三千界のアバター

≪フェイタル・ゲーム≫目覚めし者たち

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【十字街に現れた強化フェイル3】


 フェイル達との戦いは苛烈を極めている。数が減っているようには見えず、ナギサやエリザに引きつけられている者を倒し続ける。
「月の舞姫、華拍子、天爛乙女の参上です♪」
 その中でも津久見 弥恵は華麗なる円舞を取り入れた舞のような戦い方をしている。パートナーのヴィクトリア・オードとのコンビネーションであるフォーフォールドを使って、自身の武器であるラーストリガーを生み出す。こうする事で複数いるフェイルにも対応出来ていた。
「舞に合わせるというのは難しいが――」
 ヴィクトリアは感覚共有を用いて弥恵の死角をカバーしつつ女王の剣を使って、フェイル達へと光の刃で牽制をしていく。そこへ楽しく舞う弥恵が切り刻み、距離を空けるとそこへ再びヴィクトリアが攻撃していく。
 可能な限り攻撃を避けたいところではあるが、途中でフェイルからの攻撃を避けられず舞のような動きを止められる場合もある。その時の為にホライゾンガントレットを装備しておき、攻撃を防いでいく。
 弥恵の動きに対してのヴィクトリアの援護。もちろん、彼女の仕事は援護をするだけではない。弥恵との距離を詰めようとしてくるフェイルがいればそこへ割り込む事もしていた。
「踊り子に手を触れてはいけない、と教わらなかったのか?」
 グロウシールドを構えたヴィクトリアがフェイルの攻撃を受け止めると、再び間合いを詰めた弥恵が切り刻む。そして、そこへヴィクトリアが大きな声を上げると正面の敵へと音による攻撃を与えた。
「奥にいるフェイルは遠距離攻撃が使える力を持っているみたいだ。気を付けた方がいいだろう」
「分かりました」
 偉能力分析で調べた情報を弥恵へと話すと再びフェイルとの距離を空ける弥恵。そして、ラーストリガーを銃として使うために引き金に指を置く。
「邪魔はさせんぞ」
 敵に近付かせないように剣を構えて牽制をしている間に、離れているフェイルへと向かって弥恵が銃弾を撃ちこんでいく。そこをヴィクトリアが攻撃をして回避した隙を突き、彼女が攻撃したフェイルへと接近し振り下ろした剣をフェイルの身体を切り裂いた。
 その隙を逃さぬ敵ではなく、ヴィクトリアの背中から襲おうとしていると弥恵は間合いを詰めて、今度はラーストリガーをビームソードの様にして攻撃。直撃はしなかった物のソルトブレイクの効果によって傷口が塩化してきていることが分かった。
 フェイルを追い詰めていく2人は目の前のフェイルを撃破。周囲を警戒しつつ見渡して、フェイルの討伐を続けていく。

 成神月 鈴奈マーシー・O・ウォーレンの2人は前衛のマーシー、後衛での鈴奈という形を取ってフェイルを相手にしている。
 前にいながらもマーシーは革命擁護者の護身剣を持ち、感覚共有を行いながら鈴奈の見ている部分を把握しグラビティフリーを使って回避をしながら戦う。
 彼女が剣で攻撃している間に詠唱をして氷柱を生み出し地面を凍結させる。これによって動きが鈍ったフェイルには斬撃を加えて怯ませると、詠唱の必要ない高熱の炎で鈴奈が追撃をし大きなダメージを狙う。
「1体1体なら良いですが……そうはいきませんね」
「あのお2人に集まってくるフェイルはまだ多くいるみたいですわ」
 敵を追い詰めている間に新手が現れることもある。もちろん、その時には気付かぬうちに現れ奇襲と言った形になる可能性があるので、気は抜けない。
 ここで鈴奈はスロウスリングの力を解放させて保存していたアイシクルドロップで攻撃していく。新手の事を考えると迅速に倒していく必要もあるからだ。しかし、力を使いすぎてその後に息切れしないようにしないといけないので、難しいところだ。
「魔力はまだ残っていますか?」
「ええ、わたくしは大丈夫ですわ。鈴奈ちゃんも必要な時はいつでも言ってください」
 ハンドインハンドを使ってお互いの魔力を受け渡す事での回復が出来るようにしてあるので、ある程度の持久戦が出来るようになっているが配分を考える必要があるのは変わらない。
 スロウスリングの力でダメージを受けたフェイルに対して2人は手を繋ぎながら、マーシーの立体的な動きをしつつ翻弄。そこへシーアルブレイズを放ちながら攻撃し、着地と同時にマーシーは光の刃で攻撃していく。
 光の刃からの牽制と間合いの詰め。後方から鈴奈の魔法でフェイルを追い立てていきダメージを増やしていき、地面に倒れ込ませる。
 先程まで戦っていたフェイルはいなくなったが、新手のフェイルがいることに2人は気付いた。迅速に戦っていなければ合流され、不利な状況になっていたかもしれない。
 連戦にはなってしまうが鈴奈とマーシーはすぐさまフェイルの討伐へと走る。

