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【1】プリンセスブレイド VS 虚構戦団オルギアリス・極夜

「さぁ皆さん、戦闘開始です♪」
 チーム【プリンセスブレイド】と【虚構戦団オルギアリス・極夜】の戦闘が始まった。
 ダンサーのアリシアヒメ(エリカ・クラウンハート)は魅惑の踊りを舞う。
 その背後でヒーラーのリリカ(リリカ・フォーマルハウト)が回復の為に待機しており、二人を守るようにしてネムレルシシ(ミレル・ウルフベル)が相手チームの前に立ちはだかっている。
 近くをうろついていた針蟲が彼女の動きに釣られて寄ってくる。
「一緒に戦いましょう♪」
 アリシアヒメは針蟲を誘惑する。誘惑された針蟲は動きを止めてじっとアリシアヒメを見ている。攻撃は止めたようだが、どうやら言う事を聞かせる程の効果はないようだ。
「えいっ♪」
 踊りながら、アリシアヒメはインセクトキラーで針蟲を一刀両断した。
 アリシアヒメはすぐに踊りを再開し、視線を敵の前衛へ向ける。
 
 レゾ(メル・メルヒェン)はハチマンのクナイを投げ、近づいてきた針蟲を倒す。
 同じように味方を狙う針蟲を駆除しながら遮蔽物の陰に潜り込む。前衛の様子を覗き見ると、互いに相手の動きを待っているのか対峙したまま動かない。
 敵チームの意識がこちらの前衛に向いているのを確認し、レゾは遮蔽物に隠れながら敵チームの後方へ移動する。
 相手のアタッカーは未だ踊り続けている。レゾはその背後に居る相手ヒーラーを狙う。
 ドラゴンスレイヤーを構えて飛び出し、一気に距離を詰める。
 相手を射程内に捉え武器を振り上げようとした時、アリシアヒメの視線がレゾへと向けられた。
 アリシアヒメは踊りつつも、ヒーラーのリリカを狙う者が現れるだろうと警戒していた。飛び出してきたレゾへ即座に震気浪を飛ばす。
「うぉっ!?」
 攻撃を受けたと勘違いさせる程の殺気に、レゾが怯む。
「よそ見は禁止です♪」
 アリシアヒメはレゾへ近づくとくるくると回るように踊り、三回転斬り――トリプルアサルトを叩き込んだ。
 怯んでいたレゾはすぐに動けず、直撃を受け体力を大幅に削られる。
 後ろへ下がろうとするとアリシアヒメがゼピュロスブレードで追撃する。回避は間に合わない。レゾは咄嗟にゼピュロスブレードを放ち、相殺を狙う。
 風の刃は狙った方向へは出せない為、相殺できなかったものが命中しレゾは体力が尽きた。
 
