三千界のアバター

≪フェイタル・ゲーム≫目覚めし者たち

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【十字街に現れた強化フェイル1】


 セクターEの十字街では元々セクターDにいたフェイルがやってきていた。その数は多く通常のフェイルよりも強力となっている。ただ、セクターDにいた時よりも弱体化されているという情報もあり、対処もしやすいと考えられる。しかし、弱体化しているとはいえ、油断はできない。
 御子神 ナギサとエリザに引かれるようにしてやってきているフェイル達。放っておいては彼らが一番危険な状況となるだろう。そこで桐ヶ谷 遥ロワ・エレマンを連れて囮となるべく動いている。
「必ず2人を狙っているわけではない、けど――」
 流石にナギサとエリザが引きつけているという話通り、何体ものフェイルを見ることができる。ここまで遥は倒す事を主とはせずに、防御重視にした戦いを行ってこちらに注意を引くようにしてきた。そういった戦い方はダメージも受けることが多いので、そこをパートナーのロワがカバーしていく形としている。
「どうする? そろそろか?」
 ロワが集まってきているフェイルを見ながらそう遥へと言う。
 遥が言った通り自分達を無視してまでナギサとエリザを狙ってはいないようだ。自分達を狙ってくる敵がいるならば、そちらを優先する動きを見せている。
「手を!」
「その言葉を待ってた」
 遥とロワはお互いの手を握り背中合わせになる。そして、ハンドインハンドを使ってここまで消耗した精神力を回復させた。こうすることで状態異常の耐性が短い時間ではあるがつく。
 フェイルの数もある程度いることで1体ずつ確実に戦っていく戦法は難しい。そこで遥はレゾ・トーカーを使って身体能力の強化はもちろん、ロワとの繋がりを強化させる。
 セントラルリングにて扱いやすくしている偉能力を偉脈解放をすることで更に強化。
 遥の偉能力が強化されたことで持っているフリーケンシーに紋様が浮かび上がった。そして、ロワもまた自身を強化するために広大な蒼空がに様々な風が吹く空創庭園を展開。
「はぁっ!」
「食らえ!」
 2人は回転するようにしてアドヴァルスイープを周囲にいるフェイル達に放つ。広範囲に攻撃が出来る技であるため、こうして囲まれた時に多くの敵へダメージが与えることが可能だ。ただ、撃破に至るかどうかは別となる。しかし、多くのフェイルにダメージを与えられるというアドバンテージは非常に大きい。
 アドヴァルスイープをしている間は動くことが出来ないので、隙を突かれる可能性がある事は2人とも承知している。そして、続けて放つ為の準備もまた必要だ。
 そういった隙を無くす為にもナギサとエリザの近くで戦っているということもある。ダメージを与えられたフェイルは遥とロワだけを狙っていられるわけではない。
 近くにいるシア・クロイツもまたダメージを与えられたフェイルを倒すために戦っている姿を見ることができる。そして、ノナメ・ノバデ達もまた2人が囮となって集めたフェイルの相手をしていた。
「丁度良く密集してくれていますね」
「囮をしてくれている者がいるお陰だな」
 ノナメのパートナーである大祝 鶴姫がそう言うと彼女は頷く。正面にいるフェイルは上空に飛べる姿をしている者がいないので上を気にする必要はないだろう。
 鶴姫はノナメからスキルトレースにてプロミネンスフレアを使えるようにすると、集まっているフェイル達へと向けて魔力を集中し始める。
「行くぞ!」
 鶴姫はプロミネンスフレアをフェイル達へ複数の光球を放っていく。速度は遅いが爆発が広範囲に及ぶため、それによって味方は少し距離を取っているのが見える。
 1度の爆発が起こると複数放たれた光球がそれぞれ爆発。密集しているフェイル達へとダメージを与えられる。こちらに気付いたフェイル達は複数体こちらに向かっているのが見えるが、鶴姫とは時間差でノナメが放ったプロミネンスフレアが続けて爆発。何体かのフェイルが吹き飛ばされるのが見える。
 感覚共有をしていたことで連携を取りやすくしていたノナメと鶴姫。そのまま鶴姫は稀代の長槍を持って吹き飛ばされたフェイルとの距離を詰めていく。
「ここから私達の仕事だね!」
 ノナメや鶴姫、味方の攻撃によってダメージを受けたフェイルへと向けて狐目 月明が鉄血の籠手をつけて駆けて距離を詰める。上手く味方へと繋げるために月明は権威の失墜を使うことで、フェイル達の動きを鈍らせていく。
「ここまでダメージを受けて、動きも鈍ってしまう……ここから逆転はできないよね!」
 月明の目的はフェイル達の弱体化。接近する為の武器を持っているが主に敵の弱体化に努めることで仲間達が戦いやすくしていく役割を持っている。
「この状態なら……行きます!」
 プロミネンスフレアを放ってからノナメはグラビティフリーで動きながら自身の射程圏内まで近づくと、鶴姫の力も借りて敵がいる場所へ竜巻を起こす。
 長時間起こす事は出来ないがフェイル達を巻き上げたり、バランスを崩させることには多いに役立つ。そして、このままノナメは後衛として前で戦う3人のサポートへと回る。
「待ってたよ!」
 フェイル達の落下地点の近くにいるのはライビー・ティビランシだ。ヴェリサティスを構え、先程までノナメに力を貸していた鶴姫の力を受けて今度はライビーがフォーフォールドで自身の武器を展開。
 落下したフェイル達へと生み出した武器にて攻撃。そして、ブレシィ・オブ・ライトを使うことで速度を極限まで上昇させて、追撃を行っていく。
「まだまだいるんだから、速攻撃破していかないとね!」
 ここまで弱らせられたフェイルを撃破していくライビー。そして、鶴姫もまた竜巻でバランスを崩したフェイルをエクストラストでの攻撃で貫く。
「まだ終わりません!」
 前衛が戦っている間にキュミテーションウェアの特性を借り受けて再びウインドウォラップの詠唱をしていたノナメ。そして、ここまで長く詠唱をしていたことによって、威力の高い風の刃を放つ。
 巻き込まれないように月明やライビー、鶴姫は距離を空けて待機。フェイルへと当たるのを見ると止めを刺すために距離を詰めて、月明が弱体化させた敵を優先的に倒していく。
 しかし、ここにいるのは強化されたフェイルだ。ある程度ダメージを与えることが出来たとしても、必ず倒れてくれるというわけではない。それに加えてナギサとエリザに引きつけられている事で、別の場所から現れる事もある。
「――!?」
 魔法をどうにか直感で避けることが出来たライビーが飛んできた方向を見る。そこにはやはり集められているフェイルの姿があった。あそこにいるのは先程まで戦っていたフェイルではなく、新手だろう。
「少しかすっちゃったけど、大丈夫だね。おねーさんに当てるのは難しいぞ?」
 そうライビーは言うと、彼女もまた囮として動く事にする。
 倒しているフェイルもいるが新手としてやってくるフェイルはもちろん存在する。この場所にいるフェイルを倒せば終わりというわけではない。
 いつまで戦えば良いのかというのはまだ分からないが、彼女もまた囮として動く事でノナメを含める仲間達の援護を待つ。
「長期戦は覚悟してるよ」
 そう言って月明は偉能力を使って地面を揺らす。これによって地面に立っているフェイルは平衡感覚が乱されて上手く戦う事が出来なくなる。そこを狙って彼女は一気に近づくと思考削斬によって身体能力を弱らせ、天球儀で別のフェイルに向けて吹き飛ばしてぶつける。
 集められたフェイル達はナギサとエリザの方向へと向かわせないようにする事に成功。もちろん、全てではないが引きつけられたフェイルを皆で担当することでナギサ達はもちろんだが、他に戦っている者達の負担も減る事となる。

