三千界のアバター

プロメテウス砲奪取戦!

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■プロローグ■


 ――国都グローリア・ラディア近郊

 久しぶりに見る国都は、機動要塞ベーダシュトロルガルによって半壊したとは思えないほど再建が進み、以前の美しい姿を取り戻していた。
 “プリテンダー”に所属するプリンセスガードたちは、特異者たちと共にグリーフィア・アルチュセールの手引きで城へと潜入し、ルトガー宰相によって軟禁されている女王エクセリア・ラディアを救出する準備を整えていた。

(まただ……)

 “飛燕の緑薔薇”スティアの脳裏に、一つのヴィジョンが過ぎった。
 特異者たちと関わった彼女はサクセサーへと覚醒していた。
 だからだろうか。最近、一つのヴィジョンを見続けている。

(特異者はしずくから預かっている大切な教え子たちだ。誰一人死なせるわけにはいかないな……もっとも、私自身、先生という柄ではないが、楽しかったな。先生はアケルナルに譲ったが、次にアカデミーがあるとしたら教えられないのは少し残念かな)

 スティアは口元をほころばせていた。
 彼女はワールドホライゾンのゲートがテルスに繋がった際に造られた『三千界アカデミーAW校』の講師を務めていた。
 故にスティアからすれば、ワールドホライゾンの特異者たちは皆教え子も同然だ。

(私はこの作戦で生きては戻れないだろう。戦争だからそれは割り切っている。だが、他のプリンセスガードたちはどうだろうか)

 ふと、共に作戦に参加する“彩雲の黒薔薇”スピアを見た。彼女は性格も深窓の令嬢なので、大丈夫だろう。
 しかし、この場にいない“晴嵐の白薔薇”ルーニャ“紫電の赤薔薇”リリアはそうとは限らない。特にリリアはああ見えて熱血漢なので激昂しかねない。

(ああ、だからこそ、遺書を残すのか。生きている者のために……マイリア様は……いや、生きていらっしゃる。こんな私を拾ってくれた恩に報いることができただろうか……心残りがあるとすれば、それを直に聞くことができなかったことか)

 “プリテンダー”の兵たちは、レーヴェ・アバルト“哀涙の聖母”ナティスの意向で、全員遺書を書いている。家族へ向けて、あるいは愛する者へ向けて。今まで頭では理解していたが、こうして自分が死ぬと分かると、遺書の持つ意味がようやく腑に落ちた。

「スピア、エクセリア様と共に生還した暁には、これをナティス様に渡して欲しい」
「ええ、いいですわよ」

 遺書をしたためたスティアは、コンビニでも行くかのような気軽さで、スピアにそれを渡した。
 スピアもそのような調子だから、これがスティアの遺言状とは夢にも思わず、何気なく受け取っていた。

 セリア救出作戦は間もなく始まろうとしていた。


■目次■

プロローグ・目次

【1】プロメテウス砲への接舷を支援する
【疾風の開戦】
【局地の暗闘】
【怒涛なる潮の如く】
【確固たる壁】
【混沌の中央戦線】
【それぞれの使命】
【見え始めた勝機】
【二重の追撃戦】
【弾丸特攻】
【接舷】

【2】プロメテウス砲の発射を阻止する
プロメテウス砲
プリテンダー
ハイサイフォス・スキッパー
ハイサイフォス
メタルチャリオット
メタルフローラ
シニストラ
ウアウ・エーデル
アケルナル
コピス
フューリー
ズルフィカール
ディッカ

【3】セリアを脱出させる
王城へ
出口を探して
襲撃―1
襲撃―2
脱出

エピローグ
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