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Frag-Connect~LINE.2『展開』~

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Frag-Connect~LINE.2『展開』~
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■グラ救出作戦――Mライン突破

 『Mライン』を順調に走破する『ウィッシュコネクト』に並走する三式空挺戦車プリマヴェーラ
「アメリアさん、元気そうでしたね」
「街の住民たちも頼もしそうに見ていたわね。とりあえず役目はひとつ、果たしたってわけね」
 搭乗員、今井 亜莉沙アニー・ミルミーンが出発直前の様子を振り返る。『プリマヴェーラ』の外観と装着された対空機銃に期待の眼差しを向けていたのが印象深かった。
「……まあ、実際は火力面はともかく、装甲はOCM強化してないからエグズーダーの攻撃には紙も同然なのでしょうけど」
「ええっ、そうなのですか!?」
 今聞きましたよと言いたげなアニーに亜莉沙が大丈夫、と親指をグッ、と上に立てながら言う。
「よくあるでしょう、「ここは俺たちに任せて先に行け!」と。何匹もの強敵を引きつけ奮戦する間に味方は目的地へ走り去る、そしてこう言うんです、「俺たちの希望は繋がった」と――」
「亜莉沙さん、すごくカッコいいのはわかりますけど、それは俗に言うフラグというやつではないでしょうか?」
 そんな会話を交わしていると周囲の景色が変わり、視界の前方に黒い影の集団が見えた。
「早速のお出ましね。アニーちゃん、奴らが来るわ。
 あたしたちで引き付けるわよ、できるだけ多く、できるだけ遠くに!」
「は、はい! 頑張ります!」
 事前に打ち合わせた通り、操縦を亜莉沙が担当し、アニーは上部のハッチを開けて身を乗り出し、振り落とされないようにしながらOCMをエレキギターの形に造成した芸器を演奏する。

 影が世界を覆い 街が切り離されても
 この旋律がきっと 皆を一つに繋げる

 闇が大地から滲み 形なし襲って来ても
 この輝きがきっと 皆を照らしてくれる


 アニーの歌が周囲に響き、進軍を続けていた黒い影の集団に変化が生じた。
「進軍速度の低下を確認! いいわ、装甲車今のうちに先へ!」
 亜莉沙の言葉を聞き届けたように、『ウィッシュコネクト』はプラントへ向けて飛ばしていく。発見した黒い影の集団とは十分な距離が開き、そうそう追いつかれることは無いだろう。
「このままライブを続けて、彼らには観客になり続けてもらいましょう!」
 亜莉沙の操縦で『プリマヴェーラ』は装甲車と黒い影の集団の中間地点に移動し、そこで一旦停止する。アニーのライブが続いている間は黒い影の集団も大人しくしている――していればよかったのだが、ファンにもいろんな性格の者がいるように、一部の厄介ファン――よりによってエグズーダー【S】――が突撃を行ってきた。
「あーっお客様! お客様困りますーーー!!」

『!!!!』

 突撃を受けた『プリマヴェーラ』が爆散し、亜莉沙とアニーは車外へ吹き飛ばされてしまった――。


「来たな、エグズーダー! 装甲車はやらせない、俺が道を開く!」
 『ウィッシュコネクト』の進路を貫くように接近するエグズーダーの集団へ、電動バイクボルテックスピナーを駆る本道寺 健が迎撃行動に出る。ボルテックスピナーの先端部、OCMで組み立てた筒状のパーツが開いてオルガノレウムの光が収束し、カラフルでサイケデリックな閃光がエグズーダーの集団を貫いた。さらに二発目はレーザーに加え周囲に色とりどりの花火が咲き乱れ、エグズーダーの注意をこれ以上なく引き付けることができた。
「よし、こっちだ! 俺を捕まえてみせろ!」
 エグズーダーの集団が向きを変え、健とボルテックスピナーを飲み込もうと迫る。三種類の異なるエグズーダーのうち【W】はボルテックスピナーより走る速度が遅いため追いつかれる心配は無いものの、引き離してしまえばせっかく引き付けた意味が無くなってしまう。よって速度を調整して走る必要があったが、そうなると【S】に食いつかれる危険性が出てくる。
「来たか……!」
 サイドミラーに陸上を泳ぐ【S】の姿を捉え、健が気を引き締める。できればこのエグズーダーだけは引き付けた上で撃破したい。万が一戻って装甲車に食いつかれれば装甲車が持たない。
(チャンスは一度きり……決めるんだ、エクスファイター!!)
 自身を鼓舞し、ボルテックスピナーの速度をさらに上げる。見えてきたのは数メートル程度の段差、健は斜面側にハンドルを切って登れるようにする。【S】がその後を、徐々に距離を詰めながら迫ってくる。
「うおおおおおお!!」
 健の声に呼応してボルテックスピナーが唸りを上げ、斜面を登る。そして空中に飛び上がる直前、ボルテックスピナーの後部に取り付けていたOCMを射出する。

『!!!!』

 【S】を巻き込んでOCMが弾け、ダメージを受けた【S】はひっくり返るようにして地面に叩きつけられた。【W】や【B】であれば起き上がったかもしれないが【S】はそのまま起き上がることなく地面に染み込むように消えていった。


「わぉ。あれはちょっちヤバいんじゃないかなーって。
 ま、もういっこエグズーダーの集団来ちゃってるし。最悪帰りに拾ってもらうとか、仲間に乗せてもらうとかすればいいっしょ」
 後方で生じた二箇所の戦闘光景を目の当たりにしたシレーネ・アーカムハイトが、乗り物を破壊されてしまった仲間の救援プラス、少数ではあるがエグズーダーの集団の引き剥がしに向かう。
「それじゃ、ライブスタート!」
 空中に飛び上がり、くるりと回転しながらカラフルな閃光をエグズーダーの集団の周囲に駆け巡るようにして放つ。閃光が自分に返ってくるように、そう、まるでリードでペットを引っ張るように操ることでエグズーダーをその場に留めるだけでなく自分の方向に引き付けることに成功した。
「んー、居るのは【W】と【B】だけかな~? だったら相手の動きをよく見て対処していこうね」
 いち早く自分の元へ駆け込んできた【W】をオルガノレウムを循環させた木刀のようなOCMを振るって迎撃してから、後続の【W】が自分を取り囲む前に遠くに飛んで離脱する。この時にぷすぷす、と煙を吐いている乗り物の付近にエグズーダーが向かわないよう、仲間のフォローにも期待しつつ、飛ぶ方向を調整する。
「空を飛んでる子には、ほら、こっちだよ」
 上空を羽ばたいている【B】に閃光を放つことで、注意を自身に向ける。この時点では撃破された乗り物に搭乗していた仲間はまだ見つかっていないようだが、【B】が彼らを見つけて標的を変えないとも限らない。
(ここを切り抜けて、仲間を癒やしてあげないとね)
 口を開けて迫る【W】とすれ違いざま、ブレードで切り払ったシレーネが息を吐き、次の敵に対処する――。
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