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巌からの挑戦状!

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巌からの挑戦状!
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〈食ラヒ付ク者(3)〉


 大和は張り巡らせた霊力で巌との間合いを入念に測りながら刀を構える。
(あの鎧衣、バグみたいな性能し過ぎだろ……しかも相手は確実に格上だ)
 属性を持つ攻撃は一切入らない、そんな事は大和だって百も承知だ。
 独りで戦うつもりはない。
 少し離れた位置では大弓を手にしたリア・アトランティカが煙幕を張って身を潜め、特殊な声を発して巌の力の流れを乱そうとしていた。
 しかし、巌は
「ガハハハハッ、片腹痛いわ!」
 と笑ってリアに突如衝撃波を飛ばす。
「俺様に目眩ましなんざ通用しねぇ」
 煙幕を張られても、巌は霊力でものを見る事も出来れば気配を敏感に察知する事も出来るようだ。
 リアは慌てて下駄の力を使って空中に逃れた。
(完全無欠の防御……それでも何とかならないかな?)
 人魂を周囲に浮かべ、リューネ・シャインは霊符から硬化した花弁を広範囲に飛ばして巌の撹乱を狙う。
「心を燃やして死力を尽くす!」
 今の大和は霊布の恩恵を受けいつもより身軽に素早く動ける。
 それを利用して、彼は見極めた間合いから何度も鎧衣の同じ箇所に冷気を飛ばした。
「さっきから無駄な事ばかり……」
 巌は大和を侮蔑すると、一気に距離を詰め拳を繰り出す。
 大和は霊力を錬り散弾の如く投射したが、鎧衣を纏う巌はものともせず拳を振った。
 その隙に、リアが浄化の炎を灯した矢を巌に射る。
 極限まで冷却した後に火の攻撃を加えれば或いは鎧衣を破壊出来るのではないか……そう考えての冷気攻撃なのだが。
「この鎧衣がある限り、てめぇらの攻撃なんざ痛くも痒くもねぇんだよ」
 やはり、巌の鎧衣を剥がすにはどこぞに潜んでいるであろう術者を倒す以外に道はないようだ。
「くっ!」
 大和は脇差を取り出し打撃を凌いだ後、火を纏わせて振り抜き間合いを取る。
 リアも懸命に炎の矢を放ち大和を援護した。
 その間に、大和は今度は妖刀から細かな刃を拡散させて巌に飛ばした。
 そのうちの幾らかは巌の体に当たり、爆発を起こす。
「この程度じゃ俺を止められねぇって、いい加減理解しやがれ!」
 鎧衣の効果でやはり大和の攻撃は巌にダメージを与えられない。
 それでも大和は泥臭く己の「役割」に徹した。
「効かなくたっていい……オレのやってる事にたとえ意味がなくても、何かの布石になってくれるなら……それなら今ここでオレが命を懸ける意味もある! 簡単にくれてやる程安い命じゃないけどな!」
 巌から間合いを取り、細刃を飛ばし、素早く駆け回りまた細刃を飛ばす。
 大和はリューネやリアが巌に多少なりとも傷を付けてくれると信じているのだ。
 彼の期待と信頼に応えるべく、リューネも霊符で強風を起こし、花弁の刃を飛ばす。
 大和が何度目かの細刃を飛ばしたところでいよいよリアも「奥の手」を出した。
(大和が決死で足止めしてくれてるんだから、何が何でも当てて巌に傷を与えてやるわよ!)
 リアは弓から光の槍を巌に放つ。
 それを見たリューネは浄化の力を宿した護符で力を高めると、懐から取り出した時計を起動させて体感時間を加速させ。
 そして、浮かべていた人魂を取り込んだ後、風の術式を刻んだ符で巻き起こした暴風を空気砲にして巌にぶつける。
「どうやらてめぇも死に急ぎてぇらしいなぁ」
 巌の腕から衝撃波が発せられ、リアの光の槍は瞬時に消し去られた。
 更に、衝撃波は光の槍を消し去ってもなお勢い衰えずリアに迫る。
(危ない!)
 身体能力を向上させ、外見まで変化したユノ・クラフトが盾を構えて衝撃波の前に出た。
 その瞳を紅に染める程に巌の動きに集中し、反射神経と動体視力を高めていた彼女は靴の霊子噴射の力も借りて衝撃波に辛うじて間に合い、リアを守る……が。
「脆弱だぜ、てめぇの守りはよぉ!」
 巌の衝撃波の威力は凄まじく、ユノの盾は木っ端微塵に砕け散り、その破片が彼女を痛烈に傷付ける。
 しかし、飛び散った彼女の血はマガカミにとっては毒となるものだ。
 巌がルシェイメアの血を多少なりとも嫌がったように毒攻撃は決して効果のないものではない。
 案の定、巌は素早く移動してユノの血を避け、今度は暴風を当ててきたリューネとの間合いを狭める。
(二人への攻撃は私が食い止めるって約束したんだから……! 大和の助けになるためにも、私が止める……っ!)
 僅かに負傷を回復させ、ユノはリューネを守ろうと血を流したまま巌の前に立ちはだかる。
 巌は一瞬だけ忌々しげに見えぬ表情を曇らせたものの、
「その程度の毒じゃ俺は倒れねぇぜ!」
 と言いながらユノとリューネ諸共派手に蹴り飛ばした。
 そして、程なくして大和の霊力も底を尽く。
 彼の体がぐらりと傾いだ瞬間、
「これで終いだ」
 と巌の打撃が入った。
 その拳打の衝撃は大和の体内に激震を走らせ、大和はいよいよその場に倒れ伏した。

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