クリエイティブRPG

サルマティアグランプリ

リアクション公開中!

サルマティアグランプリ
リアクション
First Prev  10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 19 | 20  Next Last

【毒霧の沼バトルロイヤル1】


 Cブロックで行われるのは毒霧の沼をフィールドとしており、気を張り続けなければすぐに毒に侵されたりする可能性がある。その中を戦い続けなくてはいけないという過酷なバトルロイヤル。
 始まってぶつかったそれぞれのチーム。フォレスト★ガンプの者たちとアナザーシード・グレーヌの者たちがそれぞれ戦うこととなった。
 一番前にて仲間たちを守るタンク。フォレスト★ガンプ側のジュノことジェノ・サリスとアナザーシード・グレーヌ側の風間 那岐とオーカこと桜・アライラー
「向こうは完全に前にタンクが2人なんだね……!」
 ジュノ側のチームには他に2人がいるのだが、他2人はヒーラーを守るために一番前に出てはいない。そのため、一番前に出て来ている相手側の2人を完全に相手をしなくてはならなかった。
「こちらの作戦はどうしますか?」
「んー、このまま作戦通りにいきましょー」
 那岐と桜の2人は少しだけ会話をすると、当初の動きを続けることに決める。
 タンクとしての仕事は皆を守ること。しかし、人数の多いこの戦いでは全てをカバーしている余裕はない。味方を守りつつも可能な限り自分もパーティーの皆へ援護をする必要がある。
(後ろにアタッカーの2人がいるけど……どうしようかな)
 ジェノは後ろにいるアタッカーの2人のことを考えながら、次の動きをどうするかを考える。壁として立ちふさがっているのが自分だけではあるが、ヒーラーを守るタンクが2人いることを考えれば、後方のことをそれほど気にする必要もないと言える。それに加えて後方にいるアタッカーのことを考えると、このまま相手側のタンクを突破してくれるかもしれない。
 アナザーシード・グレーヌはタンクの2人を左右へと置いた奇襲されたことも考えてある陣形を組んでいる。そして、那岐と桜の考えていることは相手を消耗させることだ。
「守るだけじゃダメですからね」
 那岐は隙を見て無垢のガッダをジェノへと攻撃。そして、那岐の攻撃を受けているということは大きく反撃や受けきれるといった行動が取れない。その隙をついて桜はファイアバードを召喚させて、相手チームへと向ける。
 攻撃を受けているジェノは後方を確認して状況を考える。ヒーラーを守っている2人はきちんと仕事をしているようだ。そして、自分の後ろにいるアタッカー2人のダメージは軽微に見える。
「これだけじゃないですよー」
 アタッカーがしっかりと待機しているのを確認している桜がアストラルチェーンにて行動を鈍らせようと試みる。
「ちっ……! 俺も前に出る!」
 見ていてジェノの分が悪いと思ったアルと名乗っているアルフレッド・エイガーが前へ出てくる。幸いタンクの数がこちらの方が多く、ヒーラーを守るためのタンクはまだ存在する。
「後ろは?」
「大丈夫だぜ。まだ完全な乱戦にはなってないからな。今はここを抜かれないようにするほうがいい」
 アルの言葉を聞いてジェノはそのまま2人で相手タンクをどうにかするために奮戦を続ける。そこにアルフレッドが加わったことで、タンクとしての仕事も安定をし始める。
(アイアンヴェールとか使って後方の守りも固めてはいるが、相手もある意味同じ動きをしようとしてるのを考えるとちときついかもしれないな)
 アルフレッドはヒーラーを守っているエリス・Z・コルネリアを見ながら考える。自分もタイミングを見て再びヒーラーを守るために動く必要がきっと来るとアルフレッドは思っていた。そのタイミングを外さないようにしなくてはいけない。
「向こうは完全にヒーラーを守る人を設置しているみたいですね……」
