三千界のアバター

サルマティアグランプリ

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【2】接戦の末



 二組の戦闘が続く中、仲間たちへ被害が及ばないように、ガーナーライトによる誘導を続けていたスレイの背後にも、敵の攻撃が迫っていた。
 タンク至上主義のメンバーが、まだ一人残っていたのだ。
 それに気づいたスレイは、ラビリンススパーを利用して接近すると車輪を活かし、盾を構えたままぐるりと一回転した。
 敵が反撃を仕掛けてくるも、スレイは勢いそのままにウォールアタックで押し返し、相手に盾を叩きつけた状態で盾に仕込んでおいたシュートジャベリンを放つ。
 相手がその場に倒れ、これでタンク至上主義は完全敗北となった。
 この一角の砲台も、利用できそうだ――。


「起きて下さい!」
 撤退したアシュウインとアリサのもとへは佳宵が駆け付けて、アスクレピオスの杖で戦闘不能状態からの回復を試みる。
 その間を、他のメンバーが繋いでいる。

 インバスの方も、まだ体力は残っているようだ。
 ミシェルは剣を紅黒のカーマに持ち替えると、背後から敵に迫り、斬撃と共に生命力を吸い取ろうと試みる。攻撃しつつも、サキュバスとしての能力と剣の力を併せて、体力を回復しようという算段だ。
 空猫の旅団も負けじと、タンク至上主義と戦闘した際の要領で、攻撃を仕掛けてくる。体力は都度しっかりと回復しているから、連戦中とは思えない勢いだ。
 しかしインバスも、負けてはいられない。
「ここは絶対に通さないよっ!」
 アナフィアが、エルテルンヴァッヘで周囲の攻撃を引き受ける。騎士の誇りを胸に、仲間が敵の射線に入らないようにと、防衛する立ち位置を気にしつつ動く。

 アシュウインが出遅れている今、空猫の旅団の攻撃の要はウォークスだ。
 ウォークスは特に、自分たちとおなじように動物や乗り物を利用している者が攻めて来れば、遠距離から攻撃する算段も立てていたが……インバスにはあまり騎乗している者がいないようだ。
 とはいえ、この人数を相手取るには手段を選んではいられそうにない。
 ウォークスは隙を見て、エイムスナイプでクナイを投げつけるといった遠距離攻撃も行っていく。これで注意を引いて、こちらを狙ってきてくれれば万々歳だ。このまま戦うより、相手が分散している方が戦力を削りやすい。

 コミュニは相手の攻撃がくる方向をしっかりと観察し、ナイトハルバードの柄で攻撃を受け止める。それをウォールアタックで押し返し、距離をとろうとする。
 接近してきた何人かは跳ね除けたが、まだ敵はいる――。
 ウォークスやグレイの攻撃は依然として容赦なくインバスを襲うが、アナフィアがエスカッションを形成し、盾で攻撃を受け流してくれた。さらに月光刀に光を反射させて、敵の目をくらませようと試みる。
「月の光はすっごいんだからっ!」
 光の反射に、一瞬、相手が怯む。ロゼがアナフィアにプレアーを使用して、すぐに魔力を回復させた。
 次いでコミュニが「皆、避けるに!」と仲間たちへ声をかけ、「光あれ【栄光の小瓶】」を投げつけた。眩い光と轟音が、周囲の相手を包み込む。
 閃光がさく裂している隙に、ファイアヘッズはタンクやヒーラーの面々の後ろに隠れて、手早くベア・トラップを利用し罠を仕掛けようとするが、僅かに間に合わず、設置こそできたものの罠の存在は敵に知られてしまう事となった。
 本来ならば食物や物資で敵をおびき寄せるものだが、悪目立ちする罠の設置はこの会場では逆効果と考えたファイアヘッズは、あえて目立つ物は置かずに、罠位置まで敵を誘導する作戦に出た。
「今仕掛けました、ここに! 誘導してください! 踏まないようにしてくださいね!」
 と味方だけに声をかけ、その場を離れた。
 直後、やや離れて行動していたスレイがガーナーライトで、魔力弾を敵の方へと誘導してきた。
 魔力弾による襲撃を受け、さらにファイアヘッズが仕掛けた罠によって敵は方向を変えざるを得なくなった。
 この隙にファイアヘッズは、皆へキュアポーションを私回復させる。

 ここでアリサとアシュウインが復帰し加勢するも、空猫の旅団が劣勢と思われた、その時だった。
 序盤に終日が仕掛けていた罠が、インバスの面々を足止めした。
 その隙を突き、アシュウインたちが一気に攻め込む。コミュニはラビリンススパーの車輪を使い、その衝撃を後ろに流す。
 最も終日の罠による被害を受けていたコミュニに、敵の攻撃が迫る――。
「皆生きるに! もし私自身が倒れても、手遅れなら見捨てるに!」
 コミュニはそう告げたが、それまでヒーラーや次点でクラフターを優先的に守っていたリリックが、すぐさまコミュニの傍へ走り前面に割り込むと、エルテルンヴァッヘで攻撃を受けきった。
 コミュニはインバスの司令塔である。それを、こんなところで失うわけにはいかないのだ。
 なおも攻撃を仕掛けてくる相手に、リリックはアレストチェーンを放って時間を稼ぐ。リリックのアレストチェーンは敵を捕まえ、隙を作り出す。
「今、傷を治して差し上げますわ」
 すぐにロゼも駆けつけ、コミュニにアンプルヒールをかけ始めた。多少の回復はできるが、限界は見えてきている。罠や魔力弾に引っ掻き回され、両チームともに身動きがとりづらい。
 そこで上空にいたスアマとミカンが、インバスを勝利に導こうと動く――が、何者かが起こした風計に妨害され、上空も行動できなくなってしまった。どうやら他所でも、戦いが勃発しているようだ。
 互いに少し回復してはまたぶつかり合い、と繰り返す二組だったが、もう、そう何度も完全に回復できるわけでもなくなっていた。
 ほとんど相討ち状態で、両チームともに間もなく力尽きて倒れていった。



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