「御子神達は大丈夫そうか?」
「はい! わたし達を含めて頑張ってるので大丈夫です!」
 ナギサ達の近くでは草薙 大和草薙 コロナ碓氷 命の3人もフェイル達と戦っている。
 囮をしている者もいれば、周囲にやってきたフェイルを探し対応していく大和達もいた。
 コロナが使うフェイル感知を用いて居場所を探し、3人で確実に撃破していくスタイルを取っている。
「奥方様、次はどちらへ?」
 先程までフェイルと戦っており撃破する事に成功した3人はすぐに次の敵と戦う為に感知をして居場所を探る必要があった。コロナはフェイルがいるであろう場所はどこか周囲を見渡す。
「……あっちです! まだこの近くにいるみたいです!」
「よし、向こうに行くぞ」
「はい!」
 コロナが言う方向へと向かうと、そこでは3体のフェイルがナギサとエリザがいる方向へと向かっている姿を捉える事が出来た。姿を確認するとすぐにある程度距離がある内にコロナがラーストリガーの引き金を引く。
 大和達3人の事に気付いていなかったフェイル達。その内の1体に直撃し憤怒の性質を持ったコロナによって着弾と同時に爆発を起こす。
 ラーストリガーでの爆発と同時に大和と命の2人はそれぞれグラビティフリーの力を使い、直線的な動きではなく上下左右にこちらを捕捉させないようにしながら接近。
「向こうはわたくしが相手を!」
「分かった、こっちは任せろ」
 それぞれ別のフェイルへと向かって行き、左側にいる2体へと大和が攻撃を仕掛ける。感覚共有を大和と命の間でしているので、別の敵と戦っている間にも死角や動きのカバーをして連携。
 フォーフォールドで大和が持つオーナメントブレードを4本生み出すと、2体の敵へ対して斬撃を与える。人数は大和1人ではあるが、フォーフォールドで武器を4本扱うことで人数の不利を無くしていた。
 フェイル2体は同時に大和へ向けて攻撃をしてくるなど、回避が難しい攻撃もしてくるがグラビティフリーでの立体的な動きをしながら回避。どうしても受けなくてはならない場合はグロウシールドを前に出す事で防いでいる。
「これからの事を考えると全力を出し続けるのは難しいが――」
 ここまで何体かのフェイルと戦い撃破してきたが、まだまだこの戦いが続く事は分かっている。その為、持久戦をする為に節約をしながら戦わなくてはいけない。
 強化されているフェイルとの戦いは油断することは出来ないが、ここにいるフェイルは強化フェイルでも弱体化された者達。その部分を考えると助かっているのかもしれない。
 別のフェイル1体を相手している命はコロナの援護射撃を受けながら偉人が見につけている剣術を用いて月光刀にて切り刻む。
「させないであります!」
 遠距離から攻撃をしてくるコロナへ向かわせないように、進行方向を邪魔をする命。刀を振り下ろした先でフェイルに受け止められてしまうが、彼女の所へと向かわせなければ良い。
 そこにコロナがラーストリガーの弾を撃ちこみ爆発が起こると、フェイルは吹き飛ばされて行く。そこへ先程まで大和とコンビネーションを組んでいた命は、次にコロナとの繋がりを強める。
 吹き飛ばされたフェイルに刺突を食らわせ、続けて斬り上げる。そこから刀を横薙ぎの斬撃でフェイルへと大ダメージを与えた。それによってよろよろとフェイルは立ち上がるが、これ以上攻撃させないように命はフェイルへと止めを刺す。
 そして、大和の方を見ると彼もまたフェイルを倒しきった様子が見て取れる。
「よし……次だ」
 大和の言葉に2人は頷くと次のフェイルへと向かっていくのだった。

