■プロローグ■
飲まれる。
その恐怖と絶望の感情の中、
プラジアの思考に何かが入り込んできた。
このようなものを生み出してはならない――それは強い警告だった。
(我々はこのような悲劇のために「パトリア」を創ったのではない)
(奴隷民とはいえ、人だ。非人道的な行いには制裁を辞さない)
(これが最後だ。今すぐに計画を中止せよ)
誰の声なのか。
誰から誰への警告なのか。
プラジアは頭の中で響くいくつもの声から、「怒り」と「嫌悪」の感情を強く感じた。
そして、「不安」と「悲しみ」と、そして「恥」を――
(アゴンへの扉が閉ざされる)
声はそれが最後だった。
泣きたくなるような感情の中、プラジアは心の中で叫んでいた。
(違う! 違う! 違う! だからこそ、ボク達は、そしてこの世界は――)
全てが閉ざされ、真っ暗になった。
待って、どうかボク達のライブを――
プラジアは最後に、声なき声でそう叫んだ。
■目次■
1ページ プロローグ・目次
2ページ 1.砂嵐と鬨の声
3ページ 2.守りの壁
4ページ 3.鎮めのライブ
5ページ 4.変革をもたらす響き
6ページ 5.赤き闇の炎
7ページ 6.囚われし心
8ページ 7.護りたいと思うこと
9ページ 8.鎖を断ち切るもの
10ページ エピローグ