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【覚醒のアーキタイプ】文明衝突トーナメント―決勝戦―

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【覚醒のアーキタイプ】文明衝突トーナメント―決勝戦―
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■スフィンクスに確実に命中する魔法とは■



「『最初は4本、次は2本、最後は3本、これなーんだ』なんてナゾナゾがあるが、これは人の一生を表すんだってな。さてスフィンクス。お前が立ち上がった先にゃどんな終わりがあるだろうよ」
 キョウ・イアハートは楽しげに真・時空の守護者ヘルグリューンに乗り浮玉による変形機構による鳥型で金色になって輝く。
(正直な話、この世界のシステムの意図は少しはわからんでもない。成長し続ける文明はやがて慢心し、外を、そして内を滅ぼすことになる。
 手前たちで潰しあう前にシステムが介入することで文明の純度を保ち暴走を防ぐ。だがこんなもん所詮はシステムのワガママの押し付けで。
 文明ってのはもーちょい懸命に歴史を歩むし、須らくが慢心して暴走するとも限らんわけで)
 冷静にアーキタイプの世界の意図を汲み取ろうとし、その上で(少なくとも俺らは未知を探し、守るべきもんを守り、進むべき道を自分たちで決めてきた)強い決心を心に抱く。
「いくら滅亡者が強かろうと、守護者が届かない道理はない。かならず倒す。そのために力を蓄えてきたんだ。勝つぞ。ライン、オモイカネ、ヘルグリューン」
 キョウと一緒に真・時空の守護者ヘルグリューンに乗るライン・アーベント思 金
「空におわす太陽はこの世界を続けてもええんやって思うとる。
 特異者という異物を測り、それでも今回のトーナメントに出てくることを是としたってことは、特異者たち諸々をひっくるめた世界が続いたってええ、ってことや!」
 そう、アーキタイプが特異者の動きを認めてなかったら。スフィンクスを認めていたら。こうも特異者に口出せさせず世界から追い出しただろう。
 天は特異者の行動を歓迎しているはずだ。
「我らが守護者がついに『時』と『空』の名を持った! これすなわち我らの繋がりが成り立った証!! 
 『岩壁』と『黄金』。決して近からぬ地を守護していた我らアクリャがひとつの守護者に繋がったのだ! これほど傑作なことがあろうか! 
 文明が続く限りこうした未知や新たな可能性にたどり着く! その輝かしい未来を閉ざすことなぞ許さん! さあ叫んでやろうぞ! この守護者の輝きがある限り、世界は終わらぬとなあ!!」
 ラインと思金は次々に力強い言葉を発す。キョウの長の貫禄と相まって、周りの士気を高めていく。
 キョウとラインと思金は精霊と儀式をかわすようにアヤワスカによる薬を飲む。
 リアリティクローゼット、ドレッシングウィンドと風を纏い、手に霊剣テスカトル。
 ラインはツインマニューバーで3人の思考を共有し、三者間での連携を密にしていく。
 思金はスパークリングマインで接触すると大爆発を起こす浮遊する雷球をスフィンクスの周りにばらまき、ゴールデンルールで守護者の性能を全般的に向上させている。
 空飛ぶ真・時空の守護者ヘルグリューンに対する攻撃は、以前みたアクリャのハイパーナチュラルミサイルをアイシスとトトメスを仕掛けてくるかと見ていれば、やはり飛んでくる光の矢。
「切り札足りうる火力であるが、向こうの手札を断つためなれば惜しまぬ!! ねえさま!」
「ええで!」
 霊的な追尾をする光の矢、ハイパーナチュラルミサイルを2人は放ち、相手の攻撃を相殺する。
 キョウは霊剣テスカトルによる複数の転写した刃を一気にスフィンクスへ向かわせる。
 スフィンクスは三叉槍を振るい、その刃を一掃する。そして、それは周りのスパークリングマインの爆発をも呼び起こす。
「何か、スフィンクスには未だ我々の知らない切り札があるのだろう。
 それに、ドレッシングアンリミテッド……時間が掛かれば掛かるほど強力になっていく……これは何とかしなければな」
 防衛線に強い金剛石の守護者ディアマントに搭乗するジェノ・サリスは、戦士の秘薬で反射神経が研ぎ澄まされ、戦闘能力も向上させていた。
 パーフェクトリードでスフィンクスの動きを観察するが、動きがよく肉弾戦に持ち込めても勝てる可能性が――数人一緒なら? いやしかし、人数が多いならそれだけ接近戦で囲める人数は限られるし、遠距離なら回避される可能性も高い――勝てるのか? シヌヘ相手に。
「ディアマントはEXリアクターを搭載していません。純粋な戦闘力ではまともに戦うのは無理です。でも、勇気とガッツがあれば、何かしら出来ることはあるんです。」
 ジェノと一緒に乗っているディア・アルマは、危機回避で身の危険に敏感になりつつシヌヘをみる。
「蒼穹の島を守りし風の大精霊よ! この声届き、頼みを一つ御聞きなさればこの大舞台!一世一代の大立ち回りにご立会い願おうさ!! 
 我が守護者が冠するは時空。過去より続く遥かなる空を守りし者!! 
 空を終わらせようとする滅亡者にその憤怒を持って終わりをもたらせ!! 大精霊の憤怒よ!!!」
「最後の無茶や、大精霊の憤怒に全てを捧ぐで!」
 ラインはサンアタックでキョウの攻撃力をアップした。
 ジェノは、キョウの大精霊の憤怒があたるようにとセカンドチャンスでアダマンタイトキャノンを――構えてる暇は無い、とそのまま踏み込み、その上で長の貫禄をもって大精霊の憤怒による攻撃をスフィンクスへ。
(テラコッタにも有効だった。それより効力が薄くとも、まったく効かないわけではないだろう。それが2発なら?)
 そう。2人の大精霊の憤怒をくらったスフィンクスは魔法を使えなくなったが、それはそれでアンリテッドでキョウやジェノにも降りかかっている。
 空から落ちる真・時空の守護者ヘルグリューン。ジェノは至近距離からアダマンタイトキャノンから砲弾を撃ち出した。
 スフィンクスに穴が開くが、起動停止までには至らず、シヌヘはジェノに向かって襲い掛かって来る。
 持つ雪結晶の盾2つを持ち、ジェノは攻撃を防ぐ。上げた戦闘力で攻撃を防いでいくが、破損する盾。機体。
 しばらく――本当に僅かな時間だったのか、長かったのか。
 ヘルグリューンは地面に叩き付けられる前に時界の杖で空飛んでいた状況まで時間を巻き戻し、スフィンクスもガーディアンリペアで傷を塞いでいく。