 集まってきているフェイルの中を爆走しているレッドコメット。そこにはシルノ・フェリックスがハンドルを握り、後ろに彼女の身体に手を回して同乗しているリズ・ロビィの姿があった。
「本当に飛ばしてるみたいさー!」
「はい、今日は飛ばすと宣言しましたしね」
 シルノの操るレッドコメットは可能な限り全速力で走っている。彼女がフェイル感知を使うことで敵の居場所を探り、レッドコメットに乗ったままで戦闘をしていた。
「見付けました。突っ込みますね」
「よーし、突撃さー!」
 シルノは言葉通り全速力で見つけたフェイルへと真っ直ぐ向かっていく。それに合わせてリズは腕へ栄具同化させたTitanを振りかぶって近づくのを待つ。
 直線的に来る2人に対して横へ動く事で轢かれる事は逃れる事は出来るだろう。しかし、後ろにいるリズの攻撃が来ることを考えるとカウンターでシルノとリズにダメージを与えるのは難しい。
 シルノは片手を離すと持っている黒死鳥の杖を構えて原点回帰を行う。欺瞞の諦念にて敵の偉能力を下げ、太陽神のレリーフを同時に使うことによって、放つ炎のダメージを偉能力で軽減させる事を防ぐ形を取る。
 フェイルは大きく避ける事で2人の攻撃を直撃する事は避けられたが、シルノによる弱体化によって偉能力を下げられてしまう。
 近距離攻撃をしてくるフェイルは待ち受けているようで、こちらが回って再び突撃するまで攻撃をしてくる事はないだろう。しかし、もう一方のフェイルは魔法を使ってこちらを狙ってくるようだ。
「しっかり捕まっててください。振り落とされないようにしてくださいね」
 そうシルノが言うと両手でしっかりハンドルを握ると思い切り回す。凄い遠心力が働きリズはシルノへ思い切り抱き付く事で振り落とされずに済む。
 回避した先に魔法が飛んでいくことを確認すると、再び真っ直ぐ敵へと向けて爆走。
「シルノー! かなりグラっとくるけどごめんさー! カッコ良く持ち直してさー! ひーはー! 楽しいー!」
 先程の急旋回を怖がる事なく楽しんでいるリズ。そして、彼女は自身槌を思い切り振り上げて力を溜める。通常であれば力を溜めている間に無防備になってしまう不断の一撃ではあるが、こうしてレッドコメットに同乗することで力を溜めながら移動する事が出来ていた。
 待ち受けていたフェイルを避け、魔法を使ってきたフェイルを追いかけ近付いた瞬間に槌を振り落とし叩き潰す。その衝撃でレッドコメットは大きく揺れるが、どうにかブレーキを使いドリフトのような形で止めることで立て直す。
「終わりです」
 そこへシルノが再び太陽神のレリーフの力を使ってフェイルに炎を纏わせることで追いうち。
「よし、後1体さー!」
「早く倒して次へ行きましょう」
 2人はレッドコメットに乗りながら移動をし続け、この戦闘スタイルで見つけたフェイルを撃破していくのだった。
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