「そうですねー……でも、私達は私達の仕事をしなければいけませんから、相手を潰す方向で続けましょー」
 その桜の言葉に那岐は頷くと、自身での攻撃や後方にいる相手チームにも攻撃をし続ける。
 アナザーシード・グレーヌのタンクが援護としての全体を狙った攻撃や隙を見ての攻撃をしてくるため、パーティーにも少なからずダメージが蓄積されていく。そういった際に必要なのがヒーラーなのだが、ここでアルフレッドが下がればヒーラーの2人を守ることはできるが、パーティーの多くの者がダメージを受け、回復をする機会が多くなってしまう。
「相手はヒーラーの魔力切れも考えてんのか……!」
「でも、全てを守り切れないから向こうは任せよう。仲間を信じるしかないよ」
「そうだな。ここをまた1人にしたらもっと被害が出る」
 アルフレッドはまだここにとどまることにして相手タンクの攻撃を可能な限り仲間たちへと向かわせないようにする方向へと転換する。タンクが1人多いフォレスト★ガンプでは守りで言ってしまえば有利と言えるだろう。そこを上手く使っていかなくてはならない。
 アルフレッドやジェノの後方で牽制を続けていたアタッカー、桐ヶ谷 遥――ミナモトがこの状況でどう動く必要があるのかを考えていた。
 アタッカーには遥とおっさんこと桐ケ谷 彩斗が一緒に牽制を続けている。どちらのチームも攻めあぐねている状況を打破するためには――。
「おっさん……」
「了解、一気に距離を詰めるんだな。おっさんにお任せ」
 遥と彩斗はタンクの2人から離れると周囲にある遮蔽物へ移動。それに相手チームのタンクは気付くが、そちらをどうにかできるほどの余裕はない。
 タンクを崩すことで相手の態勢も崩すことはできるが、ここは元より考えていたヒーラー潰しを優先させることにした2人。幸い相手にはヒーラーを守るためのタンクは存在しない。相手アタッカーからの攻撃も考えられるが、タンクがいるのといないのとではやはり変わってくる。
 そして、アナザーシード・グレーヌのアタッカーたちもここからどのようにして動くかを相手の牽制をしつつ相談をしていた。
「ヒーラーを倒すためにはタンク2人の前に出る必要がある……」
「そうだとしても、この陣形を崩すのはちょっと厳しいね」
「それならば、魔方陣から出ず、このまま戦い続けるほうがいいかもしれません」
 アナザーシード・グレーヌ側のアタッカーである、シルヴァことシルヴァーナ・テニエルエルミヤ・フランドル、レンことエルレンド・ガムラ・ウプサラの考えがここで決まる。
 陣形ごと相手に攻め込めるのであればそれが一番であり、ヒーラーを倒す機会もあるかもしれない。しかし、相手側の前衛タンク2人やヒーラーを守っているタンクがいることを考えると、しっかりと味方のヒーラーの周囲にいる状況で戦うほうがいいと考えた。それに加えてこうすることで相手側の奇襲があった場合に対処をしやすいということも考えられる。
「でも、エルミヤさんは弓での攻撃でヒーラーを狙ってください。もちろん、私も魔法で攻撃できるときは攻撃します」
「遠距離攻撃でしっかり狙えるのは私だけってことだね。分かったよ」
 エルレンドにそう言われて相手側のヒーラーへと弓を向けるエルミヤ。
 シルヴァーナの持っている武器は妖精太刀。そして、魔法を使うアタッカーのエルレンドとなると遠距離にいる敵をしっかりと攻撃をすることができない。もちろん、魔法を使うことで攻撃することは可能なのだが、距離が離れると威力が下がレージやクラックを使っての地面への攻撃を考えると動き回っている状況で当てることは難しいと考えた。インテンスもエルレンドは使うことはできるが、溜めが必要であるこの魔法を連射することはできないので有効ではないと判断。
「はぁぁっ!」
 比翼双剣を双剣の状態にて斬り込んでいく遥。それにしっかりと反応したのはシルヴァーナ。相手が近接攻撃であるなら、自分の刀を持って相手をし、エルレンドの魔法で追い込んでいくという作戦。
「反応されたか……!」