 アリシアヒメは前に向き直り、武器を構える。リリカがシンクロ・アイを使い、彼女へ命中補正をかける。
「風の舞い、とくとご覧あれ♪」
 踊りに合わせて大きく剣を振るい、ゼピュロスブレードを放つ。幾つもの風の刃が発生し、チーム【虚構戦団オルギアリス・極夜】を襲う。
 それを防いだのはルル(飴乃 るるか)だ。
「とおさないよっ! きょこうせんだんオルギアリス、ごくやのたてルル! さいきょーのまもりをみせてあげる!」
 ガードスタンスを取ったルルはロールオブタンクに魔力を込めて最大まで展開し、アイアンヴェールで自身と後方の味方を守る。
 スー(メアリー・スー)もアイアンヴェールを使い、後列のヒーラーを風の刃から守った。
 攻撃直後の硬直を狙い、アン(碧海 サリバン)がアリシアヒメへ攻撃を仕掛けた。
 双剣士の速度を生かして素早く接近し、さらにプレイヤーの【テク】PKクリックによる攻撃と移動キーの同時押しで速度を落とさずに攻撃に移る。
 だがアリシアヒメの傍にはネムレルシシがいた。アンの接近に気付くと即座に二人の間に割り込み、盾を掲げて待ち構える。
 アンは両手に持った剣で斬りかかる。ネムレルシシのラージシールドが斬撃を受け止め、金属が擦れる音が二度、響いた。
 すぐにネムレルシシは無垢のガッダで反撃する。槍の穂先はしかしアンを捉える事はなく、アンは剣で槍を払いのけると後方へ下がり、味方タンクの背後に隠れた。
 スーの背後にいるシヅキ(有間 時雨)がテュルソスを構えた。そして味方が巻き込まれないよう、敵の前衛より少し後ろを狙って光球を放つ。
 クシャトの光球はネムレルシシの頭上を越え、アリシアヒメのほぼ真上で静止。真下に向かって光線を発射する。
 ネムレルシシは頭上で無垢のガッダを旋回させながら後ろに下がる。光線は旋回中の槍に命中し、その場で拡散した。拡散した光は誰にも当たらずに消える。
 ふいに歌声が聞こえ、ネムレルシシはその唄の主を探す。
 シュプール(シュプール・ブルー)は天使の歌声による唄を歌っていた。
 魅惑的な声で紡がれる、心安らぐ唄。その穏やかで心地よい響きは相手チームを眠りへと誘おうとする。
「あら、歌姫さんがいらっしゃったのね。私も負けていられませんわ♪」
 眠気を振り払いながらアリシアヒメは踊り、舞うようにゼピュロスブレードを放つ。風の刃がシュプールへ向かって飛ぶ。
「通さない……」
 スーはアイアンヴェールで全ての風を受け止める。シュプールへはかすりもさせない。
「勝ちたいから、負けないために……誰も死なせない」
 彼女は二つの盾を構え、シュプールを守りきる姿勢を示す。
 シュプールは今も歌い続けている。アリシアヒメ達は今はまだ誰も眠ってはいないが、眠気の影響は未知数であり、誰かが影響を受けてしまうとも限らない。。
「とにかく歌うのを止めさせないと……」
 リリカはアリシアヒメの攻撃に合わせてクシャトの光球を発射する。狙いは勿論シュプールだが、そのやや後方で光球を静止させ、風の刃と拡散する光魔法で挟み撃ちの形を取る。
「止めきれない。シュプール、上のは回避して」
「はい!」
 スーは再びアイアンヴェールを使い、風の刃を阻止する。後方で破裂した光の欠片がその背を焼くが、それは覚悟の上だ。
 シュプールは光線が発射される前に走って離れ、破裂した際の破片が僅かに掠めた程度で済んだ。
 すぐにスーの下へ戻り、ヒールをかけるシュプール。
 眠りを誘う歌声が途切れた為、チーム【プリンセスブレイド】の攻撃は激しくなる。
 リリカが再びクシャトを使用。敵後列のヒーラー達を狙い、その上空で光線を発射させる。
 アリシアヒメはゼピュロスブレードで風の刃を発射。さらに、ネムレルシシがファイアバードを召喚。炎の鳥がその場で羽ばたき、翼から炎を放つ。
 炎を避けながら、アンは相手チームへ近づく。そしてネムレルシシの召喚後の硬直状態を攻撃。攻撃に成功した為、そのまま続けてエッジストームを叩き込む。
「やるな……だが」
 ネムレルシシは反撃はせず、代わりにアレストチェーンを使用する。その手元に魔法の鎖が現れ、アンに絡み付いて身動きを取れなくする。
「くそっ……!」
 大技を撃った直後を狙われ、アンは回避が間に合わなかった。
 アレストチェーンを使用しているネムレルシシは攻撃は出来ない。代わりに、アリシアヒメが動けないアンへ近づきトリプルアサルトを叩き込む。
 鎖はすぐに消滅するが、その前にアリシアヒメが追撃を行いアンを戦闘不能にした。
 ネムレルシシはかなり体力を削られており、リリカがグレーターヒールで回復する。
 それを、シヅキがクシャトの光線で邪魔をする。
「みんな、回復する前に倒しちゃおー」
「とつげきだー!」
 ルルが盾を構えて突進し、その陰にシヅキが隠れてついていく。
 アリシアヒメの攻撃を虚構のラージシールドで受け止め、そのまま押し込む。
 アリシアヒメは押し返そうとしたが、MPが限界に近いため大技を撃てずルルの盾に弾き飛ばされる。
 ルルはネムレルシシを盾で押しつぶそうとする……が、相手もまたラージシールドを装備しており、盾同士をかちあわせて互いに押し合う形になる。
 その間に、シヅキはクシャトで敵後方のリリカを狙い、拡散した光でネムレルシシにもダメージを与える。
 起き上がったアリシアヒメがルルとシヅキに攻撃する。だがその背を炎が焼いた。
「させない……」
 スーはファイアバードを召喚していた。アリシアヒメを攻撃して振り向かせると走って接近し、相手の攻撃を受け止めてから横に逸らすように押し返し、味方を背に庇う。
 
