三千界のアバター

アーキタイプ

【覚醒のアーキタイプ】文明衝突トーナメント―決勝戦―

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【覚醒のアーキタイプ】文明衝突トーナメント―決勝戦―
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■エピローグ■


メンフィス文明圏とパチャカマク文明圏の決勝戦。

アヌビスピサロの乗るコンキスタドールは撤退し、シヌヘは特異者たちと死闘を尽くした挙句、
自ら負けを認めることで終わった。

■□■


「気に入らないねぇ……この試合すら通過点に過ぎないと思ってるのがありありと分かる」

スクラップ同然となったスフィンクスの前。
ケチュアの言葉に、シヌヘはコックピットから二人のアクリャ――アイシストトメスを救出しながら答えた。

「ホライゾンの特異者たちここまで強くなければ、やり方は他にもあったさ。

だが、俺もお前も兵ではない。トレジャーハンターだ。
――戦うだけが能ではないさ。違うか?」

「確かに。
だけどね、お前が自らをトレジャーハンターだと規定しているのなら納得がいかない事がある」

「ほう?」

「あんたの目的はアーキタイプの破壊じゃない。
何を手に入れようとしている?」

その問いかけにケチュア自身が驚いていた。
ついさっきまでシヌヘの目的はアーキタイプの破壊だと思っていた。

だが、違う。
アーキタイプ破壊という目的は、表向きに過ぎない。
真に狙っている宝を隠すためのブラフだとケチュアの直感が告げたのだ。

その言葉にシヌヘは「何を言ってるんだ」と笑いながら言った。

「残されたスフィンクスの老年形態。そしてドレッシング・アンリミテッドの力。

それさえあれば理論上、アーキタイプの破壊は可能だ。
それに俺もお前もまだラストミステリー・パーフェクトは使っていない」

ラストミステリーパーフェクト。
それはトレジャーハンターの奥義中の奥義。
ケチュアもヴォイニッチ温泉でその力を手中にしたが、
互いにまだ見せてはいない。

「あくまでアーキタイプの破壊が目的だと言うんだね」

「もちろんだ」

その言葉はアーキタイプの破壊以外に目的があると言ってるのも同じだとケチュアは思った。
なぜなら……。

(アーキタイプのシステムの監視下であるこの場で
堂々と手の内明かす訳ないだろ、普通……)

マタカはアーキタイプのシステムすら
歯牙にかけないようなケチュアとシヌヘの態度に呆然とする。

「二人はお宝を求める少年少女なのさ」

慰めるように肩を叩いてきた田中 全能神をマタカは睨み付けた。

(コイツが、コイツがいなければ……)

■□■


「カミサマ、何してるんだろ……」

自分の命を狙っていた事が確定的なマタカを慰め(?)に行く全能神にドン引きしながら、
九鬼 有栖は自らの過去――ブラフマーとの関わりを話し始めた。

それは決勝戦が終わったら話すと、
邑垣 舞花ノーン・スカイフラワーに約束した事でもあった。
それに今後のアーキタイプにとっても重要であることは間違いなかったからだ。

「あたしね、お母さんと二人で暮らしてたんだ。
ビンボーで生活も苦しかったし、中学の時はちょっと荒れててさ。

そんな時だったんだよね。
最初のカミサマと会ったのは……」

三千界に配下を送り込めるほどの巨大な暗殺集団、九鬼一族。
有栖はその系譜でったが、幼い頃には追放されていた。

母親が自分を養うのに必死で働いてたのは有栖も知っていた。だが、将来への展望を抱けぬ中、自暴自棄になっていたのだ。

「最初のカミサマって、
全能神さんみたいな人だったんですか?」

舞花の言葉に有栖は首を振った。

「見た目は全然違うかな。
駅前の公園にいる、ホームレスのおじいちゃんだったし……
でも、なんていうかな……超然とした感じは似てたよ。
だからカミサマって呼んでたんだし。

カミサマはバカなあたしの話を何でも聞いてくれて。
それだけなんだけど、それだけであたしは助かったっていうか」

「その人がブラフマーのユニークアバターを持ってたんですか?」

「みたいなんだけど、さ。死んじゃったんだ」

「夜の街にいたあたしを酔っ払いから助けてくれようとして、殴られて……そのまま倒れて」

「そ、そんな。良い人なのに」

舞花は思わず涙ぐみそうになったが、何かがおかしい。
ブラフマーなのだ。
アーキタイプのシステムであり三千界のシステムそのものとも言えるアバターに変じることが出来る特異者だったはずだ。
そのような人物が酔漢に襲われるくらいで
亡くなるものなのだろうか。