 スロウスリングにグレイシスウェッジの術式を保存してある松永 焔子は戦っているフェイルに対して構えたまま動かない。それに合わせて敵も動かないのだが、それはブリュンヒルデの冥鎌を持ったリリカ・ワーグナーが前衛としているからだ。
 ゆっくりフェイルが一歩進んだ瞬間に動き始めたのはリリカだった。グラビティフリーを使って建物の壁を蹴りフェイルの後ろ側へと回り込む。しかし、相手もそれに気付いていたのか彼女へ向けて武器を振り下ろした。
「こちらも注意しませんとダメですわよ」
 焔子の方を見ていなかったフェイルへと向けて氷の楔を突き刺して空間を凍結。それによって動きが鈍くなった敵はリリカに攻撃が届く事なく空振りをしてしまう。
「終わりよ」
 空振りを誘った事で着地から再び壁へと飛んでいたリリカは大鎌を構えるとフェイルの身体を切り裂いた。動きが鈍い間に撃破をしてしまおうと焔子は氷の楔へと向く。
「リリカ!」
 その言葉でリリカは敵との間合いを大きく取る。そして、氷の楔を焔子が破壊すると氷の爆発が起き、フェイルへの追い打ちとなって撃破する事に成功。
「さて、次を――」
「もう来ているわ」
 リリカが言う通り街路から現れたのはフェイルが2体。先程まで戦っていたのは1体だったので比較的楽に倒す事が出来たが、2体となれば人数の有利はない。
 近くには共闘をさせて欲しいと頼んだナギサとエリザがいるので、2人の近くにいることで集まってくるフェイルの数も多いのかもしれない。
 強化型のフェイルと戦う事で死んでしまう決闘者の数を減らしたいと考えている焔子。そして、その想いに対して戦うパートナーのリリカ。
 自分達の目的の為にも懸命に戦い続ける2人はすぐに目の前に現れたフェイルと戦いに入るのだった。

