■プロローグ■
「おじいちゃん、その本なあに?」
「おお、これかい。“魔法の本”じゃよ。お前にはまだ、少し難しいじゃろう」
おじいちゃんは物知りな人だった。
たくさんの本を持っていて、分からないことを聞けば教えてくれた。
でも、それだけじゃ我慢できなくなって、自分から本を読むようになった。
「どうしたんじゃ? ほう、もう全部読み終わったと。 どうじゃった?」
「うーん、よくわかんなかった。でも……」
何となくこうなんじゃないか、と思ったことを伝えたら驚いていた。
「……お前には才能がある。
じゃが、知識や技術だけが優れているだけではいかん。
識しりなさい。人を、世界を」
おじいちゃんはどこか寂しそうな顔をしていた。
すぐにいつもの優しい顔に戻ったけど、ぽつりとこう言ったのが聞こえた。
「ニコル……お前はわしのような過ちを犯さんでくれよ」
今はもう、おじいちゃんはいない。
でもある日、おじいちゃんの知り合いだって人が現れた。
「あなたを迎えに来ました。ニコルさん」
一緒にこの世界を変えよう、と。
一冊の本を見せながら。
■目次■
プロローグ・目次
【1】『グラン・ギニョール』を終わらせる
グラン・ギニョール
肉の苦しみ
狂気の座長
救済と希望(変性に伴う痛みに対する)
地獄外縁
破壊
【2】ニコルと勝負する
ゲームスタート
最初の障害 Aルート
最初の障害 Bルート
白饅頭(命名:明智 彰子)
最大の難所
最後の道
道化師
ガイア式アクロバット
イカロス
最後に笑うのは
【3】抗争を止める
子どもの遊び場
鬼ごっこ その1
鬼ごっこ その2
【4】孤児院の秘密を掴む
くず鉄通りの孤児院
庭に響く風の音色
地下に眠るもの
震える大地の拳
グレコ院長の謎
閃光の剣
グレコ院長の正体
エピローグ