 アンブッシュでの奇襲を試みた遥だったが、奇襲のことも考えて陣形を崩さないようにしていたアナザーシード・グレーヌ側に大きな損害を与えることができなかった。しかし、こちらの攻撃は遥だけではない。
「おっさんのことも忘れないでくれよな!」
 セレスティアの種族である彩斗がセレスティアアーマーを用いて遥の上を飛び越えてヒーラーとの距離を詰めていく。飛行しているのであれば、エルミヤの弓で狙撃も可能なのだが、流石にその余裕はない。
「陛下はヒーラーのほうに行って……」
「分かりました、頼みます!」
 遥の相手はシルヴァーナ1人で対応し、エルレンドが彩斗を追う。しかし、シルヴァーナと遥の強さには多少の差があるのか、抑え続けるのは難しい。
「うっ……」
「こちらの方が腕は上のようだな」
 ミナモトはシルヴァーナへとそう言う。もちろん、腕の差はシルヴァーナ自身も分かっていた。しかし、時間稼ぎでも遥を止めなくてはヒーラーがいなくなってしまうだろう。
「こっちも早くどうにかしないとね」
 弓を構えたエルミヤは相手ヒーラーへと向けて4本の矢を放っていく。
「相手もしつこい……ですね」
 その矢を受け続けるエリス。1人からの攻撃といっても飛んでくる矢の数は1本ではないので、防ぐのもなかなか難しい。守ることに特化されたタンクと、攻撃することに特化されたアタッカーとの戦い。自分が抜かれてしまえばフォレスト★ガンプのヒーラーを危険にさらすことになってしまう。
「ヒーラーを守る人がいるっていうのは、やっぱりやっかいだね」
 エリスが攻撃を受け続けている様子を見て、エルミヤも突破は難しいと考える。
 どちらもヒーラーを優先して戦う作戦を取っている状況ではあるが、しっかりと全員で連携を取っているので平行線が続いていく。しかし、何か1つのピースが崩れただけで、そのパーティーは崩れてしまうだろう。
 アタッカーが攻め込んでこられたアナザーシード・グレーヌのチーム。しかし、それを動揺せずに動き続けられるのはミレイこと風間 玲華のコールドリーディングのお陰とも言える。
「皆さん、魔方陣から離れ過ぎないようにお願いします。アタッカー同士の戦いですから、こっちに来る可能性も大いにありますから注意してください」
 しっかりと敵を観察して次に起こすであろう行動を予測しながら、仲間にそれを通達していく。そして、玲華自身は陣形の中心で必要に応じてレンジヒールでの魔方陣を使っているので、状況を把握しやすい場所にいた。
 必要に応じて玲華もアタッカーやタンクの者たちの回復に回ることもあるが、中心にいる自分がこの場所を離れてしまうと、陣形自体が崩れてしまい、パーティー全体にその影響が出かねない。
 魔力に余裕があった時は敵へ向けてクシャトを放つこともあったのだが、アタッカーがきてしまった今はそんな余裕もない。これからどんな動きをしてくるのかをしっかりと見て、味方たちに声を掛けていったほうがいいと判断する玲華。
「毒の状況は――」
 アレナ・クレメントが仲間たちの状況を確認をしながら、そういった動きをするべきかを考えている。
 プロパーフィルムを使用して敵からの攻撃やフロアに充満している毒霧を軽減はしているが、完璧に防げるわけではない。それに加えてタンクの動けるダメージは多く、こまめに回復をしなければ壁役の2人が崩されてしまう。
 相手からの攻撃に備えてパリエスを使用出来るようにはしているが、流石に現状ではその余裕がない。ぶつかった当初ではタンクの2人に使うことで防御力を底上げすることができていたが、現在は仲間たちの回復をするのに手いっぱいである。
「イリスさん、そちらは?」
「回復はとりあえず、お2人で間に合っている様子なので、これを使って支援をしますわ」
 もう1人のヒーラーであるイリスことイリーゼ・ユークレースに確認をして、現在のヒーラー状況を聞くアレナ。きちんとヒーラー同士でも連携をしていかなくては、勝つのは難しいだろう。