 フェイル数体を相手にしている女性の姿がある。それは九鬼 苺炎だった。
 彼女は1人だけでフェイル達を相手にしているが、攻撃をするという行為はしていない。現状行っているのは敵の攻撃を回避、防御をしつつ距離を取っている。そして、その間に自身を中心をとして雷の蛛網を張ることで、敵の動きを鈍らせていた。
 磁性鱗粉も使うことでフェイル達の妨害対策を重視して行っている苺炎にはもちろん目的がある。
「ごめんね、少し遅れちゃったよ」
「まあ、上手く倒してきたから安心してくれ」
 そこへ来たのはクラウン・クラウンマリィ・F・グローリアの2人だ。
 苺炎は敵の妨害をするべく、見付けたフェイル達の所へと先に向かっていた。そして、敵の動きなどを鈍らせておき、合流したクラウンとマリィの2人が攻撃をしていくといったものになっている。
「ありがとう、後はお願いね」
 すると、苺炎は王位簒奪者の指輪を使うことによって姿を消す。ここまで偽翼を使って空中を用いた動きをする事が出来ていたが、上手く回避をしなければ小さな衝撃で落下してしまう。戦わなくても良い分余裕はあるが、気を張っていなければいけないのが辛いところだ。
「よっと」
 クラウンはふわっと飛ぶとマリィと一緒にグラビティフリーの力を使って動き回り始める。その時に何かを踏んだ気がしたが、笑顔のままフェイル達に接近した。
「おっと! だ、大丈夫か?」
「ええ、何とか……」
 クラウンが踏んだのは飛んでいた苺炎。踏まれた事で落ちてきてしまったが、それをマリィがキャッチした事で助かった。翼もまだ大丈夫なようなので、今後にも支障はない。
「それじゃ、あたいもやらないとな」
 新月の魔杖を使って暗闇を生み出すマリィ。そして、周囲の暗闇に紛れることでクラウンが戦っている前方の支援を始める。
 感覚共有にてお互いの見聞きしているものをカバーし、彼が囲まれないように建物の影を使って敵へと接近していく。
「どう? 届くと思わなっただろう?」
 クラウンはヴェリサティスを使って戦っているのだが、通常では届かない距離をエクストラストを使う事で射程を伸ばして攻撃をしている。マリィがいることによって実際に武器が倍以上に伸びるので、見えている間合いよりも離れなければ攻撃を受けてしまう。
「んー、やっぱり上手く押し込めないネェ。あ、そうだ!」
 クラウンはそこでマリィの力も借りるためにエリゥトグレイプを使う。これによってマリィも彼と同じ形状の光で出来た武器を持つことになり、隠れていたマリィがクラウンと同じ敵へと攻撃する。
 エリゥトグレイプの効果により2人で攻撃した事で爆発の威力が増し、敵を壁まで吹き飛ばした。吹き飛ばしたフェイルがこちらへ戻ってくる前にクラウンが別のフェイルの相手をすると、再び隠れたマリィが天球儀を使って同じ場所へと吹き飛ばし激突させる。
「さあ、終わりにしようか♪」
「任せな、いつでもやれるぜ」
 クラウンとマリィの連携で追い立てていきフェイルを倒していく。そして、その間に苺炎はフェイルが現れないか警戒をしつつ、2人から離れない位置で待機。
 クラウンとマリィの戦いが終わったのを確認すると、彼女はすぐさま先行して別のフェイルの妨害に入った。