「最後まであたしには笑顔でね。
頑張って生きろって……あたしが言えるのはそれだけかな」

有栖は少し寂しげに笑顔を見せた。

「辛い話なのに話してくれてありがとう。
でも……」

「その先は私が話そう」

舞花に語り掛けてきたのは自衛隊の神代であった。

「有栖さんが話したカミサマ――
田中 喜一郎(たなか きいちろう)氏はブラフマーのユニークアバターを持つ特異者だった。

それは間違いない。
彼と彼の率いる教団は、
三千界管理委員会でも権勢をふるっていた。

だが、彼は晩年『梵我一如にはたどり着けなかった』と言葉を残し、消息を絶った」

「その後の話が、
有栖さんの言ってたカミサマになったってことなんですね。
あと、田中さんって苗字……」

「それは偶然の一致のようだ。
田中さんは日本に数多くいるからな」

神代の言葉に舞花は納得した。
確かに田中なら同姓でも不思議じゃない。
二人のカミサマに特別な関係はないのだろう。
だが、舞花はそう思いつつも別のことが気になった。

「全能神さんが復活したんですよ。
元祖カミサマだって、死んでないんじゃないですか?」

「うん。あたしもそう思ってる。
……アーキタイプのどこかに、カミサマはいる」

有栖もまた確信していたのであった。

■□■


かくして、文明の衝突トーナメントはパチャカマク文明圏を勝者として決着した。

しかし、その裏には多くの謎が残されていた。
――そして、アーキタイプの太陽の中心で、ブラフマーは想う。

(三千界は乱れきっている。
今こそ創世の時――だけど)



【覚醒のアーキタイプ~最終章~ へ続く】

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担当マスターより

▼担当マスター:三千界のアバター運営チーム

マスターコメント

『三千界のアバター』運営チームです。
「【覚醒のアーキタイプ】文明衝突トーナメント―決勝戦―」のリアクションをお届けいたします。

トリガーシナリオは、アクションを投稿しているか、
アクションを投稿していなくても「・アクション投稿しなくても登場を希望」の項目にチェックを入れた場合、基本的にリアクションに登場しています。
基本的にPCは1シーンに登場していますが、シーン分割の関係で数ページに渡って名前がある場合もございますので、リアクションを読み進めてご確認頂ければと思います。

称号が付与されている場合はお知らせがありますので、併せてご確認ください。

また、今回の結果を受けてのシナリオ、

・覚醒のアーキタイプ~完結編~(仮)

が10月中に公開予定です!
皆様の参加で進行してきたアーキタイプのメインストーリーもいよいよ最終局面に。ぜひご参加ください!

功績称号(※印の付いた称号)の付与は10月上旬中を目処に行わせて頂きます。
今回の該当者は、下記の方々となります。

【1】
八上 ひかり(SAM0001681)様

【2】
桐ヶ谷 遥(SAM0001072)様
小山田 小太郎(SAM0021218)様
夏輝・リドホルム(SAM0034773)様
八葉 蓮花(SAL0046747)様
六道 凛音(SAM0053367)様

【3】
信道 正義(SAM0014675)様
イルファン・ドラグナ(SAM0021401)様
島津 正紀(SAM0029464)様
弥久 ウォークス(SAM0032234)様
藤原 経衡(SAM0034796)様
霜月 八手(SAM0051970)様

最後に今回のリアクションを執筆したマスターからのコメントをお送りします。

【1】~【3】担当:やぅ。
お世話になっております『アーキタイプ決勝戦』を執筆させて頂きました、やぅ。です。
みなさま、アクションお疲れさまでした。
NPCシヌヘ対戦、前回に引き続きお預かりさせて頂きました。
今回は非常に積極的に戦っていただけて、楽しかったです。
コンキスタドール戦では、マミーの盾は攻略容易そうで厄介だなぁと実感しておりました。
精霊界は、自分の庭のように歩くようなアクションに驚いてました。
作戦にしろ、方法にしろ、すごいなぁと思うアクションが多くて、本当に楽しかったです。
また、お世話になる時はよろしくお願いします。