■プロローグ■
『Frag-Connect』開催から数日経った、ある朝。
数台のトラックが車列を組んで
フィフスシティを後にする。
「アメリア姉ちゃん、見送りに来なかったな……」
「グラ姉ちゃんまで沈んだ顔をしていたら、みんな気になって仕事が手につかなくなっちまうぜ!
アメリア姉ちゃんのことはハル姉ちゃんとアイドルのみんながきっと、なんとかしてくれる! だから俺たちは俺たちのできることをせいいっぱいやろう!」
遠くなっていくフィフスシティを見つめ、
グラ・ワイズが呟くのを耳にした
火野アラタが彼なりに励ましの言葉を送った。
「……そうだな。落ち込んで下を向いてばかりじゃ、見えるものも見えなくなっちまう。サンキュな、アラタ」
「うわっぷ! グラ姉ちゃんも俺を子供扱いするなよなー」
わしゃわしゃと頭を撫でられ、抗議の声を上げつつもアラタはグラの手を退けなかった。
(やっぱ、誰かが居てくれるのは、いいな。
……アメリア姉ちゃんも、早く気づくといいな)
アメリアの周りには、自分以上に心配してくれる人がいて、励ましてくれる人が居る。
帰ってきた時には元通りに出迎えてくれることを楽しみにしながら、グラは街に背を向け『Frag-Connect』開催跡地へ視線を向けた――。
■目次■
1ページ プロローグ・目次
2ページ 新生、フィフスシティ計画(1)
3ページ 新生、フィフスシティ計画(2)
4ページ 新生、フィフスシティ計画(3)
5ページ “あなた”のために、歌いましょう(1)
6ページ “あなた”のために、歌いましょう(2)
7ページ “あなた”のために、歌いましょう(3)
8ページ 新天地への橋頭堡を築こう(1)
9ページ 新天地への橋頭堡を築こう(2)
10ページ 新天地への橋頭堡を築こう(3)
11ページ “あなた”のために、歌いましょう(4)
12ページ “あなた”のために、歌いましょう(5)
13ページ “あなた”のために、歌いましょう(6)
14ページ エピローグ