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【覚醒のアーキタイプ】文明衝突トーナメント―決勝戦―

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【覚醒のアーキタイプ】文明衝突トーナメント―決勝戦―
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■オイディプス作戦開始■



 さて、オイディプス作戦メンバーの1人、ルドルフ・キューブは皆から離れた場所で地突の計で落とし穴を作って、その中に厚手のコート――ドゥブリョンカと探検隊バックパックの中に入っている燃える寝袋含めた品々をばら撒きバックも放り投げる。
 火計で火炎の弾を放ち、落とし穴の中のモノを燃やしていく。
 足場の悪い場所を選び、もし落とし穴に引っ掛からなくとも誘導するだけでも行動阻害になって狙い易くなるだろうという見込みである。
 ルドルフは島津から預かっていた無線の子機をつかって皆に準備OKの連絡をとった。
 その頃には数度のスフィンクスの包囲網脱出の試みが失敗し、4体の守護者とスフィンクスが交戦となっている状況に陥っていた。
 行動パターン、攻撃パターンを割り出して対応しても、その対応に追いつくように、向こうも戦闘方針を変えてくるのでは対応も誘導も難しい。
 こちらがあまり負傷を負わないように攻撃するには、白兵戦、剣のみで攻撃を仕掛けていくのがベターと判断され、相手の力量から本気で切りかかってもかわされる確率が高かったために、4体で全力で挑んでいた。
 挑んでいたが、罠の設置が終ったのであれば、魔力も負傷も気にせずの全力での誘導の開始である。
 4人は今までの銃戦においでのスフィンクスの対戦を思い浮かべ、イルファンの守護者から氷華の護身銃による銃弾をスフィンクスに撃ちこむ。
 しかし銃口を向けられた瞬間にはスフィンクスはイルファンの方に走り出し、それを避けるようにイルファンも横に移動しながら銃弾を発射するがその攻撃は避けられる。そのタイミングで藤原がスフィンクスの背を追うように大口径ビーム砲を放つ。
 さっきとは違い距離がある。当る覚悟はしてたものの、スフィンクスはこれをまた避けて、それを見通しそのまま包囲網から脱出しようと走るスフィンクスの前にドレッシングウィンドウの素早さをもって島津が走りこみ、ウォークス走りながらがオリハルコンソードを鞭状にして剣先を伸ばし、ウィップソードツヴァイでその足を狙う。
 島津は持つ2本の剣をスフィンクスの胴体を真っ二つにしかねない勢いで振り切る。
 スフィンクスはそれを避けて、ウォークスの攻撃をその足に食らう。

