クリエイティブRPG

巌からの挑戦状!

リアクション公開中!

 0

巌からの挑戦状!
リアクション
First Prev  14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 | 24  Next Last


〈食ラヒ付ク者(8)〉


 絶対的な強さを見せる巌だったが、その注意は妖怪よりも隊士たちに向いていた。
「俺は殺生なんか好きじゃない……だからお前のやってる事は絶対に許せないし、お前のような奴は殺生の論外だ!」
 時雨が巌への攻撃を続ける合間に、潤也は怒りを込めて高威力の抜刀術を放つ。
 水の力を持つ妖刀ではやはり鎧衣を纏う巌には傷ひとつ付けられないが、潤也とてそれは重々承知だ。
 それでも、次に繋がる一手にはなる。
 潤也の攻撃に続き、すぐさまアリーチェがまたも霊力吸収の符を投げつけ、さらにエリシアが仕掛けた。
 こうして何人もの隊士たちが巌を引き付けている間に、舞花・陽太・ノーンが巌の三方から迫る。
 そして、
「今です、お願いします」
 という舞花の合図で、彼女と共に陽太とノーンが地面に手を付き土壁を出現させた。
 攻撃に回っていたエリシアも一歩後れて残り一方を土壁で塞ぎ、これで巌の四方を完全に取り囲む。
「今のうちに逃げて下さい」
 舞花の凛とした声が妖怪たちの避難を促したが、巌は土壁など瓦の一枚に等しいとばかりに拳ひとつで粉砕した。
 それでも土壁は四つ、巌が全ての腕を使っても一瞬の間は稼げる。

 すると、土煙の中に
「一織流奥伝・砂原秋良……推して参ります」
 と砂原 秋良が飛び込む。
 秋良は細刃を纏った妖刀を巌に向けて振り、広範囲にそれを拡散させた。
 次に、もうひと振りして今度は妖刀から影の刃を飛ばし巌の視力を奪おうとする。
 鎧衣を纏う巌は不敵な笑みを浮かべろくに細刃を避けずに秋良との距離を詰めた。
 巌の体に当たった細刃は小爆発を起こしたが、彼はそれすら意に介さず、影の刃を紙一重で躱し秋良に衝撃波を入れる。
 秋良は靴の霊子噴射で辛うじて衝撃波の軌道から逃れ、再び細刃を飛ばした。
「そんなもんは今の俺に効かねぇって、てめぇは分かっちゃねぇのか?」
 嘲笑う巌に、秋良は妖刀を振るいながら淡々と返す。
「分かってはいるつもりですよ……でもね? 私はあなたほど楽には生きられないのですよ」
「ククッ、ガハハハッ! ああ、楽だぜ? てめぇらごときを殴り倒すのは至極簡単よ!」
 巌はいかつい指をぴんと伸ばし秋良に怒濤の突きを繰り出した。
 秋良は円の動きで立ち回り、妖刀で可能な限り巌の指突を受け流すが、当然全てを捌ききる事は出来ず鋭い痛みと共に後方に吹き飛ぶ。
 だが、秋良はまだ食らい付く事を諦めてはいなかった。
「効かず届かずは……諦める理由にはなりませんから」
「往生際が悪ぃのはみっともねぇぜ? それともあれか? てめぇも俺にまっとうな道でも説いて満足してぇタチか?」
 嘆息する巌に、秋良は静かにしかし毅然と答える。
「……いいえ。目的のためなら手段を選ばない、弱肉強食を掲げる……それは人として普通の選択だと私は思います。何せ人の心は悪に傾きやすい……本能であれ衝動であれ、赴くままに流される方が楽に気持ちよく生きられますから。あなたもそうなのでしょう?」
「ケッ、つまらねぇご高説を垂れやがって。まさかそんなもんで俺の心が動くなんて甘っちょろい事を考えてんじゃねぇだろうな? ガハハハッ、そうだとすりゃとんだ誤算だぜ?」
「構いませんよ、これは私の問題ですから。今まで色んな人からもらった想いが、あなたのように楽に生きる事を私に許さないんです。それに、私自身も、誰かへの優しい想いが堕落したつまらないモノに壊されていくのを見ていると……」
 秋良はもう一度妖刀を振るった。
「……とても気分が悪くなるんです」

First Prev  14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 | 24  Next Last