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巌からの挑戦状!

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〈食ラヒ付ク者(4)〉


 大和たちを地に沈めてさぞ余裕を見せつけるかと思いきや、巌には油断の色が一切ない。
「ちっ、忌々しい連中のせいで余計な奴らが動いてやがるぜ」
 大和らが決死で稼いだ時間は、他の隊士たちに動くチャンスを作っていたのだ。
 世良 潤也が刀を抜き巌の周囲で地面を斬り付け、巌の行動を阻害しようと打って出る。
「下種め……お前に殺された妖怪の無念、思い知らせてやる!」
 下駄の力で地面から浮いた状態で走り回る潤也を視界の端に捉えながら、巌はフンと鼻を鳴らした。
「無念だの何だの、俺にゃあ関係ねぇ。死にたくなけりゃ力を身に付けりゃいい。ここの妖怪共はてめぇでてめぇの身も守れねぇ程に弱ぇから死んだんだぜ? ガハハハハッ!」
 巌は走り回る潤也に腕から衝撃波を飛ばすが、
「調子に乗るんじゃないわよ。その下品な笑い……今すぐ消してやるわ!」
 とアリーチェ・ビブリオテカリオが加速の呪文を唱えた後に素早く霊力吸収の術式を刻んだ符を投擲する。
 巌は素早い動きでこれを躱したが、アリーチェは負けじと同じ符を投げつけた。
 その間に、エリシア・ボックが刀を抜いて巌との距離を縮める。
 潤也が地面を凍らせていても、下駄の力で空中を走れるエリシアには然程の影響もない。
 エリシアは刀の力で磁場を乱し、少しでも戦いを有利に進めようと立ち回る。
 エリシアを援護しようと、邑垣 舞花は霊符に刻んだ岩の術式を獣の形に変えて巌に差し向けた。
 三体の岩獣が巌に牙を剥く。
「まさか、その程度で俺を止められるなんて思ってねぇだろうなぁ?」
 巌の四つ腕が容赦なく衝撃波を放ち、岩獣を消し去った。
 しかし、その直後アリーチェの霊符が巌の背中に貼り付く。
 これで巌の霊力を吸収して弱体化させられると睨んだアリーチェだったが、巌は空いた腕であっさりと剥がした。
「俺の力を吸い取ろうとしたか。成程、その考えは褒めてやるぜ。だが……」
 巌の筋肉が盛り上がる。
「符で弱体化させられる程俺の力は貧相じゃねぇ!」
 巌はエリシアに高速で迫り、拳を彼女の顎下から振り上げた。
 脇差を構え円の動きでエリシアは辛うじて巌の拳をいなすが、豪速の拳ゆえの衝撃までは凌げず吹き飛ばされる。
 確かに磁場を乱す事は出来ていたが、巌程の相手となるとそう簡単に引き付けたり引き離したりは出来ないようだ。
「おねーちゃん、大丈夫!? 今すぐ回復させるからね!」
 ノーン・スカイフラワーがエリシアに駆け寄り、彼女の傷口に霊力を送り込む。
(ノーンが付いていてくれる事ですし、わたくしも果敢に戦いますわ)
 ノーンに礼を言って、エリシアは再び巌に挑む。
 エリシアが戦っている間に、影野 陽太は臆病心に鞭打って巌の背後に回り込んだ。
(あんな恐ろしげな敵に近付くのには確かに度胸がいります……でも、気後れしている場合ではありません。エリシアだって頑張ってくれていますから……)
 全ては舞花が立てた「作戦」を成功させるため。
 陽太は気を引き締めて移動する。
「次はどんな悪足掻きをするつもりだ?」
 巌はエリシアの剣撃を腕で払いのけながら、その場の隊士たちを高慢に睨んだ。
 無論、陽太や舞花らが動いている事にも気付いており、巌の腕は彼の動きとは別に陽太らに向き衝撃波を放つ。
 アリーチェは霊力を読み、加速の呪文を唱えて何とか逃げおおせたものの、陽太や舞花は躱しきれずに吹き飛ばされた。
 だが、潤也が地面を凍らせて滑りやすい状況を作っている事には警戒しているらしく、巌はあえてスピードを落とし確実な足取りで動くと、エリシアに強烈な蹴りを入れる。
 ノーンは
「ガンガン回復させるよ!」
 と言いながら次々と傷付く仲間たちの傷を癒すべく駆けずり回るのに精一杯で、このままでは舞花の「作戦」を成立させる事は容易ではない。
 動きに余裕をなくしている舞花たちを尻目に、巌は凍った地面さえものともせず妖怪たちの前に素早く移動した。
「さぁて、そろそろ約束の一刻だ。死ね」

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