■プロローグ■
――そもそも
マナシジャとは何者か。
芸能界出身の
白陽秋太郎や
アンラ・マンユに聞けば苦々しい顔で答えてくれるだろう。
この世に“悪”――すなわちアンラ・マンユと悪しきイドラが生まれる前に存在した、純粋な“愛”を司る者。
悪意無き“愛”の歪曲と肥大化を止める術など、当時の芸能界には無かった。
彼女は天上の世界で多くの神々を愛し、追い詰め、飲み込み、喪わせ、遍く世界の芸能に停滞をもたらした……
「芸能界の“神話時代”の逸話はここで終わり。それ以降はどの文献にもあの方の名前は無いわ」
アンラの言葉に秋太郎が続ける。
「分かるのは、『終わり』があったということだけだ。
何らかの理由でマナシジャ様は芸能界の歴史から退場せざるを得なかった。
当時の神々がその名すら忌むほどの、もしくは記録すら残らぬほどの戦禍を経て……」
マナシジャは正面から戦いを挑んで良い芸能神ではない。
故に、今回は交渉という穏便な手段を取れたことが奇跡的だという。
これからの地球にとって、ヒロイックソングス!の全世界にとって良い方向に舵を切れるかは、アイドル達にかかっているのだ。
■目次■
1ページ プロローグ・目次
2ページ 【1】1
3ページ 【1】2
4ページ 【1】3
5ページ 【1】4
6ページ 【1】5
7ページ 【2】コンテナヤードの戦い(1)
8ページ 【2】コンテナヤードの戦い(2)
9ページ 【3】華乱葦原へ、届けるライブ(1)
10ページ 【3】華乱葦原へ、届けるライブ(2)
11ページ 【3】現れた妨害者(1)
12ページ 【3】現れた妨害者(2)
13ページ 【3】君に届けるは、世界を救うライブ(1)
14ページ 【3】君に届けるは、世界を救うライブ(2)
15ページ 【3】君に届けるは、世界を救うライブ(3)
16ページ エピローグ