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Frag-Connect~LINE.2『展開』~

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Frag-Connect~LINE.2『展開』~
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■作戦に必要な装甲車を組み立てよう!(1)

「こんばんは、アメリアさん」
「風華さん。皆さんも来てくださったのですね」
 令嬢の雰囲気をまとわせカーテシーを行った合歓季 風華らを、アメリア・ワイズが喜びと安堵の混じった表情を浮かべて出迎えた。
「お話は伺っています、グラさんのことは私達もとても心配しています。
 ぜひ私達の分のOCMも使っていただければと思います」
「ありがとうございます」
「大丈夫だ、みんなの力で必ずグラを助けよう。
 よし、装甲車の強化を始めようか」
 世良 潤也に続き、仲間たちが今も組み立て作業が続いている装甲車へと向かった――。

「見ての通り、車体の基礎は完成させることができた。今は装甲車がエグズーダーに襲われても逃げ切れるように強化を行おうとしているところだ」
 グラ救出作戦の指揮を執っているザインから現在の進捗状況を聞いた潤也は、強化案のひとつとして装甲車の外面に着脱式の増加装甲を取り付けるのを提案する。
「この七重の装甲なら、きっとみんなを守ってくれるはずだ」
 まず潤也が、OCM2を基に作り上げた赤色に発色する増加装甲を車体の側面に取り付ける。
 その下には天草 在迦が、空にかかる希望の架け橋となるよう思いを込めた橙色に発色する増加装甲。
 三段目、続けて四段目にはアリーチェ・ビブリオテカリオが作り上げた黄色に発色する増加装甲と、風華の手によってスピーカー機能を組み込まれた緑色に発色する増加装甲が取り付けられ、五段目に世良 延寿が水色に発色する増加装甲を自らの手で取り付ける。
 六段目には藍屋 あみか藍屋 むくが仲良く一緒に作り上げた藍色に発色する増加装甲、そしてトリを務める七段目にノーラ・レツェルが助けになるようにと思いを込め作り上げた紫色に発色する増加装甲が取り付けられた。
「おお、こいつはどっかで見たことがあるぞ。なんだっけな……。けど、増加装甲として効果があるってのは覚えてるぜ」
 上から虹色の順に並べられた増加装甲を見て、ザインが納得の表情を浮かべた。その様子を見た住民も潤也たちの強化案を受け入れ、話が進んでいく。
「うし、来たぜアリーチェ姐さん!」
「っ、誰が姐さんよっ! どう見たってあたしの方が年下じゃないの!」
 他の住民と共に現れたサロン・ブリッシュの声にずっこけたアリーチェが即座にツッコミを飛ばす。
「それはわかってっけど、だからってちゃん付けってのもおかしい気がしてな?」
「呼び捨てでいいわよ、もう」
「それもできねぇよ、姐さんがあの時手を差し出してくれたから俺たちはあの後ちゃんと反省して、こうして前を向けてんだ」
 サロンの言葉に周りの住民もそうだ、と言わんばかりに首を縦に振った。
「はは、いいんじゃないか? アリーチェがそれだけ慕われてるってことでさ」
「……あんた絶対、この状況楽しんでるでしょ!?
 はぁ……まぁいいわ、覚えてなさい、こき使ってあげるから」
 アリーチェがぷい、と背を向けてOCMを運び入れるべく歩き出す。
「あれはアリーチェの照れ隠しさ――いてっ」
 小声で告げ口をした潤也の頭を、降り注いだ星が打つ。頭をさすりながらよく聞いているな、と潤也が漏らした。