「さすがは幾世界をも超えてきた特異者たちか。
……ここまで戦い抜いた自分をほめたい所だな」

 シヌヘはそううそぶきながらもアクリャたちに状況の分析を最優先で行わせていた。
 現在の状況は極めて不利だ。戦闘で全力で戦っていると時に敵に背中を見せるというコトは無防備に攻撃場所をさらしていることに他ならず、距離があればまだマシも、守護者4体がべったりへばりつかれているのだ。
 この包囲からの脱出をひたすら考えていたシヌヘは、決着をつけようとばかりに戦闘を仕掛けてきた4体の守護者に、これは脱出する好機と、それでも先回りされて幼年形態での素早さで無理矢理脱出しようとした所。
「ドレッシングアンリミテッドとスフィンクスさえ無ければ、あんたもたいしたことないな」
 ――少し、自分の実力不足を実感していたシヌヘは成年形態へ戻って数秒で決める、と島津に向き直る。
 ハイパーナチュラルミサイルによる攻撃が追いかけてくるウォークス、藤原、イルファンを狙い、攻撃を受けつつガーディアンリペアで修理しながら追いかけてくるが、さすがに速度は落ちる。
 シヌヘは島津が振るう剣の片方を槍の先に引っ掛けて抑えこみ、もう片方を足で踏みつける。
 デッドオアアライブによる光の線が目の前をかすめ、島津は剣を手放し後方に飛びずさる。
 避けたその場所にシヌヘの回し蹴りが空回りしていた。
 シヌヘがクルリと回した槍に引っ掛かっていた剣は宙を舞い、槍の矛先が島津の胴体に突き刺さり全体重をかけたその攻撃に吹き飛ばされる。
 そのままいくらか走っていくシヌヘの先には罠があるのだが、そこに行くまでに立ち止まり追いかけてくる3体を待ち構えていた。
 藤原はインテュイションとデッドオアアライブで危険に敏感になり、コンセントレーションで集中力を高め、パーフェクトリードでスフィンクスの出方を予想する。
 今は自分たちと対戦に持ち込む気満々だが、囲まれるのが嫌いな様子から囲まれたらまた動くのは目に見えている。
 その前に、囲まれないように動くのだから――そこから導かれる数パターンの動きと、中間達との意識の共有で誘導作戦が順調なのを悟り、とにかく自分達は負傷を恐れずスフィンクスを畳み掛けにいっているようにみせかけ、これが誘導作戦と悟られてはいけない。
 対神ブレードキャノンの銃口で狙うは足首関節。
 向き合っている状況では右か左に避けるのは当然。避けたら避けた先に右ならイルファン、左ならウォークスが回り込む算段だ。
 ――――右! 
 リコはフォースコーティングで守護者の機動力と防御力を高め、イルファンはリコから託されたセカンドスラスターMk-IIで更に距離を詰め、雲散霧消でスフィンクスの認識をずらし、死角へと潜り込む。
 一瞬、目の前のイルファンが消えたように見えたはずだろうシヌヘだが、その死角からインテュイションでクリティカル率を上げた剣でディスラプトラッシュによる――――攻撃を仕掛ける前に、スフィンクスは駆け出した――ルドルフがいる方向に。
 シヌヘとそこで交戦になれば、自分の剣2本を拾い上げてドレッシングウィンドウによる素早さで追いついている島津と、左にウォークス、真正面に藤原がいるのだから、また取り囲み――な状況だった。
 ならば、包囲される前に駆け出すかもと未来視していた4人は、右に行けば雲散霧消を使い攻撃するイルファンに、左に行けば防御主体でひたすら食いついてくるウォークス配置で、駆け出す方向を一方向に絞り込ませたのだ。
 目の前にいかにも罠と言わんばかりの煙が炎が燃え上がっている。
 幼年形態に身を変え、ここは突破すべきとその煙を飛び越えるスフィンクス。
 着地するだろうその場所にルドルフは地突の計で落とし穴を作っていく。
 一早く駆けつけた島津は鉄の鎖、レージングでスフィンクスを押さえにかかる。 
 佳宵から黄金のバナナが着地時にバナナトラップ急で放り込まれ、ものの見事にこけている。
 縛り付けられれば、巨人の中でも弱い個体であれば一時的に動きを封じる事も可能だが――スフィンクス相手では、そう時間もかけられず鎖をその身体に絡ませて動きを鈍らせるのが精一杯だ。
 だが、鎖が絡まり落とし穴に落ちたシヌヘに自由は少ない。
 視野を防ぐ煙は島津が纏う風が振り払う。
「これが俺達の全力だ!」
 島津の守護者用高周波ブレードとガーディアンバスターがサウザンドレイヴによる高速の連続突きが見舞う。
 インテュイションによるクリティカルヒットを伴ったイルファンのディスラプトラッシュによる急所への連続攻撃。
「「私達のとっておき、見せてあげる―――!! ―――ハイパーナチュラルミサイル!!」」
 リコとアリシアから光の矢が放たれる。
「逃げ場なんて……」「どこにもないんだから……っ!」
 藤原もインテュイションでクリティカルヒット率を上げた上での、対神ブレードキャノンの剣をその体に突き刺し、銃弾も撃ち込む。
 リーゼロッテとソフィアが時間差で記憶の奔流をアクリャノトトメスに目掛けて発動させ、最後に自分が絶命状態になるのを覚悟しての、至近距離でのバスターパックの大口径ビーム砲。
 オリハルコンソードを鞭状にし、ウィップソードツヴァイ2本の剣を巧みに扱いうウォークスはホールドアタックでスフィンクスを絡め取り、そのまま締め付け自分の守護者が軋む音を聞きながらダメージを与え続けていく。

――ケチュア会長の一斉攻撃の合図の声が届く。

 意識が遠くなる中で、ウォークスは同じグループのメンバー達が倒れていくのを見た。


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