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巌からの挑戦状!

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巌からの挑戦状!
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風の術者


「六禁の鎧衣の術者を倒さないとあの鎧衣は剥がせない……妖怪さんたちを助けるためにも鎧衣を剥がせる状態にしないとね!」
「どこに風の術者はいるかなー?」

 夢風 小ノ葉の妖幼の風向で霊力の持ち主を探していく。
 それについていくのは迅雷 火夜
 妖幼の風向では風の術者という特定のマガカミを見つけることは難しいが、無作為に探し回るよりはよっぽど有効な手立てだろう。
 一番に駆け付けることを目標にしなければ、霊力の集まる場所が多いところを目指して移動していけば目的の術者にたどり着くことはできる。
 時々小ノ葉は大体の方向にアタリをつけると四季符・春を掲げ風の流れを見ていく。
 風が吹いている向きを確かめ、風の吹く方向へ歩みを進める。
 火夜にはそのような術はもっていないので、三井流派のプライドとして目を閉じ冷静に風を見極めようとした。

「風の流れ……火夜ちゃん三井流だもん……風の流れくらい読めなきゃ……」

 そして小ノ葉と火夜が目指すまさにその場所では、ヨビ・オットーネが隠蓑笠をかぶって姿を隠すと空中戦闘で飛び上がり八乙女舞を踊りだしていた。
 輝麗錫杖に霊力を込め散布させた霧の中、その霧を吹き飛ばそうと風の術者は突風を吹き荒らす。
 その姿は少年のよう。
 薄緑の髪をした少年は手に風を集めていく。
 風を操るのに背丈も筋肉も必要ないものらしい。
 必要なのは風に霊力を馴染ませ操れる力だけ。
 前髪が長く目の前を覆っていても舞い上がらないのにはなにか秘密があるのだろうか。

「あら、ばれてもうた? 嫌やわぁ、怖いわぁ……こんなか弱いウチにかまけてて、ええの?」

 ヨビの居場所など術者にはお見通しのようで寸分の狂いなく腕を振るってカマイタチを飛ばしてくる。
 空走下駄でカマイタチを避けていくヨビ。
 そんなヨビを捕らえようと術者は跳躍し、拳に風を纏った突きを繰り出した。

「怖いことしてはりますなぁ……成敗、成敗っと」

 古杣を叩きつけるが、術者の周りには常に風が吹きすさび古杣の空気砲を飲み込み届かない。
 風の推進力で人並み以上の高さに飛び上がった術者の突きは、空走下駄で回避してもなお風の刃がヨビのドゥブリョンカを切り裂いた。
 それだけでは終わらず蹴り上げるとそこからもカマイタチが発生する。

「おやまぁ……これは厄介ですなぁ。ロウレスはん、ちゃんと気張りや~♪」

 上空にいても安全圏ではない。
 飛行手段はないようだが、それを補うように人並み以上の跳躍力を保有しているようだ。
 纏っている風が遠距離攻撃を無効化する以上、ヨビに攻撃手段はない。
 ロウレス・ストレガに霊分をし、エールを送ると共に八乙女舞を踊るのがせいぜい。
 彼女に攻撃がこれ以上向かないよう、ロウレスはネメアの守護を展開。
 風を圧縮した弾丸をヨビの前に入り込んだロウレスが無効化してみせた。

「風の脅威には風にて迎え撃つ……というやつだな」
「ロウレスはん、助かりましたわ~」
「気をつけていけ、ヨビ」

 ネメアの守護はゾディアックシリーズ固有の技だが、血刀士であるロウレスならばこの世界に噛み合った守りとなる。
 遠距離を無効化する力は異世界の力であっても驚異的である。
 自らの強みの遠距離攻撃を潰された術者は接近戦をするしかない。
 その顔に焦りも苛立ちも乗せずに、ただ有効な手立てを選びそれを繰り出すだけのようだ。
 ただの消去法的な選び方で接近戦に切り替えた術者は、ロウレスに風を纏った拳で手刀を繰り出すが草薙 コロナが割り込み三井流壱ノ型・木枯を纏った地噛で受け止め離環した。

「遠距離攻撃を潰してもらえるのなら、わたしたちにも戦える手段が増えるのです。助太刀するですよ!」

 受け流しから陰陽進退で居合切り。
 居合切り主体の血刀士かと思えば柄打ちで距離間を見誤らせようとするが、どれも纏っている風が壁の役割をして地噛が本体に届かない。
 風の弾丸やカマイタチを離環し、それでもコロナは攻撃を止めない。
 蹴り上げから発生するカマイタチなど、ロウレスが一部の遠距離攻撃を潰した状況は有利なはずなのに風の壁が攻撃を通さない。
 それだって大切な情報源。
 草薙 大和が風の術者を攻略するためのピースである。

「その風、もっと詳しく調べさせてもらうぞ」

 大和も情報を集めるために三井流弐ノ型・回風で切り払うことで風に対してどれだけ干渉できるか調べていく。
 風の高速弾丸やカマイタチなどは吸収できる。
 つまり術者の手から離れた風は干渉可能だということ。
 ならば、その集める風そのものを先に取り込んでしまえば、術者は攻撃手段を失うのではないか。
 その予想の下自然にそよぐ風を取り込んでいく。
 だが、術者は自ら風を生み出せるのか、集める風に変化はない。
 要約すれば、大和に干渉できるのはあくまでも攻撃後の風を後出しで吸収できるといいうこと。

