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Frag-Connect~LINE.2『展開』~

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Frag-Connect~LINE.2『展開』~
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■作戦に必要な装甲車を組み立てよう!(3)

「作業お疲れさまです。差し入れを持ってきました、どうぞ」
「ああ、助かります。キリも良いですしここで休憩しましょう」
 アメリアから差し入れを受け取った小山田 小太郎が微笑んで礼を口にし、同じく作業に従事していたパートナーを
呼び戻しつつ労う。
「完成まで後少しですね。ザインさんが皆さんに感謝していました、これなら絶対グラと住民を守れるって」
 アイドルたちの強化案が採用され、数時間前とは大きく姿を変えつつある装甲車をアメリアと小太郎が見つめる。
「ステージ作成を通して、コツは掴みました。
 己ができる形で、作戦の成功を……グラさん達や作戦に当たる皆が無事に戻れるのを願い、創造するのみです」
 小太郎が装甲車のパーツに触れると、手のひらを通してオルガノレウムが循環する。曇りなき心で『そう在れ』と願うことで装甲がより堅く、強く、そして柔軟に攻撃を弾き、そらし、人々を守ってくれると信じて――。
「アメリアさん。『Frag-Connect』のこと、一個人として応援しています。
 その想いが、その夢が本当に成し遂げたいと思うのなら……迷わず、進んでください」
 真っ直ぐに見つめる視線の先、アメリアははい、と迷いの晴れた表情を見せて頷いた。
「いい顔をしていますね。今のアメリアさんにこのようなことを言うのは釈迦に説法かもしれませんが。
 大事なのは、その幻想――ユメ――を貫こうとする信念――イノチ――。それを見失わなければ、自ずと人はついてくるでしょう。
 始まりが何であろうといいのです。夢とは、そういうモノです。
 どうか、前を向いてお進みください」
「はい。ありがとうございます」
 丁寧に頭を下げて礼をしたアメリアが他のアイドルや住民たちへ差し入れを渡しに行くのを見送り、小太郎は差し入れを空にして作業を再開する――。

「……よし」
 堀田 小十郎が皆を守る、と思いを込めOCM2を装甲の形にして組み立てる。
「小十郎、ちっと協力してくれねぇか」
「ああ、今行く」
 顔を出した睡蓮寺 陽介に頷き、小十郎が合流する。
「この増加装甲に、オルガノレウムに反応して傾斜がつくようにしてみたんだ。エグズーダーもオルガノレウムからできてるわけだから、エグズーダーの接近に合わせて傾斜するようにすれば、突進してくるやつをいなせるって思ってな」
「そうだな、いい案だと思う。……で、私が呼ばれた理由は?」
「えっとね、十くんに実際に装甲が変形するかどうか、テストをしてほしいんだって」
 睡蓮寺 小夜の言葉に、小十郎がなるほど、と首を縦に振った。演武の要領で装甲に対しオルガノレウムを放ち、装甲が反応すれば成功、と説明が続く。
「もちろん、誤作動がないようにしっかりと作った、それは自信を持って言えるぜ。
 けど、これが今、辛い思いをしてるかもしれねぇ街の奴らを運んでくるんだ、万一のミスは許されねぇって思ってな」
 精一杯作ってやりたい、嘘はつきたくないという気持ちを陽介から感じ取った小十郎は、協力を約束する。
「私にできること。皆の無事を果たすために――」
 剣を抜き、念を込める。決して傷つけるための攻撃ではなく、陽介や小夜、そして自分の代わりに仲間を護って欲しいと託すための一撃を放つ。
「――ハッ!!」
 小十郎の身体をオルガノレウムが駆け巡り、剣に循環する。気合一閃、振り抜いた剣から波動が飛び、それに反応した装甲が形を変えて小十郎の剣戟を上方に弾く――イメージが実際に剣を振った小十郎、そして固唾を呑んで見守っていた陽介と小夜にも伝わった。
「へっ、自画自賛じゃねぇが、いい出来じゃねぇか。これなら安心して送り出せるぜ。ありがとな、小十郎」
「礼には及ばんよ。私が感じた攻撃を弾かれるイメージは本物だ、この装甲はしっかりと役目を果たしてくれる」
「ま、寝る間も惜しんで作った甲斐があるってもんだぜ」
「兄さん、無理はだめだよ。……じゃあ、最後はわたしが一曲――」
 小夜がマイクにオルガノレウムを循環させ、『ウタを通して、皆の心を支えたい』という強い信念を込めて解き放つ。放たれたオルガノレウムが小夜の背中に眩い光の翼を形作った。
(今、やれることをやる。……それがきっと、皆を助ける一助になるから――)
 もちろん、グラや街の住民が心配なのは確か。けれどそれはこの場にいる皆、同じ気持ち。

