■プロローグ■
――カディヤックヒル、コロシアム、ドーム球場前
リベリカ・トゥーバはセイヴァーと共にドーム球場前に居た。
既に
『SisterSⅫ』のコンサートは始まっており、『SisterSⅫ』の歌とファンの声援が聞こえてくる。
『どうして、あたしを応援してくれるんですか?』
『正直なところ、君は歌もダンスも演技もそこそこだと思うよ』
『は、はっきり言いますね……確かにそうですけど……』
『だがそれは、まだまだ粗削りであり、磨けば光るということでもある。それに』
『それに?』
『君の歌を聞いていると、不思議とやる気と元気をもらえるんだよ。こう見えても私はしがない漫画家でね』
(知ってます。というか、おじさまを知らない人はこのカディヤックヒルに居ないですよ、多分)
『何度か原稿を落としそうになったことがあったんだけど、そのたびに君の歌で良いやる気をもらえたんだ。君の歌には人を元気づける力がある。だから私は、もっと君の歌をいろんな人に聞いてもらいたいんだ』
不意に、握手会で初めて長官の
光牙 影路郎と話をした時のことを思い出した。
影路郎の言うことは自覚していたが、不思議とカチンとは来なかった。それ以上に、カディヤックヒルで知らない者はいない著名人に元気をあげている、という言葉が、リベリカにとって大きな支えと励みになっていた。
だからこそ、今までやってこられたのである。
「おじさまが……長官が、あたしの歌にそんな力があると言ってくれるなら、あたしはそれを信じて突き進むよ」
既にフィーカとキシルといった、苦楽を共にした『カフェ・au・lait★time24』のメンバーはいない。
しかし、代わりにヴィランからこのカディヤックヒルを取り戻すために共に戦う仲間――セイヴァー――がいてくれる。
リベリカは“ブレイブコンバーター”を起動させて変身すると、セイヴァーたちと頷き合い、ドーム球場の中へと駆けていくのだった。
■目次■
プロローグ・目次
【1】観客/警備員を鎮める
■1-1.仲間のために
■1-2.伝えたい想い
■1-3.想いを信じて
【2】『SisterSⅫ』と戦う
・高速機動戦
・魅了の歌
・装甲破砕
・模倣の力
・想いよ届け
・カーテンコール1
・カーテンコール2
・リトルフルール
【3】解凍装置を手に入れる
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【2】
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【7】
エピローグ