*  *  *


「囮になって下さってますが、もし、ケチュア会長がやられたら、勝ち目がとても低くなると思いますので――」
 そう言って、波乱を呼ぶ戦場となった場からケチュア会長を引き戻したのは砂原 秋良である。
 守護者クレイドル【文明の守護者ザフィーア】にデューン・ブレーカーレヴィーア・ファルトナーと共に乗っている。
『今手の届くところで、友達が好きだった世界の行く末が決まろうとしています。そんなときだからこそ、今私はここで、その行く末を決める戦いに関わりたいんです。
 心を、命を燃やして、その先が惨めなものであったとしても、なにもせずにただ見てるだけなんてしたくないって思うから』
 そう言ったのは砂原だ。
『私も行きますよ、だって私達がいなくちゃ守護者も完璧に動かせないでしょ? どんな終わりになるとしても、なんて考えなくても大丈夫です! 未来は私達で掴み取るものなんですから! 
 さあ、いきましょう! この世界の未来をハッピーエンドにするために!』
『……友達が好きだった世界の行く末に関わりたい。そう思うんなら、そうすればいいと思うわ。サポートは私がすべてやり抜くから、秋良もデューンも自分のやるべきことをやりなさい』
 デューンとレヴィーアはその友人ほどアーキタイプの世界は好きではないが、友人が好きだった世界に関わりたいという砂原を後押ししてきている。
 デューンとレヴィーアはツインマニューバーで3人の思考を共有させ、レヴィーアはフォースコーティングで機動性と防御を高め、デューンも アクリャ用インカムで機動性を高める。
 呪術防護盾ア式による盾でケチュア会長を庇いながら、後ろに下がる。
「そうかい? そうだね、アンタらがとても頼りになるのは確かだからね。任せるとするか」
 ケチュア会長が一歩後ろに下がった所で、砂原はリアリティクローゼット、ドレッシングフレイム、ドレッシングプロミネンスとで灼熱の身体を身に纏う。
 手には漂流砂刃【流砂の太刀】。パーフェクトリードで読み取るスフィンクスの動きをみていると完全に受身。
 それでも、戦略を考えればケチュア会長を狙うのは当然だ。今は激しく特異者達がスフィンクスに挑みに掛かっている以上、こちらを狙っては来ない――はずである。
 砂原は戦闘態勢を崩す事無く、スフィンクスの戦いをみやった。
(かつてアーキタイプという世界が好きだった友達がいました。その人は友達と一緒にその世界を冒険したかった、と言っていました。
 当時はあまり興味は引かれず、今も他の人達ほどこの世界のために、という想いはないのではないか、と思います――けれど)
 悩む砂原。しかし、その友達を想う砂原の心が真っ直ぐに世界を守るための力に変わっていくのである。

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