「増加装甲の分重量が増すのは確かだが、この範囲であれば既存のエンジンで賄えるはずだ。そうだな……オルガノレウムの循環量を20パーセント増大させればいけそうだ」
「わかったわ、ありがとね」
 エンジン周りを担当する住民からの見解を元に、アリーチェはエンジン部を通るOCMの本数を増やす。
「あたしも慣れてきたものね。……さあ、こんなものかしら?」
 作業を終え、循環を確認するべくアリーチェはオルガノレウムを通し始める。通し始めた箇所からエンジン部を通ってオルガノレウムが循環するのを確認して満足気に微笑み、手をかざす動きでエンジン部にオルガノレウムが充填するようにする。
「ん……はぁ、流石に疲れたわね。あら……?」
 伸びをして身体を弛緩させたアリーチェの鼻腔を、花の香りがくすぐった。
「アリーチェ、お疲れさまだよ!」
 振り返れば延寿がオルガノレウムを矢の形にして放って弾けさせ、安らぎをもたらす香りを提供した。
「ん、ありがと。でもあたしよりも、あいつらを労ってあげて」
 アリーチェが指差した先では、サロンと住民たちが指示された箇所に増加装甲を取り付けていた。一致団結して一生懸命に作業に取り組んでおり、頼もしい存在であると同時に無理をしがちである彼らを見るアリーチェの視線は、優しかった。
「うん、任せて!
 みんな、もうちょっとだよ! 元気出して頑張ろうね!」
 延寿が手を空に振り上げ、複数のオルガノレウムを放つ。そして降り注ぐ星に向けて矢を放ち、星と花のコラボレーションを降らせて住民たちを目でも楽しませた。
「はは、綺麗だなぁ。そういやあ花なんてしばらくまともに見てないなぁ」
「助かるぜ、これでもうひと踏ん張りできそうだ」
 住民が広げた手のひらに星と花びらが降り落ち、溶け込むように消えていく。活力を取り戻した住民たちの作業効率が目に見えて向上した。

「アメリアおねえさん、これ、おまもりにつかえないかな?」
 むくがアメリアに差し出したのは、グラが好きでよく見ていたアニメ『グルメディフェンサー』に登場する機体のひとつを模したおもちゃ、『シュガーアップ』。おもちゃではあるがOCMでできており、オルガノレウムを通すことで動かすこともできる。
「かっこいいし、ほら、むくでも動かせるから役に立つかもって」
「ええ、きっと役に立ってくれます。ありがとうございます」
 むくと目線を合わせ微笑んだアメリアがシュガーアップを受け取り、両手で大事そうに抱えた。
「アメリアさん。皆さんの何よりの目標はグラさんの救出ですが、私達はアメリアさんの悲願である『Frag-Connect』実行の意思を尊重し可能な限りの協力を行いたいと思います。ですがひとつだけ――グラさんのことです」
 風華の柔らかく、それでいて確かな意思を伝える仕草にアメリアが静かに頷いた。
「二人の間にあるわだかまり、憂いを残したままでは正否そのものに加え、住民にも影響は免れません。
 二人で話し合い等意思を確認しあい、互いに納得を得てから計画を進めるのでも決して、遅くはないかと」
「私も風華さんの意見に賛成です。もし計画がうまく行って大陸が繋がったとしても、その時に一番近くの姉妹の心が離れていったら悲しすぎると思います」
「僕もネムさんの案がアメリアさんにとって一番いいと思います。グラさんに助けられていることはアメリアさんがよく知っていることだと思いますから」
 あみかとむく、そして在迦が風華に続いて意見を口にした。それらを胸に手を当て受け止めたアメリアは何かを取り戻したような表情を浮かべて口を開く。
「ありがとうございます。……そうですね、今まで私とグラと二人で、やってきたのですよね」
 『Frag-Connect』については確かにアメリアが主となって進めてきたものだが、それはグラが他の、街を維持するために必要な仕事を引き受けていたからこそ為し得たものである。故に二人のどちらが欠けても『Frag-Connect』は成立しないのだ。
「もう一度しっかり、グラと話をします。そのためにはグラを、助けないといけませんね」
 力強さを取り戻したアメリアの言葉に、風華らは頷きを返した――。
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