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巌からの挑戦状!

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巌からの挑戦状!
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〈叩ク者(4)〉


「よもや、これ程とはな……烏合の衆も時として厄介なもんだぜ」
 四つ腕ならぬ「三つ腕」となった巌は、時折苦痛に眉間を歪めながら隊士たちを睨め回す。
 その双眸が鴨 柚子を捉えた。
 柚子は下駄の力を借りて軽く中に浮くと、睦美流の型で動きの音を消す。
 霊力干渉で存在を希薄にしても様々な手段で相手の位置を悟れる巌には殆ど通用しないが、柚子にはむしろその方が「目的」には沿っているのかもしれない。
「行くよ、希一……。皆を生かし……活かせるように!」
「ああ……行こう、柚子。奴を止めよう」
 鴨 希一とは、視線を合わせずとも交わした言葉で互いの想いが同じ方を向いていると分かる。
 柚子にはそれが何より心強く、一歩を踏み出す力にもなった。
 空中を踏みしめるかのように走り出した柚子に、巌の衝撃波が飛ぶ。
 柚子は反射的に傘を広げて盾にした。
 耐久性に優れた傘布は衝撃波を受け止めたが、一撃で損傷している。
 恐らく「次」はない。
 ならば接近戦で撹乱するまでと、柚子は巌との距離を詰めようとする。
 それを援護するのは希一だ。
(「皆を生かし……活かせるように」か。柚子、君の思いを叶えるために、僕も頑張らないとね)
 希一は霊力で足場を形成し空中を駆けて巌に接近した。
「てめぇらから俺の間合いに入り込んでくるとは、笑止千万だぜ」
 巌は斜め前方に素早く一歩踏み込み、希一の鳩尾に拳を繰り出し、別の腕で柚子のこめかみに肘鉄を入れようとする。
 希一は結界術式向きの霊符を素早く取り出し、反射の術式を刻んで放った。
 あまりに強烈な拳をはね返す事は叶わなかったが、希一はどうにかこの一撃を凌ぎ、今度は空気中に霊力を伝播させて力の通り道を作ると、小さな円形の霊符に光の術式を刻んで投げ打つ。
 霊符の破裂によって浄化の拡散させる事で、鎧衣のない今の巌ならば多少は牽制出来る。
 その間に柚子は足元で霊子を噴射させて加速すると、アクロバティックな動きで肘鉄を躱し、仕込み傘の刀を抜いた。
「遅いぜ!」
 巌は柚子の動きを見切り、流れるような動きで避ける。
 切っ先が掠りさえすればそこから猛毒を流し込める睦美の一手を繰り出そうとしていたが、今の巌はこれまで以上に毒攻撃を警戒しているのか、刃を受けないように立ち回っていた。
 打つ手なしの状況に見えた柚子だが、
(冷静に……そう、落ち着いて、周りを見て……)
 と、戦場に目を配り機を窺う。
 そして、巌に仕掛けるタイミングを狙い動き出している隊士を見つけ、今こそその時と自身の分身を生み出し巌の左前方から攻めさせると、柚子は反対方向から巌に刀を振るった。
 更に、希一も再び光の術式を霊符で拡散させて巌の妨害に出る。
(殺生石になって堪え忍ぶ長の方にこれ以上辛い思いをさせるわけにはいかない……! 私が……ううん、私たちがチャンスメーカーになる!)
「この……っ、外道!」
「うるせぇ!」
 巌は分身を素手で払い飛ばし、柚子には蹴りを入れようとする……が。
「んなっ!?」
 巌の視界の端に、桐ケ谷 彩斗の姿が入った。
 彩斗は体内の血を浄めた状態で柚子たちの動きに乗じて巌に突っ込む。
 巌は、分身、柚子、希一さらに彩斗を同時に相手取っているこの状況に流石に焦りを感じ、判断能力も一瞬鈍る。
 彩斗の存在に気付き僅かに蹴撃速度の落ちた巌の足に、柚子の刀が掠った。
「くそっ!」
 流れ込む猛毒に霊力を掻き乱され巌はよろめくが、傷を負った足で力任せに柚子を蹴飛ばし、三つ腕から希一と彩斗に衝撃波を出して距離を取る。

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