 あと知りたいのはやはり術者が纏う風の守りを三井流弐ノ型・回風で吸収できるかだ。
 試してみたいが攻撃を捌くのでやっとのこの状態では攻撃を掻い潜り風の壁に干渉するのは難しい。
 コロナも頑張って攻撃のバリエーションを探ってくれているが、今はまだ攻略の一手は見えていない。

「なかなかに厄介な相手だな。六禁の鎧衣はこれ以上の代物だろう……あらゆる攻撃を無効化する禁呪とは。攻略しがいのある代物ではあるが、まずは目の前に集中せねば」
「きっとなにか打つ手があるはずです! わたしたちの手で打ち破ってみせるですよ!」
「そうだな。僕たちなら、きっとできる!」

 気合を入れなおした大和とコロナに容赦なく風の弾丸が放たれる。
 遠距離攻撃を無効化するロウレスを相手にするよりも倒しやすいふたりに狙いを切り替えたようだ。
 だが、その思惑は【桔梗兄妹】という増援に阻まれる。

「風も水も同じく流れるモノ。シア、僕たちの相乗効果を見せてあげよう!」

 戒・クレイルが四季符・秋【四季符・秋】で発生させた土砂に三井流弐ノ型・回風を纏わせ壁を作り出すと、大和とコロナに向かって放たれた風の弾は土砂の壁にぶつかり霊力の塊である風の弾を吸収。
 憑清の御守を身に着けたシア・クロイツも仁科流弐ノ型・水輪で霊力の流れに干渉し、分散させた。
 大和とコロナに狙いを向け、【桔梗兄妹】に阻まれたこの一瞬。
 ロウレスの存在は通常よりも希薄となっていたことだろう。
 黒時雨に三井流弐ノ型・回風を纏わせ斬りつける。
 当然風の壁が術者を守るが、三井流弐ノ型・回風は風に干渉できる。
 守りの風を吸収し、本体が無防備になったところに黒時雨の力を解放し視界を奪いにかかった。
 視界を黒く染められた術者だが、その一撃は無意味だった。
 隠蓑笠で身を隠していたヨビすらも見つけ出す探査能力でロウレスに迫る。
 割り込むように戒の土砂がせり上がりロウレスの姿を隠すと、ロウレスは影分身を生み出し影分身の方に散音羽織【淡鈴羽織】を着せて挟撃指示を出す。
 本体は霊断し機巧霊時計で加速し術者に迫っていく。
 影分身が着込んだ散音羽織の鈴の音とヨビの古杣で音による攪乱をするが、視界に捉われない探査能力で本物のロウレスを見抜きゼロ距離からの風の弾をぶつけてきた。

「チィッ」

 ネメアの守護であろうと、遠距離攻撃を近距離からぶつけられれば無効化はできない。
 それでも今ならば守りの風は存在しない。
 三井流弐ノ型・回風を纏った黒時雨で無防備な身体を貫こうとしたが、その刃が通らない。
 今度の守りは真空の壁であった。
 吸収できるような風が存在しない守りでは風に干渉する三井流弐ノ型・回風が有利に働かない。
 奥の手ともとれる技を出してきたというのに、術者の表情は変わらない。
 目を隠しているからとも言えるが、そうだとしても口角すら真一文字では感情が分からない。
 無という状態はそれだけで次の一手が読みにくくなるのだ。

「突撃~!」

 大和もコロナもロウレスも出方を窺い、攻略の一手を探っていく中、空気を読まずに風の術者を見つけた火夜が三井流弐ノ型・回風による疎速で黒時雨を斬りつけた。
 だが、真空の壁はやはり打ち破れない。

「うっそ~風が剥がれない! というかこれ真空? 息できているの??」
「気にするところはそこですか?」
「いいもんいいもん! まだまだ火夜ちゃんの攻撃は続くんだもん!」

 思わずコロナが突っ込むが、気にした様子もない火夜は三井流弐ノ型・回風による疎速で何度も斬りつける。
 それでも真空の壁は乱れもしない。

「いっくよー! 空気砲だー! 受け止められるかなー!?」

 火夜にばかり目が行っていたが上空に空蹴で跳び上がった小ノ葉が上から四季符・春で嵐龍を撃ちおろす。
 集約した風による外部から干渉に真空状態は弱い。
 加えられた風によって真空の壁に綻びが生じたことは制霊圏をもつ戒にも感じ取れた。
 打って出るなら今が好機!
 戒は横から嵐龍を放つ。
 上空からと真横からの嵐で真空の壁に空気が混ざり、壁が消えたところをシアが急急如律令で加速させた束雷の印で拘束。
 動きを封じられた術者に火夜が焔獄で斬りつける。
 大和が三井流弐ノ型・回風で最後の抵抗に放ったカマイタチを先の先で吸収しながら懐に飛び込み、コロナの地噛で引き寄せてもらったことによる軸をずらした千裂を叩き込む。

「……戒兄いっちゃえですー」
「さあ、風よ……嵐となり全てを吹き飛ばし、疾風となりを切り裂け―!」

 昇力の秘薬で霊力を限界まで引き出した戒が三井流弐ノ型・回風を纏った蒼風迅【蘭乃迅】で斬鉄。
 苦し紛れに纏った風の壁も三井流弐ノ型・回風で吸収し、風の乱れを抉じ開けるような螺旋の風を纏わせた蒼風迅が術者の胴に突き刺さると風の刃が突き抜けていった。

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