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【覚醒のアーキタイプ】文明衝突トーナメント―決勝戦―

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【覚醒のアーキタイプ】文明衝突トーナメント―決勝戦―
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■九鬼有栖とお話■


 トライポッドの動きは止まったかに見えた。
 しかしまだ油断は出来ない。

 松永が毒性はあるが高い防御力をもつ死界のスフィア【スフィアフィールド】を田中全能神を中心に置き、迅雷の守護者エムロード付属のシールドも置いて守られている中、邑垣 舞花ノーン・スカイフラワーと一緒に2人の元に訪れた。
「有栖ちゃんと全能神ちゃん、こんにちは! お話ししよ?」
 まとうものを幸運にすると云われるドレッシングフォーチュンをもつノーンだ。
 毒や交戦の攻撃に巻き込まれること無く、一緒に来た邑垣共々無事に辿り着いた。
「決勝戦の局面ではありますが、少し疑問点があります。有栖さんにお話をお伺いしたいです。勿論、護衛にも尽力しましょう」
「有栖ちゃん、おやつのキャンデー持ってきたよ。みんなで食べよ?」
 ノーンはロリポップキャンディを九鬼に渡す。目を輝かせる九鬼。
「ありがと!」
「それの包み紙は僕が描いたものだね」
 得意げに言う田中全能神に、ノーンはずずいっと格別な味がするという黄金バナナを差し出した。
「全能神ちゃんには至高で究極のゴージャスなバナナがあるよ!」
「これは美味しそうだ」
 田中全能神と会話が弾むノーンをおいて、きちっと九鬼に向き直る邑垣。
「有栖さんの願いを聞き届けたブラフマーが全能神さんを復活させた……と私は理解しています。とても慈悲深い方だと思うのですが、同じ方がトーナメントの脱落文明を易々と塵に変えてしまうのには違和感を覚えます。何か心当たることはあるでしょうか?」
 うーん、と考え込む九鬼。
「カミサマ――全能神さんが復活した事と、ブラフマーは“直接”は関係ない気する。
 でも、ブラフマーは自分にチェンジする器の持ち主としてカミサマの事を認めてるのかな?」
 確信はもてないけれど、と断りつつ、九鬼は自分の考えを邑垣に述べる
「杞憂かもしれませんが……パチャカマクが勝利しても、何かの理由で抹消されない保証が無いのが心配です。
 とは言え、もうすぐトーナメントの決着が着く現状での心配には意味がないかもしれませんが」
「どうやって保証するの、と話になっても、保証が保証として成り立たないよね、この場合。とにかく信じて行くしかない。もしもの時は、その時に考えよっ!」
 こくり、と邑垣は九鬼の言葉に頷き。
「有栖さん、差支えなければブラフマーとお会いになられた状況を思い浮かべて懐中時計のスイッチを押していただけないでしょうか?」
 そう言って邑垣が渡すのは、タイムリンカー。見た目は懐中時計。上部についているスイッチを押すことで数分間に限り、自身の周囲に自分の記憶や思い出に残っている景色を幻影として映し出……そうとしたのだが。
「タイムリンカーは必要ないよ。……決勝戦が終わったら話すよ。私とブラフマーとの出会いを」
 九鬼は、そう言って静かになっていく戦場を見やった。

【エピローグへ続く】
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