 きっと、大丈夫。
 明日になったらみんな笑顔で、ただいま、って言い合えるよ――


 小夜の歌が小十郎と陽介を、小太郎を、そしてザインや街の住民たちを癒やしていった――。


「厨房車の作成許可をアメリアさんにいただいてきました。皆さん、協力して頑張りましょう」
 ジル・コーネリアス八重崎 サクラと一緒に考えた、厨房を備えた厨房車の作成を始める。二人の呼びかけに応じたレイン・クリスティ高瀬 誠也二ノ宮 初花が作業を手伝い、基礎となる車体の組み立てが進んでいく。
「資材はこちらを使ってください。組み立てるのに十分な量があると思います」
「うん、これだけあればすごいものが作れそう! ねえ、見た人があっと驚くようなギミック仕込んでもいい?」
「炎がバッ、と広がるエフェクト出せますかね? 料理の合間に見せられたらいいと思うんです」
 レインの意見をサクラが具体的なものに練り上げ、実装していく。
「この区画を調理場としますから、お客に料理を提供するスペースを考えて……。
 そうですね、ここに任意に設置可能な壁を用意しましょう」
「ライブの時は解放して、調理の様子を見ることができるといいですね。もちろん、安全には最大限の配慮を行って、ですね」
 誠也が冷静、かつ的確に車内の配置を考え、ジルと実際の形にしていく。
「わたしもOCM、持ってきたの。使えるところ、あるかな」
「そうですね、ここは安定した性能のがほしいですから、お願いします」
「うん、わかった」
 初花が提供したOCMが車体に組み込まれ、そして厨房車のおおよその形が組み上がった。
「後は正面と側面に、いざという時に守れるだけの装甲を設置していきましょう。その前に作業続きでしたし、休憩しましょうか」
「あっ、今のタイミングならデモンストレーションできますよね? 協力してくれた皆さんも労いたいですし、いいですかね?」
 サクラが完成した厨房車の厨房設備を使用してのライブクッキングを提案し、ジルも同意しつつ調理に必要な器具を用意し始めた。
「さーて! 久しぶりの本格中華いってみよー!」
 笑顔を見せたサクラが作り始めたのは、蟹玉とも呼ばれるカニの身をほぐし入れた玉子焼き、芙蓉蟹。
「シイタケ、タケノコを切っていくよ! 見た目でも音でも楽しんでね!」
 タタタン、と軽快な音を響かせ、リズム良く材料を切り分けていく。ボウルに割った卵を入れて溶き、そこに先程切り分けた材料を注いで軽く混ぜ一旦置き、蟹玉といえばこれ、カニの処理に入る。
「すごいです、カニもあったんですよ。気持ちが高まっちゃいますよね」
 殻を割って中身を取り出し、適度にほぐした後にそれもボウルの中に入れる。調味料で味付けをしてうん、と頷いたサクラが餡の作成に取り掛かる。
「片栗粉、これで合ってますよね?」
「それです! これも無いかなって思っていましたけど、なんでも最近になって供給されるようになったみたいです」
 ジルから片栗粉を受け取り、水を入れて溶いて香味野菜を含ませ、完成した餡を脇に置く。
「火入れ開始! さーて、具合はどうでしょう?」
 作成に関わった皆が見守る中、サクラの手で火が入れられる。パッ、と点火したコンロに中華鍋が熱され、具合を確認したサクラが笑顔を見せた。
「いい感じです! では、ここから一気に行きましょう!」
 鍋に油を入れ、ボウルの中身を手早く注ぎ入れる。お玉で激しく、かつ魅せるようにかき混ぜ表面が形づくられたタイミングで鍋から取り出し皿に取り分ける。続けて餡を鍋に入れてとろみがついたところで皿にかければ、蟹玉の完成である。
「はい、どうぞ。召し上がれ♪」
 湯気を立てる熱々の蟹玉が、ジルとレイン、誠也、初花に振る舞われた。

「この世界はわたしの生まれた所、ディスカディアに似ているんです。
 プラントで作られた味気ない食べ物を食べて……ライブ位しか娯楽と言える娯楽もないような、そんな街でした」
 そう話すジルの表情は、なんとも形容しがたい色が含まれていた。しかしそれも一瞬のことで、サクラの調理した蟹玉を口に入れたジルはパッ、と顔を輝かせた。
「この世界のことも、他人事とは思えないんです。
 だから、わたしが他で吸収してきた事をここの皆さんの為に使えればなって思うんです」
「私の経験も活かせたらいいと思います! 皆さんのおかげでこんなに立派な厨房車ができました……あっ、まだ途中でしたね、すみません。
 食べ終わったらもうひと頑張り、完成させましょう!」
 サクラの言葉にジル、そして作業に協力する仲間たちが力強く頷いた。
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