■プロローグ■
「ミイレン? 顔色悪いけど大丈夫? どこか痛いの?」
プラジアが声をかけると、
ミイレンはハッとして顔を上げた。
その顔は青ざめ、恐怖に苛まれているように見えた。
だがミイレンはプラジアに対し、「すみません」と言って笑顔を浮かべた。
「久しぶりにお父様の姿を見て、やはり緊張と言いますか……その」
「そうだよね……実のお父さんに殺されかけたんだもん、怖くて当然だよね。
気づいてあげられなくてごめんね、ダーガンの姿が見えないところにいられるようにしたほうがいい?」
気遣うプラジアに、ミイレンは「ありがとうございます。大丈夫です」とお礼を言って、また笑顔を見せた。
だが「愛情(信頼)」の楽巫
ザウシータはその笑顔の「裏」にある何かを感じ取っていた。
ミイレンは無理して笑っている――と。
(私にはわかる。ミイレンさんは、あの
ダーガンに対して、「肉親に殺されかけた」という事以上の恐怖を感じている。
一体それは何なのかしら……異世界から来たあの子たちの言っていた
悪しきノイズというものに対して?
それとも、プラジアさんや私には言えないような、何か別の理由があるの?)
■目次■
1ページ プロローグ・目次
2ページ 【1】1.思いのかたち 1
3ページ 【1】1.思いのかたち 2
4ページ 【1】2.共存と冒険
5ページ 【1】3.聴け、小世界パトリアよ!
6ページ 【1】4.パトリアの未来のために
7ページ 【2】5.怒りの楽巫ヴェントス
8ページ 【2】6.「ボコり愛」の結末
9ページ 【3】7.眠りから解き放たれたもの
10ページ 【3】8.大いなる敵に向き合う力
11ページ エピローグ