 現状で回復は玲華とアレナの2人でどうにかなっているので、イリーゼは持っている眠りの笛を取り出す。ヒーラーとして回復はもちろんするのだが、メインで回復しているのは玲華やアレナの2人。そして、デバフでサポートをするための要員としているのがイリーゼだった。
「分かりました。こちらは任せてください」
「互いに大きく攻め込める状況ではありませんから、イリスさんはデバフのほうを」
 ヒーラー2人にそう言われて笛へと口をつける。
 敵の眠気を誘う音色であるこの笛。眠らせることも可能なのだが、その効果は絶対とはいえない。しかし、眠気が来るだけでも多少相手の阻害になるだろう。
 笛を吹きながらも味方内で指示を出している玲華の様子をうかがうこともイリーゼは怠らない。ヒーラーの中でも彼女が一番中心にいる人物なので、倒されるわけにはいかないからだ。イリーゼもアレナもまた優先すべきは玲華なのだ。
「んー、流石にヒールも追いつかない!」
「魔力の回復も出来なくなってしまいましたからね」
 フォレスト★ガンプのヒーラー、フィーリアス・ロードアルゼリア乙町 空がそう話していた。
 現状はどちらも攻め込めない状況なのだが、実際問題回復がおいついていないのはフォレスト★ガンプのヒーラーの2人である。タンクにはもちろん回復を配らなくてはいけないが、相手ヒーラーを倒しに行ったアタッカーの2人を回復させるためには、自身が回復できる範囲まで行く必要があるのですぐに回復とはいかない。ヒーラーを守るタンクとしてエリスが守ってくれてはいるので、自分たちに攻撃は来ることはないのだが、回復するペースが速いと魔力を使う量も増えてくる。
 空はアナライズグラスを使用して回復量を増やしてはいるが、その回数が多いとやはり意味をなしてはこない。フィーリアスもアンプルヒールなどで味方の能力底上げをしつつ回復などをしてはいるが、消費が激しく使い続けるのは難しい。
「…………」
「どうしたの?」
 何かを考えている様子の空にフィーリアスがそう聞く。このままではいつかヒーラーである自分やフィーリアスの魔力がつきて、パーティー全体で戦えなくなる時がくるだろう。
「回復は私が今から全て行います。ロードアルゼリアさんは温存しておいてください」
「え、それじゃあ――」
「大丈夫です。ヒールを多用していたのなら魔力はまだあるでしょうし、ヒーラーが2人いるのなら1人がいなくなっても、もう1人で回復できます」
 空はこれからのことを考えて、この戦いでは残り全てを自分で回復させようと思いつく。
 こういった状況だからこそ冷静に見極め、魔力消費の少ないヒールを多用していたフィーリアスに今後のヒーラーとして働いてもらった方が良いと空は思ったのだ。
 彼女の信念が見えたフィーリアスは頷くが、ここで戦況が変わり始める。
「くっ……このダメージじゃ――」
「それでも仲間の盾になり続けねえと……!」
 フォレスト★ガンプの前2人のタンクのダメージ量が蓄積し、倒れそうになっている。戦闘不能を回復させる術はあるが、この状況では押し込まれるのが分かった。
 ここでフォレスト★ガンプの面々は降伏を宣言する。その被害は大きく、これ以上戦うことはできないと皆が判断したからだ。
 基本的に陣形を崩さずに戦っていたアナザーシード・グレーヌの面々。もちろん、彼等も大きく消耗してはいるのだが陣形を崩さなかったことで上手く役割が周り、陣形をフォレスト★ガンプの元へと食い込ませる事に成功。
 しかし、これらの戦いでアナザーシード・グレーヌの消耗も大きくなり、これ以上の戦いになれば勝つことも難しい状況ではあるが、戦う余裕は多少ある。
 そして、二つのチームがぶつかったこの戦いではアナザーシード・グレーヌ側が勝つ流れとなるのだった。
 
 
First Prev  10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 19 | 20  Next Last