●個人(騎士団以外のGAは個人で判定しております)
 エリカ・クラウンハート(SAM0057001)様
 迅雷 敦也(SAM0058626)様
 忌枝 徒長(SAM0075119)様
※【2021年7月23日2:00】戦功表記に誤りがございましので修正いたしました。


▼騎士団の称号について
「申請制」とさせていただいております。
騎士団に所属しており、称号の付与がない方につきましては、
お手数ではございますが、ユーザーサポートの「シナリオ」までお問い合わせください。


最後に今回のリアクションを執筆したマスター陣からのコメントをお送りします。

【1】 担当:やまぐちたけし

今回【1】を担当しました、やまぐちたけしと申します。
ご参加いただきありがとうございました。また、お疲れ様でした。

タラスクスという高い知力と美学や芸術を重んじる種族に対し、どのような力を見せるのかわくわくしながらアクションを読みました。
一口に美学や芸術といってもその形は様々で、星楽を奏でる人、他世界の力を見せる人、自分の人生を語る人、繕わずありのままの自分を見せる人……と、参加されたPCさんひとりひとりの美学を感じることができました。

シナリオではどうしても結果が必要になるため、今回はその表現の仕方やアークらしさ、タラスクスという種族に対してどのぐらい響いたか、ということを総合的に判断し、より活躍された方々を選出しております。
ただ、その人それぞれの美学は甲乙をつけるものではありませんので、是非これからの世界もその美学をブレさせず、大切にしていただけたら嬉しいです。

では、この度はアクションお疲れ様でした。皆様のアクションがリアクションとしてお返しできていれば幸いです。


【2】 担当:シチミ大使

本シナリオにご参加していただきありがとうございます。
シナリオを担当したシチミ大使と申します。

ベーダシュトロルガルをバルバロイ先遣隊の手から防衛し、無事に手にしたため、このシナリオは成功となりました。

火の浮遊大陸であるベーダシュトロルガルを巡って強敵スカラーと対峙する皆さんのプレイングはどれも描き甲斐があり、面白く書かせていただきました。
またご縁がございましたら、その際はよろしくお願いいたします。


【3】 担当:白井梨恵

 ご参加の皆さま、お疲れ様でした。
 巨大な竜人との戦いに加え、火の浮遊大陸への対策も必要となるパートだったので、アクションをとても細かく考えていただけたように感じました。
 またお目にかかる機会がありましたら、どうぞよろしくお願いします。