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巌からの挑戦状!

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巌からの挑戦状!
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火の術者


 地の術者、水の術者と戦闘が始まる中、火の術者を求め探す者は数少ない。
 探査ができる者がいない中、ひとり熱意を高める松永 焔子

「炎を操るマガカミ……おもしろい。一織流の先達、朱美様に私の剛の一織流を見て頂くいい機会ですわね。同じ戦場になるとは限りませんが、同門として恥ずかしくない立ち回りを心がけますわ!」

 焔子の気合は十分。
 朱美の相性的に火の術者を狙う確率は低いが、もし共に戦えるのならばこれまでに培ってきた技術を披露する絶好の機会だ。
 S.A.Aでサイズアップし血刀士のスペックを上昇させた焔子が走る先ではクラリス・デリウスが霊気ブランをを飲み霊力を活性化させていた。

「貴方……火の術者を狙いになって?」
「そうですが……もしかして、あなたも?」
「そうですわ。紫垣流派とみましたが、合っていて? 私は一織流ですわ」
「合ってますよ。お互い、見た目相応の流派のようですね。……勝機はあるのですか」
「もちろん。私は剛の一織流……たとえ仕留めきれずとも時間稼ぎならばできますわ」
「それはありがたい。自分だけでは拳を当てることは難しいと思っていたんです」

 焔子の助太刀はクラリスにとってありがたいことである。
 最大火力の一撃を与えるには隙を突かなければならない。
 クラリスひとりではその隙を作ることも難しかった。
 戦いを始める前に打ち合わせができたことが幸いした。
 立ち位置や行動方針を簡単に決めると、前方に印を組むフードを被った人物がいることを目視。
 視線を交わしあうとまずは焔子が黒時雨を上段に構え、霊子噴進靴で加速して突撃していく。
 即座に反応を返した火の術者は上空から火の雨を降らせ、焔子に向けて火の弾を発射する。
 フードから覗いたその皮膚は焼けただれケロイド状になっていた。
 片方の目が白く濁り失明していることが分かるが、それで不利になるようなマガカミではないようだ。

 紅眼で反応速度を高め紙一重で避けようとするが、火の雨を潜り抜けられても追尾する火の弾からは逃げられない。
 無数の火の雨、火の弾を撃ちだす術者の霊力は豊富にあるのか、消耗した様子は見えない。
 それどころか焔子に集中放射される今の状況は非常に危険な状態である。
 追尾する火の弾を薙一閃でかき消すのがせいぜい。
 黒時雨を解放し視力を奪っても結果は変わらない。
 ピット機関やサーモグラフィ的な感知能力もあるのだろうか。
 狙いがずれることなく焔子に牙をむく。

 舞い上がる炎によって生じた風でいつしかフードが脱げ、表情をうかがい知ることができた。
 その表情は無。
 まだ明確な意思が確立されたのではないようだ。
 それでいてこの明確な攻撃の意思。
 言葉を発せられる前の段階でこの脅威。
 自由な意思を抱くようになる前に打って出れたことが少しもの幸いか。
 焔子にとっては少しも幸いなことではないが。

「(これは……マズイ状況ですわ……ですが、ここで手を打たずになにが修祓隊だと言いますか!)我が刀に宿りし炎の心、穢れた炎など何するものぞ!」

 影分身をデコイに霊子噴進靴で跳躍。
 祓行灯の力を解放して霊力を増幅すると一織流壱ノ型・炎心から薙一閃に繋げ、跳躍の勢いのままにS.A.Aの重量を黒時雨の刃に乗せるよう大きく振りかぶる。
 その一撃は確かに強力だった。
 だが、それはあくまでも一織流の中でのみ。
 紫垣流で強化した一撃にはたどり着けない。
 一撃で叩き潰せなかったこの一撃で火の術者は分裂してしまう。

「そんな……!?」

 分裂した火の術者は瓜二つの姿をしている。
 手を前に伸ばし炎を集め始めたのを見て、焔子は血の気が引いた。
 自分の力では術者を仕留めきれない。
 それどころか数を増やす結果にしかならない。
 安易に攻撃を繰り出しては自分たちの首を絞める結果になってしまう。
 逃げるにしても追尾する火の弾は1体の時でも辛かったのだ。
 それが倍になって繰り出されれば……。
 恐れと恐怖にすくんだその一瞬を術者は見逃さない。

「誰も殺させはしません」

 今まで潜んでいたクラリスが機巧霊時計で加速し焔子を抱えて火の弾を避けた。

「ここからは自分も前に出ましょう」

 本来の作戦ならば、あの一撃に怯んだ術者へクラリスが金砕拳を叩き込む流れだったが、そうは言っていられない。
 数が増えてしまった術者をまずは減らさなければ。
 潜能解放したクラリスはまだ時間が残っている機巧霊時計で加速すると破蓋を仕掛けた。
 背負い込みの態勢に入るが、術者は火を纏い身体を燃え上がらせ抵抗。
 高温の身体に掴む手が火傷するが、それでもしっかりと掴んだクラリスは背負い投げ、金砕拳を叩き込む。
 だが、その一撃で術者は再度分裂。
 紫垣流の一撃であろうと力が足りなければ分裂してしまう。

「この一撃でも分裂してしまうのですか……!?」

 有効打になり得る金砕拳であったがそれでもまだ十分ではないらしい。
 もうひとつの手としては紫垣流弐ノ型・鉄砕もあるが、それとてクラリスひとりの力で一撃死に持っていけるか怪しくなってきた。
 オーバーキルできなければ火の術者は分裂してしまう。
 ここに来て手数が足りないことが不利となる。
 クラリスの一撃は身体への負担も大きい。
 その上機巧霊時計の時間も限りがある。
 増援を待つにしてもクラリスの霊気ブランも副産物で回復できるだけで純正の回復手段ではない。
 回復手段なしで一撃必殺の手数も足りないこの状況は非常事態もいいところだ。
 3体に増えた火の術者は六禁の鎧衣の術を送り込む態勢に戻ってしまう。
 それだけ有利な状況だと理解しているかのようだった。

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