「シュプールさん、後方からの回復はヘレンが引き受けます。シュプールさんはアン様かレゾさんを蘇生して下さい!」
「分かりました!」
 ヘレン(凱河 静)はアヴォイドダッチを走らせて素早く移動し、スーの近く、敵の攻撃が届かない場所でグレーターヒールを使用する。
 近くに居たスーやルル、シヅキの体力が一斉に回復した。
 さらにはアンプルヒールを使い、まだ回復しきっていなかったルルやシヅキを回復させると同時にそのステータスを上昇させる。
 
 リリカはダメージを受けながらもグレーターヒールを使い、自身も回復する事で耐えながらネムレルシシを回復する。
 しかしMPの消費が激しく、数度が限界だった。MPを回復しようにもマジックポーションを使う隙が無く、リリカは一度セレスティアの能力を使って空に浮かび上がる。
「逃がさないよー。吹っ飛べー」
 逃走しようとするリリカをシヅキが狙う。
「そんな……!」
 クシャトの光に撃ちぬかれ、体力を回復しきれていないリリカはそこで力尽きた。

 その頃、シュプールは戦闘不能になった味方の所へ走っていた。 
 レゾは敵チームの後方で倒れている為距離が有り、アンは近くではあるが敵の目の前だった。だがルルが押し込んだ事で周囲に誰も居なくなり、シュプールはアンを蘇生させるためにそちらへ向かう。
「アン様、今蘇生致します……!」
 ネムレルシシが気付いて蘇生を止めに向かおうとする。
「いかせないよ! ここをとおりたければわたしをたおしていけー!」
 ルルはネムレルシシの前に立ちはだかり、押されそうになってもスライムの身体に力を込めてその場に踏みとどまる。
 エルテルンヴァッヘで殆どの攻撃を受け止め、ファイアバード召喚のように範囲の広いものはアイアンヴェールの構えと結界で防ぐ。味方の蘇生が終わるまでは炎の欠片一つ通すつもりは無い。
 アリシアヒメも蘇生阻止に動いていたが、こちらもスーが足止めしていた。
「死んでも……まだ終わりじゃない」
 アイアンヴェールで攻撃を受け止め、隙を見つけるとウォールアタックで体重を乗せて押し返す。そして相手が姿勢を崩せばファイアバードを召喚して大量の炎を浴びせる。
 そうして彼女達が足止めしている間に、シュプールはアスクレピオスの杖を使用。死亡していたアンを蘇生させ、戦闘に復帰させる。
「ありがとな! さあ、さっきのお返しだ!」
 アンはアリシアヒメへ向かって駆け出す。一気に接近して肉薄するとエッジストームを放ち、その残り体力を削り取る。
 アリシアヒメを倒すと今度はネムレルシシの方へ。そちらもMPが尽きていたようで、旋回させた槍と盾でどうにか攻撃を防いでいたが、アンが攻撃に加わると流石に対処しきれず、やがて直撃を喰らって倒れた。
 
「終わったか……」
「いつ他のチームと遭遇するか分かりません。皆さま、回復しますので集まってください」
 ヘレンはグレーターヒールを使用し、集まった味方全員を治療する。回復しきれなかった者へはメディスンの回復技能を使って追加で回復させる。
 その後、マジックポーションを所持している者は使用。マジックポーションを持っておらずMP残量が心もとない者にはヘレンがプレアーを使い、祈祷でその魔力を回復させる。無理に全快はさせず、自身の魔力もある程度残しておいた。
 
 体勢を整えた一同は、周囲の物音に耳を澄ます。
 すぐに、とある方角から戦闘の音が聞こえてきた。一同はそちらへ向かって移動を始める。

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