「数が多いわね」
「そうだナ。だが、倒さなければ被害は増えるル」
 前衛として戦っている西村 由梨リルカ・ハートカラーズの2人が言葉を交わす。
 由梨が言う数が多いというのは戦っているフェイルの事だ。そして、目の前にいるフェイルの数は6体と2人に加えてパートナー達を入れた人数よりも上だ。
 確実に1体1体を倒すべきか。それとも前衛2人が分かれる事で数を相手にしていくべきか。それが重要な事になるだろう。その判断も長くしている時間はない。
「元々私は複数を相手にするつもりだった。それなら、2対複数でも何とか対応するわ」
「分かっタ。それにワタシは合わせよウ」
 2人の動きは決まった。互いに複数のフェイルを相手にしても良いように使えるようにしているものがある。ここまではいっぺんに多くのフェイルを相手にしてこなかったが、ここでその手段を使うときが着た様だ。
「援護は任せてください!」
 後衛の西村 瑠莉がセントラルリングとルブキェスリングによって効果が高められたフォールボルトを先行して放つ。威力を高めて放つことも可能だが、前の2人が複数をいっぺんに相手をするとなると、速度を重視し敵の邪魔をしていく方針に瑠莉はしていた。
 複数を相手にするといっても相手に出来ない相手、というのが出てくるもの。そこを瑠莉が狙う事で前衛の由梨とリルカの危険を減らしていく事に繋がる。
 パートナーのジェーン・エアがいることで雷も複数の敵を狙う事が可能となり、その援護の効果は高い。そして、ジェーン自身はグロウシールドや聖人の欠角を使って防御力を上昇させ、前衛2人を抜きこちらへと向かってきた者の相手をしていく。
「瑠莉さんやエミリーさんの所へは行かせないわよ」
 遠距離から放たれたフェイルの魔法を盾で防いだジェーンは敵を見ながらそう言う。近づいてくる敵はもちろんだが、後衛として援護をしている者を、同じく後衛から狙ってくる敵はもちろんいる。そういった敵の攻撃もジェーンは対応していかなければいけない。
「姉さん、ありがとう。これなら狙えるわ」
 エミリー・ブロンテは守られている時間を使って前衛が相手をしている敵に向けてトラッシュノイズの放つ。予備動作の少ない音の衝撃波はエミリーが攻撃してくる事を悟られず、2人を攻撃しようとする敵の邪魔をしていく。
「エミリー様、詠唱が終わるまで時間を稼げますか?」
「ええ、任せて」
 瑠莉はこれから行う攻撃は詠唱などの時間を掛けて威力の高いものを放とうとしている。それはジェーンの力も借りなくてはいけないので、エミリー1人に任せてしまう事になるが成功すれば複数のフェイルも倒す事が可能だろう。
 エミリーは蒼色の囁きによって由梨との繋がりを強めながらグラントで力を送る。そして、こちらに敵が来ないように再びトラッシュノイズを使う事で敵の阻害。瑠莉の詠唱が終わるまでは耐えなくてはいけない。
 エミリーの力を受けた由梨は相州伝政宗・紅鳳凰を持って一撃必殺というスタイルではなく、手数で攻める事で次のフェイルを相手にしていくといった方法を取っている。
 上手く力を受け紅色の囁きで身体能力を強化させると相州伝政宗・紅鳳凰を2本に分けて二刀流の構えを取った。デクスクレイグでの技術を用いた剣術は敵を翻弄し、変則的な動きは敵を攻め込ませない。
 双剣での戦いやフォーフォールドにて4本にした剣を使って複数の敵を攻撃していく由梨。彼女が攻撃をした事で出来た敵の隙をリルカが栄具と深く融合させた武器を使い、配者の慚愧で動体視力を上げ隙を逃さず炎でフェイル達を薙ぎ払っていく。
 深・栄具同化によって長時間栄具と同化しているのは彼女自身の身体が危険に晒される。その為にも早くフェイル達を倒さなければいけないだろう。
「エミリー様ありがとうございます。準備が出来ました」
「姉さんの人形もいたから」
 瑠莉のお礼に対して笑顔で答えるエミリー。そして、瑠莉はジェーンを魔法陣として持続時間を上げ、ここまで長く詠唱をしていたことによっての威力上昇。
「行きます」
「ええ、いつでもどうぞ」
「ここで倒れて頂きます」
 瑠莉の準備が整った事に気付いた前衛の2人は全速力で効果範囲から離れていく。そして、彼女が放った魔法はウインドウォラップ。
 長い詠唱とつけている装備での威力上昇。それに伴う広範囲の風の刃がフェイル達へと襲い掛かる。
 前衛へと引きつけられていたフェイル達は風へと巻き込まれ体を次々に切り裂かれて行き、多くがその場へと崩れ去った。中には範囲外からどうにか逃げる事が出来たフェイルもいるが、それを由梨とリルカが後を追う。
 先程の魔法によって深呼吸をしている瑠莉を守るようにしてジェーンとエミリーが周囲を警戒して、新手が来ないかを確認。とりあえずは新手が来る様子はないようだ。
 そこへフェイルを追って行った2人が戻って来た。この様子であれば追ったフェイルの撃破は成功したのだろう。
「手を貸して」
「はい、ありがとうございます」
 瑠莉とジェーンは手をつなぐと魔力を回復させる。そして、由梨とエミリーもまた魔力の回復と、前衛として戦っていた彼女の傷を治すためにヒールフィールドを使って治療をした。
「とりあえず、6体全て倒せたわね」
「でも、まだお2人に引きつけられているフェイルはいるようでございますね」
 周囲から戦いが起こっている音が聞こえてくる。これはまだ周囲でフェイルと戦っている者がいるという証拠だ。まだまだフェイルが集まってきているという事は、まだまだ戦いは終わらない。
 少しの休憩が出来たところでフェイルの討伐を再開する5人。
 ナギサとエリザの周囲にいることでまだフェイルはやってくるだろう。その為にも戦い続けなくてはいけない。
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