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無人の浮遊大陸

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無人の浮遊大陸
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空の大陸とエルフの宝玉1


 木と同化したエルフの秘術を解くべく、カレンを始めとした見張りのエルフ達と共に大陸――巨大な一本の木の内部へ宝玉の探索へ向かった騎士団たち。
 エルフが言うには、宝玉は複数あり内部に点在しているらしい。しかも木の内部は迷路のようになっており、その途中には謎解きのような鍵が必要であるという。
 リスクヘッジと考えれば納得はいくが、仲間がバルバロイに寄生されている国頭 武尊にとっては、延々に続くようにも思える内部の探索はむず痒いものであった。

「大丈夫か、ノイン?」
「うん。痛み止めも飲んできたし、今のところは大丈夫だよ」

 健気な笑顔で応える弁天屋 菊は、時折下腹部をさすりながら国頭に随行する。
 彼女は先の大陸でバルバロイに幼体を産み付けられていた。一応除去手術が予定されているが、恩を受けたアーケディア王国の為、じっとしていることはできなかった。
 時たま体が痛むこともあるが、今回の任務には自ら参加した。……まぁ手術より虫下しの方が楽そうだと思ったこともあるが。
 
「事を急いては仕損じる。急がば回れって言葉もあるし、最短ルートを進むのだけが正解って事もないだろう。
 宝玉が複数あるならオレ達にも確保するチャンスは有る筈だ」
 
 最短ルートの鍵も持ち合わせていないが、国頭は諦めずに前へ進む。ノインもその後ろを着いていく。
 その時、国頭をフォローする新鋭の青年騎士が何かが前方から接近してきていることを伝えた。
 国頭は身構えて警戒する。ゴーレムか、はたまたバルバロイか。

 しかし、現れたのはエルフだった。カレンと似たような見た目をしており、美しい女性だった。

「エルフか。俺たちは敵じゃない」

 国頭は内部へ入る前、装備するパワードスーツの上にカレンから仲間である旨のマークを記載しておいてもらっていた。
 カレンから仲間内のエルフへ事前に連絡してあるとのことだったが、見た目からドラグーンアーマーと間違えられる可能性も考慮したのだ。

「カレンから聞いています。宝玉を探しているのですよね?」
「そうなの! あなたも見張りのエルフさん?」

 ノインの言葉に頷いたエルフは、宝玉の保管場所まで案内してくれるという。しかし鍵がなければエルフが同行していても迂回ルートを行く以外方法はないようだった。

 道中、ノインはエルフに尋ねる。

「木と同化したエルフの場所は全て把握しているの? マッピングとか必要かな?」
「私は全てを把握しているわけではありません。それに内部には同化したエルフはいないのです。
 内部は見張りを交代した際の休憩所、といったところでしょうか」
「なるほどね」

 ノインはエルフの話を聞くと納得し、連れてきていたアーマーハンターは、道標を刻むことに注力してもらうことにした。

「ここを抜けた先に宝玉があるはずです。しかし――」

 しばらく歩いた後、エルフの少女が言葉を続けようとした時、進行方向から音がした。
 何かが崩れるような音。国頭は戦闘音だと瞬時に理解した。

「ゴーレムか、バルバロイの可能性も――!」

 国頭とノインは音の方へ走って向かう。そこにはゴーレムと戦闘中の私 叫がいた。

「エルフ、ほごするのん」

 マギ・マッチロックライフルを構えゴーレムを牽制する私に、拳が振り上げられる。
 その拳を国頭がPS高集束レーザーライフルで打ち抜くと、ノインは風鳴の剣によるフォーカスショットでゴーレムのバランスを崩した。

「エルフちゃん、どうにか止められないの?」
「ごめんなさい。そのゴーレムは秘術で動かされているので、私達エルフには攻撃してきませんが、
 逆に私達もゴーレムに攻撃はできないのです」
「俺達が倒さなきゃダメってことか」

 エルフの言葉に、国頭はゴーレムに接敵する。
 ノインがその動きを援護するように再び風の刃を飛ばし、私がマギ・マッチロックライフルで牽制する。
 最悪の場合、パワードスーツに固定装備されているロケットランチャーの使用もあるが、内部の損傷を避けるためにもできれば使用したくないと、PSチェインソードを鳴らしながらゴーレムの関節部分を狙う。
 新鋭の先鋭騎士による戦場の観察眼からの指示も受けながら、片腕をチェインソードで落とした国頭は、相手からの大ぶりな攻撃を避けながら一度距離を取る。
 その間にノインが再びゴーレムのバランスを崩したところで、胸部へ目掛けて高威力単発モードにしたレーザーライフルを放てば、ゴーレムはそのまま沈黙した。

「何とかなったな」
「よーし、宝玉ゲットするぞ~!」

 ゴーレムの倒れた先にある道を進んでいくと、小部屋のような空間があり、その真ん中にお目当ての宝玉を見つけた。
 ノインはそれをマジックポーチにしまうと、エルフにお礼を言い、宝玉を入手した報告と消耗した体力回復のためにひとまず拠点へと戻ったのだった。


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